22/02/16
確定申告の期限に遅れてもよい人とダメな人の境界線

例年2月16日から3月15日までは確定申告の期間。2021年分(令和3年分)の確定申告は、2022年2月16日(水)から3月15日(火)までに行うルールなのですが、何らかの理由で期限に遅れる人もいるかもしれません。期限に遅れるとペナルティもあるのですが、実は確定申告の期限に遅れても大丈夫な人もいます。今回は、確定申告の期限に遅れてもセーフな人・アウトな人がそれぞれどんな人なのかをご紹介します。
確定申告が必要な人はどんな人?
確定申告とは、毎年1月1日から12月31日までの1年間に得たすべての所得を計算して申告・納税することです。所得とは、簡単にいうと儲けたお金のこと。どのように儲けたかによって、「利子所得」「配当所得」「不動産所得」「事業所得」「給与所得」「退職所得」「山林所得」「譲渡所得」「一時所得」「雑所得」の10種類に分類されています。これらの所得にかかる税金を所得税といいます。
とはいえ、多くの会社員や公務員など(給与所得者)で、収入が給与のみの場合は、基本的に確定申告は不要です。なぜなら、会社員や公務員の方の所得税は、勤め先が毎月の給与からおおよその金額を差し引いて納めているからです。これを「源泉徴収」といいます。そして、年末になると会社は「年末調整」を行い、正しい金額に直してくれています。納めすぎた税金は戻ってきますし、足りない場合は不足分を支払います。
一方、個人事業主やフリーランスには、そもそも年末調整がありません。そこで、確定申告で正しい所得税額を計算し、税金を納付する必要があるというわけです。
なお給与所得者でも、以下のような人は確定申告を行い、必要があれば税金を納付しなくてはなりません。
・給与収入が2000万円を超えている人
・給与所得・退職所得以外に20万円を超える所得がある人
・2か所以上の会社から給与をもらっている人
・年の途中で転職したものの、前職分を含まずに年末調整した人
そして、確定申告を行って所得税を納付する必要のある人は、期限内に確定申告をしないと「アウト」です。
アウトな人が確定申告をしないと、ペナルティがあります。
「アウトな人」が確定申告しないとどうなる?
毎年の確定申告の期間を過ぎてから確定申告を行うことを「期限後申告」といいます。期限後申告となると、次のようなペナルティが課され、追加で税金を納めなくてはならなくなる場合があります。
●無申告加算税
無申告加算税は、期限内に確定申告や税金の納付をしなかったときのペナルティです。
税率は原則として納付すべき税額の15%。納付すべき税額が50万円を超える部分については20%になります。ただし、税務署の調査を受ける前に自主的に期限後申告した場合は、税率は5%に軽減されます。
また、うっかり確定申告の期限が過ぎてしまっても、
・1か月以内に自主的に期限後申告を行って全額を支払った
・過去5年間に無申告加算税や重加算税を受けていない
場合は、1回に限り無申告加算税が課されなくなります。
●延滞税
延滞税は、確定申告の期限の翌日から納付日までの日数に応じて課されるペナルティ。2022年の税率は、納期限から2か月以内は年2.4%、2か月を超えると年8.7%です。
●重加算税
重加算税は、意図的に確定申告しなかったと認められたときに課されるペナルティです。悪質なケースと判断されたということで、税率は無申告加算税よりも重く、納税額の40%となります。さらに、5年以内に再度課された場合は10%プラスされて50%となります。
さらに、青色申告をしている場合、期限後申告だと受けられる控除が55万円(e-Taxの場合65万円)から10万円に減らされてしまうため、税金が高くなってしまいます。さらに複数回期限に遅れると、青色申告の承認が取り消されることもあります。当然、税務署からの印象も悪くなるため、目をつけられてしまうかもしれません。
このように、確定申告の期限に遅れることにはデメリットしかありません。ですから、忘れずに期限内に確定申告をしましょう。
なお、2022年の確定申告は、新型コロナウイルス感染症の影響で期限内に申告ができない場合、申告・納付期限を2022年4月15日(金)まで延長することができます。2020年・2021年の確定申告は一律で1か月延長されていたのですが、2022年は個別に申請が必要です。
といっても申請は簡単。書面で提出する場合は確定申告書の右上、ウェブの「確定申告書等作成コーナー」を利用する場合は「特記事項」の欄に「新型コロナウイルスによる申告・納付期限延長申請」と記載すればOKです。
●納付期限延長申請の記載例(一例)


国税庁「新型コロナウイルス感染症の影響により申告期限までの申告等が困難な方へ」より
還付申告をする人は「セーフな人」
一方、確定申告をする必要がない人でも、所得税を納め過ぎている場合は、確定申告をすることによって納め過ぎた所得税を返してもらうことができます。これを「還付申告」といいます。
還付申告の期間は、確定申告の期限とは関係なく、翌年1月1日から5年間となっています。同じ確定申告であっても、還付申告をする人は確定申告の期限を過ぎてもセーフな人、というわけです。
給与所得者で還付申告の対象となるケースには、以下のようなものがあります。
・年の途中で退職し、年末調整を受けておらず、その後就職していない人
・マイホームを取得して、住宅ローンのある人(住宅借入金等特別控除)
※2年目からは年末調整可能
・災害や盗難で資産に損害を受けた人(雑損控除)
・多額の医療費を支出した人(医療費控除)
・特定の寄附をした人(寄附金控除)
・生命保険料などの控除漏れがあった人
還付申告は期限を過ぎてもセーフどころか、過去5年さかのぼれます。該当するものがあったら、今からでも還付申告することによって払い過ぎになっている税金が戻ってくる可能性があります。
まとめ
確定申告の期限は原則3月15日までです。「アウトの人」は、極力3月15日までに確定申告を終わらせるようすることで、余計なペナルティを支払う必要がなくなります。万が一期限が過ぎてしまったとしても、1日も早く確定申告をするようにしましょう。
また、「セーフの人」の還付申告は、5年間にわたって可能です。今からでも税金が取り戻せる可能性がありますので、該当するものがないか今一度確認することをおすすめします。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。

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