connecting…

  • NISA
  • FIRE
  • Money&You TV
  • 確定拠出年金「iDeCo」「企業型」
  • マネラジ。
  • ふるさと納税
  • 届け出だけでお金がもらえる! 給付金制度を活用しよう
  • セミナーレポート
  • まとめ記事/チェックテスト
  • 歴女の投資ファイル
  • ズボラでも出来るシリーズ
  • 投資信託でプチリッチ!「投信ウーマン」
  • 投資女子への道
  • 恋株
  • ぽいきさんの幸せを呼び込むシリーズ
  • 大人女子を応援!家庭で出来る漢方の知恵
  • 読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー
  • 駐在マダム、モラハラ夫からの逃亡記
  • “逆打ち”お遍路をご紹介

21/05/19

相続・税金・年金

2022年の年金改正、対象にならない人は意外と多い

最近では、元気なシニア層が増え、長く働くことが見込まれます。それに合わせ高齢期の経済基盤となる年金制度が2022年4月から大きく変わります。この年金改正には、私たちにとってお得になると考えられる内容も多いのですが、改正の対象にならない人もいるので注意が必要です。うっかり勘違いすることのないよう、3つの改正点と対象を詳しく紹介します。

年金改正1:在職老齢年金が28万円から47万円へと引き上げ

「在職老齢年金」とは、60歳以降に厚生年金の被保険者として働きながら受け取ることのできる老齢厚生年金です。しかし、支給される年金は、毎月の給料と年金の合計額が一定の基準額以上になると、超えた金額の半分に当たる年金が減額されます。

在職老齢年金が調整される基準額は年齢ごとに決まっています。これまで、60~64歳の基準額は28万円以上、65歳以上の基準額は47万円でした。しかし、2022年4月の改正により、60〜64歳の基準額が47万円へと引き上げられます(65歳以上は47万円のまま変更なし)。

基準額の算出方法は、「毎月の厚生年金額+毎月の給料+(直近1年間の賞与÷12)」です。

たとえば、60歳から64歳までの方で、

・受給できる厚生年金:月額10万円

・毎月の給料:37万円(賞与なし)

だった場合、毎月の給料と年金の合計額は10万円+37万円=47万円となります。

在職老齢年金の基準額が28万円の場合、毎月の給料と年金の合計額は19万円オーバーしています。そのため、19万円の半分に当たる9万5000円が、受給できる老齢厚生年金で減額されます。しかし、2022年度からは基準額が47万円になるので、老齢厚生年金は減額されることなく満額受け取ることができます。

在職老齢年金の改正の対象になる人は、厚生年金保険の被保険者として働いている人で、60~64歳で厚生年金を受け取っている人です。厚生年金を受け取っていたとしても、年齢が65歳以上であれば対象になりません。また、60~64歳であったとしても、厚生年金に加入しない自営業者、フリーランスの人は対象になりません。

PayPay証券

年金改正2:新設される在職定時改定

65~69歳で厚生年金を受給している人に対して、「在職定時改定」という新制度が始まります。

65~69歳の人で厚生年金に加入していれば、毎月保険料が給料から天引きされますが、受け取る年金にはその分は反映されていません。65~69歳の在職中に支払い続けた保険料が年金に反映されるのは、会社を退職するか70歳になるか。いずれにしても厚生年金の被保険者から外れなければなりません。

しかし、在職定時改定が新設されたことで、65~69歳の厚生年金被保険者は、毎年年金額が改定されるようになります。そのため、65歳で掛けた厚生年金に対しては66歳、66歳で掛けた厚生年金に対しては67歳というように、それぞれ1年後から支払われる年金に対して成果として反映されます。

たとえば、年金改正がある2022年4月に66歳であれば、69歳で掛けた年金が反映される70歳まで、年金額の見直しが合計4回あります。在職定時改定で反映される金額は、給料が月20万円の場合年間約1万3000円ほどです。毎年この金額が増えたとすると、70歳時点になれば1万3000円×4回=年5万2000円(月約4400円)が増えることになります。在職定時改定により、厚生年金が増えるのを楽しみにしながら働くことができます。

