19/06/22
証券会社が勧めるけれど買ってはいけない投資信託5選
6000本ほどあると言われる投資信託。しかし、どれを買ってもいいというわけではありません。中には、金融機関が儲かるばかりで顧客が損してしまう投資信託や、金融機関が「大人の事情」で販売したい投資信託もあります。証券会社に勤めていた私が、正直おすすめしない投資信託を5つピックアップしていきます。
買ってはいけない投資信託1:純資産総額が急激に減っている投資信託
投資信託が組み入れている資産の時価総額の合計を純資産総額といいます。
純資産総額が多い商品は、プロが運用しやすい商品です。なぜなら、資産をまとめ買いできるので、運用の経費を抑えられるからです。また、純資産総額が増えていれば、運用が順調で、投資家からの資金が集まっていると判断できます。
純資産総額が減っている投資信託は、運用の経費がかかることになりますし、投資家からの解約が増えている可能性もありますので、おすすめしません。
買ってはいけない投資信託2:手数料が高い投資信託
投資信託には、購入時手数料・信託報酬・信託財産留保額という3つの手数料があります。
購入時手数料は、投資信託の購入時に1度だけかかる手数料です。平均すると2%程度ですが、4%以上かかる投資信託もある一方、ノーロードという、購入時手数料がかからない投資信託もあります。また、どこで買うかで金額に差がある場合もあります。
信託報酬は、投資信託を保有している間に引かれる手数料です。年0.1%程度のものもあれば、2%程度かかるものもあります。
そして信託財産留保額は、投資信託を途中で売却する人が負担する手数料です。0.2%程度のものがほとんどで、かからないものもあります。
これらの手数料が高いほど、利益は出にくくなってしまいます。特に信託報酬は長期間保有するほど多くなりますので、高いものを買ってはいけません。
買ってはいけない投資信託3:明らかに分配金利回りが高すぎる毎月分配型の投資信託
数年前、分配金利回りが年20%以上という高い分配金が売りの投資信託がでていました。金融庁が批判をしたことによって、そのような高配当の投資信託を銀行や証券会社が販売するのは自粛されましたが、現在でも年10%を超える分配金利回りの投資信託が販売されているというのが現実です。
高い分配金を毎月もらえる投資信託は、運用成績がいいのかといえば、そうではありません。資産を切り崩して無理やり分配する「たこ足配当」をしていることも多いのです。また、分配金を出すことで資産が減ると、複利の効果も期待しにくくなります。
分配金利回りが高い投資信託は金融機関が投資家に売るための策略だと頭に入れておくことが大切です。
買ってはいけない投資信託4:ファンドラップ
テレビCMでも見かける「ファンドラップ」。投資家の資産を金融機関が運用してくれるサービスです。プロに運用をしてもらえるのは楽そうでいいなと思う人がいるかもしれません。
しかし、危ないのは二重に設定された手数料です。
ファンドラップでは、上で紹介した信託報酬に加え、ファンドラップを利用するための口座管理手数料がかかります。仮に口座管理手数料が2%だとしたら、100万円預けるだけで2万円もの手数料がかかるのです。さらにそこから、信託報酬が引かれることになります。
大手銀行に100万円預けても利息が1年で100円しかつかないことを考えると、とんでもない手数料ですね。一見良さそうな金融商品も裏を返せば、金融機関が儲かる商品だとわかります。
買ってはいけない投資信託5:自分の意向に合わない投資信託
自分自身はあまりリスクを取りたくないと思っていても、銀行や証券会社の窓口では「運用がうまい」「分配金がある」「将来性がある」などといった理由で、リスクのある商品をおすすめされることがあります。
おすすめされると断れない人がいるかもしれませんが、金融機関がすすめる商品=儲かる商品ではありません。むしろ、金融機関が売らなければならない商品、手数料が高い商品であることがほとんどです。
投資信託の購入を検討するときは、欲しい投資信託の条件をはっきりさせておきましょう。
まとめ
以上、正直おすすめしない5種類の投資信託を紹介しました。
いずれも、これらを買ったら必ず損をする、というわけではありません。しかし、証券会社に以前勤務していた私からすれば、どれも正直おすすめしない商品だとはいえます。
投資信託を購入する際は、「金融機関が売りたい商品と私たちの利益が見込める商品は違う」ということを必ず頭に入れておきましょう。
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松尾 朋美 証券外務員1種
税理士や公認会計士の資格を持つ家族と過ごし、大学卒業後は証券会社に約4年勤務。その後大手ネット会社に入社。現在は独立し、個人のマネー相談や執筆、ネット広告の運用やコンサルティングなどを行う『金融とネットのプロフェッショナル』。20~40代の子育て世代からのマネー相談が多く「金融リテラシーが低い人が損しない世の中にしたい」をモットーに活躍中。一児のママでもある。
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