19/05/24
キャッシュレス1万円vs現金1万円、現金にお金の重みがあると考える人は約6割! その考え方は正しいのか
クレジットカードにデビットカード、ID、Suica、LINE Payなど、現金を使わずにキャッシュレスでお金を支払う方法は多数あります。
BIGLOBE「キャッシュレスに関する意識調査」では、実際にどのくらいの人がキャッシュレス決済を利用しているのか、なぜ利用している(していない)のか、現金とキャッシュレスの「重み」に違いがあるか、などについて調査が行われました。
今回は2019年4月に発表された調査結果をひも解いていきます。
なお、アンケートの対象は「インターネットを利用する方のうち、スマホを所有する全国の20代~60代の男女1,000人」(各年代・性別ごとに100人ずつ)。
70.5%がキャッシュレス決済を利用している
買い物などの代金をキャッシュレス決済で支払っていると答えた人(「利用している」と「利用しているものもあるが、利用をやめたものもある」の合計)は全体の70.5%。しかし、注目すべきは、20代から年代が上がるごとに利用者が増えていくことです。20代では63.0%なのに対し60代では81.0%にもなっています。
近年キャッシュレス決済アプリが多数登場していますが、デジタルネイティブな若者だからといって、かならずしもキャッシュレス決済を利用している人が多いというわけではないようです。
画像:BIGLOBEより
利用しているキャッシュレス決済の種類は、クレジットカードでの支払いが78.2%と最多で、ついでSuicaやnanacoなどのプリペイド電子マネーが60.9%となっています。IDやQUICPayなどのポストペイ型電子マネー、LINE PayやPayPayなどのQRコード・バーコード決済はそれぞれ約17%にとどまり、まだあまり普及していない印象です。
もっとも、QRコード・バーコード決済はクレジットカードと連動しているものも多く、クレジットカードや電子マネーなどとの違いがよくわからないことも利用者が少なく出ている理由の一つかもしれません。
画像:BIGLOBEより
使わない理由は「使いすぎそう」「仕組みを知らない」「必要ない」
一方キャッシュレス決済を利用したことがない人は全体の27.4%。約4人に1人が使っていないことがわかります。
使ったことのない理由を聞いてみると、「お金を使いすぎてしまいそう」と答えた人がもっとも多く、33.2%いました。さらに、「仕組みをよく知らない」「必要性を感じない」と答えた人もそれぞれ30%以上で僅差となっています。
現金と違い、キャッシュレス決済ではその場でお金が出ていくことを感じにくいことや、実際にお金を使ったタイミングと引き落としのタイミングが違うことがお金を使い過ぎてしまうのではないかと不安に思わせるようです。
また、「利用したことはない」と答えた人は、今まで現金で支払いをしてきて、現在も特に不便を感じることがないため、あえて支払い方法を変更するつもりはないようです。コンビニのATMであれば24時間、休日でも引き出しができるので、現金がなくてどうしても困るということがないからではないでしょうか。
画像:BIGLOBEより
現金に重みを感じる人は6倍
おもしろいのが、同じ1万円の「価値の重さ」の質問。「現金1万円とキャッシュレスの1万円ではどちらがよりお金として重みを感じるか」という質問でした。どちらも金額としては1万円で同じですが、「キャッシュレスの1万円」と答えた人はわずか9.1%なのに対し、「現金1万円」と答えた人は56.7%もいたのです。
約6倍もの人が現金の1万円の方がお金の価値が重いと答えています。
キャッシュレス化が進んではいても、実際にクレジットカードやQRコード決済ができない店舗もあることを考えると、現金の方が使い勝手がいいと思う人もいるということでしょう。でも果たしてその感覚は正しいのでしょうか?
これは「メンタルアカウンティング」という心の罠に陥っていると言えます。メンタルアカウンティングとは、お金の入手方法・保管場所・使い方などによって、心の中でお金を勝手に分類して、扱い方を変えてしまう心理のこと。 キャッシュレスも現金もどちらも同じ1万円です。どちらもお金の重みを同じように捉え、分類するように意識するのが大切です。
画像:BIGLOBEより
増税後のキャッシュレス決済でポイント還元も
2019年10月からの消費税増税後は「キャッシュレス・消費者還元事業」が実施される予定。2020年6月までの9ヶ月間にキャッシュレス決済を行うと、指定の中小・小規模事業者ならば5%、フランチャイズ店舗などならば2%のポイント還元が受けられるようになるといいます。
対象となるキャッシュレス決済は、クレジットカード、デビットカード、電子マネー、QRコード・バーコード決済など、買い物に繰り返し使える方法です。ただし、郵便切手類、印紙、商品券、プリペイドカード、自動車、新築住宅などは対象外となっています。
一定期間ではありますが、政府主導のポイント還元など、おトクになることもあるキャッシュレス決済。まだ利用したことのない人は、この機会に使ってみてもいいでしょう。しかし、現金のようなお金の重みを感じにくいということは、つい使いすぎてしまう可能性も。お得だからと使いすぎては本末転倒ですから、支出の管理はきちんとするようにしましょう。
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黒須 かおり ファイナンシャルプランナー(CFP)
女性を中心に、一生涯を見守るFPとしてmoney&キャリアのコンサルティングを行う。幸せになるためのお金の知識など幅広い資金計画とライフプランのアドバイスを手がけている。金融機関にて資産形成のアドバイザーとしても活動中。FP Cafe登録パートナー
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