18/04/11
貯蓄賢者が活用している「財形貯蓄」ってなに?
財形貯蓄は、会社で働く従業員が財産を蓄えられように考えられた福利厚生制度の一つです。給与やボーナスから天引きでいつの間にかお金を貯めることができます。誰でも利用できるわけではなく、財形貯蓄制度を取り入れている会社の従業員のみが加入できる制度です。
今回は、財形貯蓄の仕組み、メリット、留意点について解説します。
財形貯蓄の仕組み
財形貯蓄は、目的別に3種類あります。
貯蓄目的が自由な「一般財形貯蓄」、老後の蓄えを目的とした「財形年金貯蓄」、マイホームの取得やリフォームに充てることを目的とした「財形住宅貯蓄」です。種類に限らず、給与から天引きされるので定期的な積み立てができます。
財形貯蓄制度に加入できるのは、会社員、公務員、パートタイマー、アルバイトや派遣社員です。経営者や個人事業主は加入できません。
※預金保険制度は、1金融機関につき1人1,000万円まで保障される制度です。
退職・転職するときはどうする?
退職するときは、財形貯蓄残高を全額払い出すことになります。
転職先に財形貯蓄制度があれば、退職から2年以内に手続きを行うことで転職先の財形貯蓄制度へ移すことができます。
2年以内に手続きしなかったときは、原則解約扱いとなります。それまで利息が非課税となっていた財形年金貯蓄及び財形住宅貯蓄については、退職後2年経過後から利息が課税され、税制優遇が受けられなくなります。
■住宅を購入したい人は「財形住宅融資」が利用出来る
3種類の財形貯蓄のうち、どれかひとつでも利用している場合、財形住宅融資をうけることができます。1年以上の積立期間があり、貯蓄残高が50万円以上あれば、貯蓄残高の10倍以内(最高4,000万円)まで融資してもらえます。
ただし、必要資金の80%以内までです。利息は、5年間の固定金利となります。
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄のペナルティと注意点 3つのポイント
(1)目的外の解約
目的外の解約には過去5年にさかのぼって利息に課税されるペナルティがあります。利息×20.315%相当の税金が追徴されます。
(2)財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の合計が550万円を超えたとき
利息の税制優遇が受けられるのは財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄を合わせて550万円までです。550万円を超えたときは、利息の税制優遇は受けられません。また、それまで非課税枠だった550万円を超えた部分だけでなく、全体に対する利息に税制優遇が使えなくなります。
(3)非課税枠の復活はない
一度非課税枠を超えてしまうと、払い出しなどで550万円以下になったとしても、非課税枠が復活することはなく、利息の税制優遇は受けられません。
財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄の2つに関して、税制優遇をフルに活用したい場合は、貯蓄額を、利息を含め550万円以内にしましょう。
まとめ
一般財形貯蓄は、税金面の優遇がないかわりに、引き出しの制限はありません。財形年金貯蓄と財形住宅貯蓄は、税金面の優遇があるかわりに、それぞれ目的外の引き出しにはペナルティがつきます。どちらも、給与から天引きなので、貯蓄するのが苦手だという方にはオススメです。いつの間にか財産が増えているというのも魅力です。財形貯蓄制度の利用を検討される場合、まずはお勤めの会社に財形貯蓄制度があるか、確認してみてください。
山田 香織
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、産業カウンセラー。
FP歴9年。会計事務所で年間、経営・税務相談業務を経験した後、FP事務所を開業。
個人から中小企業者まで経営に関する相談実績がある。現在は、会計・税務の経験を活かして、家計・経営相談を受ける。執筆活動も積極的に行う。FP Cafe登録パートナー
記事提供:moneliy
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moneliy マネリー
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