在職定時改定では、毎年9月1日時点で厚生年金に加入している場合、その前月の8月までの加入実績が年金に反映されます。増額した年金が支払われるのは、10月分からとなります。しかし、10月分の年金が実際に振り込まれるのは2か月遅れの12月となります。

ただし、対象になる人は、2022年4月時点で、65~69歳で厚生年金に加入している人です。会社を辞めてしまい厚生年金の被保険者から外れていれば対象にならないので、注意が必要です。

年金改正3:受給開始時期の選択肢の拡大

公的年金は原則65歳から受け取ることができます。希望すれば、60~70歳の間で自由に受給開始時期を選べます。65歳より早く受け取り始めることを繰り上げ受給といい、65歳より遅く受け取り始めることを繰り下げ受給といいます。それぞれ2022年4月に改正があります。

●年金の繰り上げ減額率が0.5%から0.4%に引き下げ

年金を早く受け取る繰り上げは、通常より早く年金を受け取る分、受け取る金額が減額されます。今までは、1ヵ月早めるごとに0.5%減額されていましたが、2022年4月からは1ヵ月早めるごとに0.4%へと減額幅が小さくなります。実際に65歳に受給する年金を5年早め、60歳で受け取ることにすると減額されるのは以下のとおりになります。

① 現在の減額率0.5%の場合:60ヶ月×0.5%=30%減
② 2022年4月改正の減額率0.4%の場合:60ヶ月×0.4%=24%減

ただし、繰り上げ減額率0.4%の対象となる人は、2022年4月1日時点で1962(昭和37)年4月2日以降生まれの60歳未満の人に限られます。それ以前に生まれた60歳以上65歳未満の人は、2022年4月以降に繰り上げ受給の請求をしても0.5%の減額率が適用されます。

●繰り下げは70歳までから75歳まで可能に拡大される

反対に、年金を早く受け取る繰り下げは、通常より遅く年金を受け取る分、受け取る金額が増額されます。2022年4月の改正により、70歳の上限が75歳まで拡大されます。増額率は今までと同じく1ヵ月につき0.7%です。繰り下げ率がどのように変わるのかを比較すると以下のとおりになります。

① 現在の70歳まで繰り下げした場合:60ヶ月×0.7%=42%増
② 2022年4月改正の75歳まで繰り下げした場合:120ヶ月×0.7%=84%増

対象となる人は、2022年4月1日時点で、1952(昭和27)年4月2日以降生まれの70歳未満の人です。ただし、対象となる人であっても、年金を一度でも受給してしまうと繰り下げはできなくなるため注意が必要です。そのため、60代後半の人の場合、繰り下げ待機中であることが条件として加わります。

PayPay証券

まとめ

2022年4月からの年金改正の内容と改正の対象者を紹介してきました。改正後の制度の利用にあたっては、年齢だけでなく年金の申請状況や厚生年金の加入の有無などの条件があります。自身が改正の条件に合っているかどうかを今のうちからチェックしておきましょう。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連するみんなのマネー相談(FP Cafe)

50歳から正社員とパート、どちらが得?

年金神奈川県 いいね 2
2015/12/06

主人は自営業で二人で国民年金を20年以上払ってきました。 
50歳になって私は正社員になり厚生年金に。主人は会社で厚生年金を始めました。
正社員といっても手取りで20万円程度で残業代もボーナ...

マネー相談の続きを見る

国民年金基金か確定拠出年金か

年金広島県 いいね 2
2016/10/31

▼プロフィール
年齢:夫 48歳、私 37歳
住居:賃貸マンション
職業:夫(彼) 正社員、私 アルバイト
貯金:夫(彼) 約4000万円、私 約2500万円
年収:夫(彼) 約150...

マネー相談の続きを見る

▼プロフィール
年齢:私 53歳、妻 37歳 娘 小学校6年生
住居:私 賃貸マンション暮らし
職業:私 契約社員、妻 アルバイト
貯金:私 約400万円、妻 約600万円
年収:私 ...

マネー相談の続きを見る

閉じる
FP Cafe® お金の相談をするなら、一生涯の「お金の相談パートナー」へ