19/02/16
会社員でも税金が返ってくる! 確定申告すべき9つのケースを完全理解
2月になるとあちこちで「確定申告」という言葉をよく目にしませんか。
確定申告は、前年(1月1日~12月31日)の所得税を確定するためにその1年間の所得を計算し、申告するものです。毎年2月16日~3月15日(休日の場合は次の平日、2019年は2月18日〜3月15日)までの期間に行われます。人によって、前年に納めすぎた税金(所得税)があれば還付されます(戻ってきます)し、逆に納めた税金が不足していた場合には、さらに支払うことになります。
フリーランスや個人事業主の方は毎年確定申告をされていると思いますが、会社員の方は自分で確定申告をしたことがない、確定申告自体がよくわからないという方もいらっしゃいますよね。しかし、2017年から始まったセルフメディケーション税制など、会社員の方でも確定申告を行ったほうがよいケースが増えてきています。
そこでここでは、「会社員にとっての確定申告」について考えてみたいと思います。
会社員でも確定申告をしたほうがいい9つのケースを総チェック!
確定申告は前述したように、前年に納めた税金の過不足を調整するために行うものです。しかし、会社員の場合は年末に会社が税金の額を調整する「年末調整」を行いますので、基本的には確定申告をしなくて済むケースがほとんどです。
しかし、以下の9つのケースに当てはまるならば、会社員でも確定申告をしたほうがいいでしょう。確定申告により、控除が増える(払い過ぎた税金が戻ってくる)可能性があります。
1. 家族全員分の医療費が年間10万円(所得年額が200万円未満の場合は所得の5%)を超えた場合…「医療費控除」
※治療費や市販薬代、通院の交通費など、治療のための費用はすべて控除可能です。健康維持や予防のための費用は対象外です。健康診断も対象外ですが、それで重大な病気が見つかって治療した場合は、健康診断費用も含めて対象になります
2. 健康診断、予防接種などの一定の取り組みを行っていることを前提に、指定の市販薬や医師に処方された家族全員分の薬代(特定一般用医薬品等購入費)が年間で1万2000円を超えた場合(上限8万8000円)…「セルフメディケーション税制」による控除
※医療費控除と合わせて控除を受けることはできません
3. 住宅ローンを組んで1年目の場合…「住宅ローン控除」
※2年目以降は年末調整で処理できます
4. ふるさと納税等の寄付をした場合…「寄附金控除」
※寄付先が5つ以内であれば「ワンストップ特例」を使うことで確定申告は不要になります。ただし、医療費控除や住宅ローン控除などの確定申告をする場合は、改めてふるさと納税の申告もすることになります。
5. 自然災害や盗難等により、資産に損害を受けた場合…「雑損控除」
6. 年の途中で退職し、年末調整を受けていない場合…税金が還付される場合があります。
7. 年末調整後に子供が生まれた場合…「医療費控除」
8. 年末調整後に結婚した場合…「配偶者控除」「配偶者特別控除」
9. 年末調整後に親や祖父母の面倒を見始めた場合…「扶養控除」
上記9つのケースに当てはまる人が確定申告を行うことは「義務」ではありません。しかし、確定申告をすると還付を受けられ、得をする可能性があります。この申告手続きを「還付申告」(かんぷしんこく)といいます。
還付申告は対象の年の翌年1月から行えるので、早めに手続きができる方は税務署が込み合う前にやっておいたほうが良さそうです。
「義務」として確定申告をしなければならないケースもある
会社員でも確定申告をしなければならないのは、たとえば下記にあてはまる場合です。
1. 給与の年間収入が2000万円を超える人
2. 給与以外の収入が20万円を超える人
3. 2カ所以上から給与を受け取っている人(メインの収入以外の収入が20万円を超える場合)
これらに該当する方は、原則として確定申告が義務となっています。
特に注意すべきなのは2のケースでしょう。たとえば
・副業で収入を得ている方
・株式投資やFX、ビットコイン等の取引で利益を受け取った方
なども該当します。収入が20万円を超えていたら、他人事ではないということですね。
確定申告はパソコンが便利! わからないなら税務署に相談しよう
確定申告をするなら、まずは国税庁のホームページ内にある「確定申告書等作成コーナー」の利用をお勧めします。画面の案内に従って入力することで確定申告書を作成できます。作成した申告書は「e-Tax」というシステムを利用してネット上で提出することもできますし、印刷したものを郵送して提出することもできます。
調べてみてもよくわからない方やパソコンが苦手な方は、まず最寄りの税務署へ相談してみてください。確定申告の時期には、確定申告の会場で相談窓口も開設されますので、必要な書類や手続きについて直接相談することもできます。
会社員であっても、確定申告をした方が良いケースと「義務」として確定申告をしなければならないケースがあることがわかりましたね。
初めは手続きが少し面倒そうだと思ってしまうかもしれませんが、もしかしたら、思ったより簡単な手続きで、大きなメリットがあるかもしれません。
特に「確定申告をしたほうが良いケース」に該当するかも?と思われた方は、ぜひ確定申告にトライしてみてください!
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肥後 知歩 ファイナンシャルプランナー
中立的な金融教育機関にて約10年間、講師として登壇中。年間の講演回数は200回以上。また乗合保険代理店での保険の見直し相談経験も。経済や資産運用について身近に感じられるよう、受講生の立場に立ってわかりやすく親しみやすい伝え方を心がけ、講演、執筆を行っている。FP Cafe登録パートナー
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