18/11/16
年収300万円、500万円、800万円で異なる!お金が貯まらないNG習慣
貯蓄しようと思っても、身についてしまった良くない習慣に引きずられ、なかなか目標金額にたどりつかないことは少なくありません。お金が貯まらないNG習慣には、年収によって傾向が異なります。
では、どのような習慣になりがちなのでしょうか。
年収300万円台に多い「安物買いの銭失い」
年収が300万円台だと、ボーナスの額にもよりますが、月の手取りは20万円前後のことが多いでしょう。一人暮らしの場合には、そこから家賃、水道・光熱費、食費などの生活費のほか、携帯電話代や交際費も支払わなくてはならず、生活は楽ではありません。 そんな人がおちいりがちなのが、「安物買いの銭失い」です。
できるだけ支出を抑えたい、という気持ちが強すぎると目先のおトク感に惑わされ、よく考えてみればかえって損になるようなものにお金を払ってしまうことがあります。
たとえば、食材などのまとめ買い。野菜や肉などの生鮮食料品は、まとめ買いをすることで単価を安く抑えたつもりでも、食べきる前にいたんでしまえばかえって高くついてしまいます。
缶詰や瓶詰め、フリーズドライなどの保存食品は、日もちがするので防災用品としてもある程度はストックしておきたいものですが、それでも賞味期限はあります。
気がついたら期限切れで食べられなくなってしまっては、せっかく安く買っても、もったいないですね。
衣料品ではファストファッションの利用が多く見られますが、おしゃれに着られる期間が短いのが難点です。流行のアイテムであれば、ワンシーズン限りと割り切って買うのもよい方法です。
しかし、メンテナンスを丁寧にしていないと、さらに寿命が短くなってしまいます。ファストファッションは、価格が安いこともあり、クリーニングなどのお手入れに手間や費用をかけるのが惜しくなることがあります。
いくら安いからといって使い捨てのようにしていては寿命が短くなり、その結果たびたび買わなくてはならないようなら、かえって支出が膨らんでしまいます。
年収300万円台の人には、目先のおトク感に惑わされず、自分が必要なものをしっかり見極めてほしいと思います。
年収500万円台に多い「自己投資のやり過ぎ」
会社員で年収500万円台ともなると、月の手取りは30万円台程度になります。責任ある仕事も任され、充実している人も多いことでしょう。このような時期は、さらにステップアップを目指すには良いタイミングです。
仕事にいかせる資格の勉強や、英会話のスキルアップのため、教室に通うことを考えてもいいですね。しかし、いき過ぎた自己投資は家計を圧迫します。
仕事にいかせる資格の取得や、英語力のテストTOEICの点数をアップさせることは、収入アップにもつながります。現在の勤務先に、資格手当てなどがあれば確実に給料が上がりますので、自己投資をした結果、しっかりリターンを得ることができます。あるいは、現在より条件のいい転職先を探すこともできるでしょう。
しかも、雇用保険の被保険者である期間が3年以上などの一定の基準を満たせば、授業料などの20%が教育訓練給付金として受取れますので、さらに投資の効率が上がります。
教育訓練給付金は上限が10万円です。また、授業料などの20%の金額が4000円を越えない場合には、給付金は受取れません。
支給申請は地域のハローワークで行いますが、対象となる授業でなければ給付が受けられませんので、あらかじめ調べてから勉強を始めるといいですね。
公的な給付金を利用しつつ、確実なリターンが見込める自己投資ならよいのですが、趣味的なものにまで支出が広がってしまうことは避けるべきでしょう。
たとえば、健康のために始めたスポーツジムやヨガ教室、リフレッシュのための旅行などは、自己投資というよりは趣味・レジャー費として考えるものです。
自己投資と考えると、つい財布のヒモが緩んでしまいます。自己投資はリターンを考えて、確実な投資先を選びましょう。
年収800万円台に多い「ワンランク上支出の増加」
年収が800万円台になると、月の手取りは40万円を超えてくるでしょう。暮らしにもゆとりが生まれ、それまでより少しいいものが欲しくなります。そして、生活が変わると交際費もふくらみがちになります。
「高収入になった」との自覚が、何事にもワンランク上を望むようになると家計を圧迫し、かえって貯蓄ができなくなってしまう場合があります。
食費であれば、外食や出来合いのものを買ってくることが増えるかもしれません。栄養のバランスを考えれば、一人暮らしの場合などは多くの食材を買い揃えるより、買ったほうが良い場合もあり、利用の仕方によっては賢い選択になります。
しかし、節約を意識せずにいると、どんどん膨らむのが食費です。食材でも、オーガニックや有機栽培などにこだわりすぎるのは、家計の負担になってしまいます。
住まいもワンランクアップしたいと思う人もいるでしょう。広くて快適な部屋は、費用もそれに見合って高くなります。家賃、もしくは住宅ローンの返済は、家計の中でも大きな割合を占める固定的な支出です。いったん決めた金額は簡単に変更できないので、長期的な見通しを立てて決めることが必要です。
長期とは、数年先まで、あるいは住宅ローン完済まで、ではなく、もっと先の老後まで考えておくと安心です。つまり、いつかは収入が減る時がくるということです。
その時がきても困らないように、住宅費に贅沢をしすぎることなく貯蓄はしっかりしておきたいですね。
その他にも、服やバッグをブランド物にしたり、エステやヘアサロンにお金をかけたりする人もいます。電車は自由席ではなく指定席、徒歩よりもタクシー、朝は毎日コーヒーショップに寄る、ランチはいつもデザート付など、ひとつひとつの支出は高額ではないかもしれませんが、生活全般が変化すると貯蓄は増えません。
収入に対する支出割合が変わらないので、年収がアップしたわりには貯蓄が少ないということにもなります。
年収がアップしたら、生活費よりもまず貯蓄額をアップさせて、その残りでやりくりするようにするといいでしょう。
まとめ
年収ごとに、おちいりがちなNG習慣をお伝えしました。
収入が少なくても貯蓄ができる人がいる一方で、高収入なのに貯蓄がない人もいます。収入が増えれば貯蓄ができるとは限りません。
貯蓄を増やすためには、良くない習慣を身に着けてしまわないよう、しっかり意識することが大切です。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー
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