19/09/16
「隠れリボ」「自動リボ」は借金地獄への罠! 今すぐカードの支払い設定を見直さないとヤバイ
分割して後払いができるクレジットカードの利用代金。とはいっても、3回以上の分割にすると手数料(金利)が上乗せされてしまうので、高い買い物でもない限りは一括払いを選択する方が多いのではないでしょうか。
しかし、「一括払いで」と伝えたつもりが、知らず知らずのうちにリボ払いになっていたとしたら……そしてそのことに気づかず、毎月高い手数料を支払っていたとしたら……。まるでミステリーのような話ですが、実際にあるのです。
支払いは楽だが高くつくリボ払い
リボ払いは、使った金額や回数などに関わらず、毎月一定金額ずつ返済していく方法です。いくら使っても、月々の支払い金額は同じですから、返済がしやすいのはメリットといえます。しかし、元本が少しずつしか返せないため、支払いが長期化し、手数料の負担が大きくなることがあります。
たとえば、5万円借りて、毎月5000円ずつ、年率15%で返済していった場合の総返済額は5万3745円になる計算。手数料を3745円も支払うことになります。
このうえ、さらにカードを使うなどして返済額が増えたり、返済期間が長くなったりすると、手数料はさらに増えていってしまいます。
いかにリボ払いが高くつく返済方法なのか、お分かりいただけると思います。
「隠れリボ」「自動リボ」になるカードに注意!
しかし、だからこそ「一括払いで」と伝えたのに、リボ払いにされてしまうのは困りますよね。なぜこんなことが起こるのでしょうか。
実は、クレジットカードのなかには、リボ払いを前提としたものがあるのです。
国民生活センターによると、クレジットカードの支払いをリボ払いにするには、次の4つの方法があるといいます。簡単に紹介すると、
①リボ専用カード…そもそもリボ払いしか選べないしくみ
②自動リボ設定…自動的にリボ払いになる初期設定をしている
③店舗選択型リボ…支払いの際に利用者がリボ払いを指定する
④あとからリボ変更…カード利用後に利用者がリボ払いに変更する
となっています。
このうち、①のリボ専用カードと②の自動リボ設定になっているカードを使うと、たとえ店頭で「一括払いで」と伝えても、自動的にリボ払いになってしまうのです。
こうしたカードのしくみやリボ払いのしくみをきちんと知った上で活用するのはいいと思います。③や④を選ぶ場合も同様です。しかし、知らないうちにリボ払いになる「自動リボ」は問題です。カード会社が儲けたいがための悪意のある設定としか考えられません。
もちろん、気づかずに使った利用者もよくないでしょう。しかし、先の国民生活センターにも、こうした自動リボをめぐる相談が近年急増しているそうです。クレジットカード会社の姿勢も問題だといえそうです。
「あとからリボ変更」のメールを頻繁に送りつけるのも止めてほしいことの1つです。「ポイントがたくさんつきます!」といかにもお得であるかのように謳っていますが、何のことはない、リボ払いの手数料が高いから少しばかりポイント還元されているだけの話です。
必ずチェック! 自動リボ防止三か条
うっかり「自動リボ」を使うことがないように、次の3つのポイントを必ずチェックしましょう。
①カード契約時に支払い方法を必ず確認!
クレジットカード会社は、なんとかリボ払いを使ってもらいたいと考えています。それはそうですよね、儲かるのですから。ですから、リボ専用カードを作ったり、自動リボ設定にしたりすると、プレゼントやポイントがもらえるというケースも珍しくありません。しかし、目先の利益に惑わされてはいけません。
クレジットカードを作るときには、それがリボ専用カードではないか、自動リボ設定にならないかを必ず確認してください。もし、リボ専用カードや、自動リボ設定を選ばなければならないカードだったら、そのカードは作らないほうがいいでしょう。
②カードを使ったら利用明細に必ず目を通す!
毎月の利用明細、ちゃんと見ていますか? 最近は郵送ではなく、ウェブサイトで見られるものも増えています。「地球環境にやさしく、いつでもどこでも見られて便利」などと聞こえはいいのですが、利用金額を確認しなくなってしまう人がいることも事実。その場合、リボ払いでお金が少しずつ引かれていても気づかなくなってしまうかもしれません。
面倒でも、月に1度は利用明細に必ず目を通しましょう。そうすれば隠れリボの発見につながります。
もし、一括で買ったつもりだったのに請求金額がやたら少なかったり、想定外の手数料が引かれていたりしたら、それはリボ払いのせいかもしれません。
③自動リボを見つけたら解除&繰上返済!
自動リボ設定になっていたという場合は、カード会社に連絡して、リボ払いの設定を変更しましょう。カード会社ごとに手続きは多少異なりますが、電話やインターネットで行います。
また、リボ払いを解除しただけでは、設定を解除するまでに生じたリボ払いは、カード会社への返済が終わらないうちは、支払残高として残ります。
リボ払いの残りの金額は、一括で繰上返済することが可能です。これも、各社で細かい決まりが異なるのですが、電話やインターネットで申し込んで、銀行振込やATMなどによって支払うのが一般的です。一括返済すれば、返済期間も短くなりますし、手数料も減らせます。
一括返済が難しい場合でも、一部繰上返済に対応している会社もあるので、なるべく早く返すのがおすすめ。早くするほど、トータルでの手数料の負担が減らせます。
まとめ
ずばり、自動リボは貧乏への入り口になりえます。知らず知らずのうちに高い手数料を払っていたとなれば、目も当てられません。ぜひ、お手持ちのクレジットカードの利用状況を確認してください。
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頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
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