20/02/16
「残念な節約」から、お金が確実に残る「本物の節約」にする方法
皆さんは、日々色々な節約に取り組んでいると思います。
ファイナンシャルプランナーである筆者も、主婦としてさまざまな節約をしています(節約は結構好きなので)。
節約は、上手くいくと嬉しくなる半面、むなしくなったりすることがありませんか。
たとえば、
・10円や20円安くなっている広告掲載品目当てにわざわざ遠くのスーパーに足を運ぶ
・「お1人様1点のみ」という特売品が欲しくて、家族全員で行列に並ぶ
・食費を浮かすために食事を抜いたりメニューの数を減らしたりする
・トイレを使ってすぐに流さずに、何度か使った後にまとめて流して水道代を節約する
こんな「残念な節約」をしていると、ストレスが溜まり、その反動で節約した以上のお金を使ってしまうでしょう。
本来節約とは、無理する必要なんて全くなくて、楽しいもの。普段の行動を変えれば、無理のなく楽に節約できるようになり、それこそが「本物の節約」なのだと思います。ではいったい「本物の節約」につながる行動とは、どんなものなのでしょうか。
【大前提】本物の節約がしたいなら、まずは現金の管理に慣れる
結論からいうと、本当にお金を節約したいなら、まずは現金の管理に慣れておくことからはじめた方がいいと考えます。クレジットカードや電子マネーなど、これだけ決済手段がある中、なぜ現金なのでしょうか。理由は簡単。管理しやすいからです。とりわけ数字が苦手な人や、家計管理が上手くできていない人ほど、最初は現金で管理することからはじめた方がよいでしょう。
もちろん「自分はお金の管理はしっかりできている」という人であれば、現金にこだわる必要はありません。
現金管理の良さは、お金が減っていく様子が「ひと目で確認できる」ことに尽きます。お金を使えば、その分、財布の中の現金も減っていくわけですから、足りなくなると気づけば、お金を使うのを控えたりやめたりすることができます。
これがクレジットカードなどのキャッシュレス決済となると、数字のみで管理することになるので、いまいち減っていく実感がわかない場合が多いと思います。
「数字が得意」「数字でも管理できる」という人は問題ありませんが、「数字を見た途端に眠くなる」「数字だとどうも頭に入っていかない」という人は、まずは現金での管理に慣れておいて方が節約できるでしょう。
「残念な節約」から「本物の節約」にする大原則〜食費編〜
食費の節約は、「買い過ぎない」「つくり過ぎない」「食材は直売品店で安く買う」ことが基本です。 そこでスーパーでの買い過ぎを防止するためのポイントを3つ紹介しましょう。
①買い物リストをつくる
リストをつくる際には、向こう3〜4日分くらいのメニューを考えておきましょう。
ただし、共働きの家庭などでは、かなり先の分までまとめ買いをしている人もいるかもしれませんが、まとめ買いはよほど上手にしないと、余計なものを買い過ぎたり、食品ロスをつくってしまったりする可能性があります。なので、まとめ買いをしても、せいぜい3日分くらいにしておき、買ってきた食材は使い切ると習慣をもった方が無難です。
また、スーパーへ行く直前には、冷蔵庫の中身をチェックする習慣をもつことも忘れてはなりません。うっかり同じものを買ってくることを防げるからです。
②スーパーへ空腹で行かない
空腹だと食べたい気持ちが高まり、食品をほぼ間違いなく買い過ぎてしまいます。筆者は買い過ぎ防止のために、あえておやつを食べてから行くこともあるほどです。
③会計の直前に、かごの中の商品を冷静になって見返す
皆さんは、スーパーで「半額シール」が貼ってある商品を見て、必要もないのについカゴに入れてしまったことはありませんか? あるいは、「現在○○売り場でタイムセールを実施中」という放送を聞き、その売り場へかけつけて競きそうように商品を取り合ったことが一度はあると思います。特売日などはスーパー全体の雰囲気も盛り上がっていることが多く、そのままレジに行けば、買い過ぎ街道まっしぐら。
買い過ぎを防ぐためには、レジの前でいったん冷静になってカゴの中身を見返し、場合によっては商品を戻すことも必要でしょう。
本物の節約家は、雨の日に「夕方以降」に買い物に行く
日本は四季を通じて雨の多い国です。総務省が公表している「統計でみる都道府県のすがた2019」によると、日本における降水日数が一番多いのは、秋田県の192日。約1.9日に1回雨が降る計算です。ちなみに最下位は香川県の78日。そこですら約4・7日に1回は雨が降るということです。
雨の日の買い物を避ける人は多いと思いますが、雨の人の買い物は節約にはもってこいなのです。なぜなら、「お得」がいっぱいあるからです。たとえば、スーパーでは雨の日限定のお得なサービスを用意していたり、次回の買い物で、割引価格で購入できる限定クーポンを発行していたりするケースがあります。
さらにお得を期待するなら、雨の日の「夕方以降」に買い物へ行くことです。雨の日は客足が少ないため、多くのスーパーでは夕方以降になると、消費期限間近の商品を中心に、店員がいっせいに値引きシールを貼り出します。そんなタイミングで、普段はめったに買うことができないブランド肉や高級刺身などを購入することができるかもしれません。
雨の日は、気分が沈みがちですが、そんな時こそ、外出をしてみると気分が上がるもの。
とはいえ、いくら安いからといっても、買い過ぎは禁物です。前項でご紹介した「買い過ぎ防止3つのポイント」は守ってくださいね。
『本物の節約 残念な節約』 小沢美奈子 著
『本物の節約 残念な節約』(河出書房新社)
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小沢美奈子 ファイナンシャルプランナー
横浜市生まれ。損害保険会社に勤務後、2012年にファイナンシャルプランナーとなり、現在「K&Bプランニング」代表。Webや書籍でマネー記事を執筆し、セミナー講師や個人向けコンサルティングなどでも活躍。効力の高い「節約術」を基盤にした先取り貯蓄と積立式の運用による、マネー初心者への資産形成のアドバイスを得意とする。趣味はカメラ。日本FP協会認定ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員資格など保有。
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