25/09/23
たくさん稼いでも貯金できない家計の「愚かな5つの共通点」

高収入なのに貯蓄ができない世帯は、決して珍しくありません。
J-FLEC(金融経済教育推進機構)のデータによれば、1000万円以上の年収があっても、貯蓄がゼロの世帯は20.8%です。なんと、5世帯に1世帯以上が貯蓄がないというわけです。なぜ貯蓄ができないのか、貯金できない家計にはどんな共通点があるのか、FPの視点からひも解いていきます。
貯金できない家計の共通点1:支出にメリハリがない
たくさん稼いでも貯蓄ができていないのは、要するにたくさん使っているからです。
別の言い方をすれば、お金の使い方にメリハリがないということ。
本当に欲しいものは買ったらいいし、行きたい所には行ったらいいでしょう。
しかし、それほどでもないことに何となくお金を使っていたら、満足度が少ないわりに多くのお金を使うので、貯蓄ができないという結果になってしまいます。
宣伝に流されて、「プレミアム」「EX」のようなハイグレードのものばかり使っていたら、貯まるお金も貯まりません。
移動はタクシー、消耗品は宅配便、という具合に、便利を重視しすぎるのも同様です。
お金を使う時には本当に「そこにお金を使うべきか」を考えることが大切。メリハリのある使い方を意識するとムダ遣いが減って貯蓄体質に一歩近づけます。
貯金できない家計の共通点2:お金の流れが見えていない
支出にメリハリと言われても今一つピンとこないなら、そもそもお金の流れが見えていないのかもしれません。家計全体で、毎月いくらの収入があって支出があるのか、わかっていなければメリハリをつけようにもまったくのお手上げかもしれません。
かといって、いきなり家計簿に挑戦しても挫折する可能性大です。
それであれば、生活費の収支をひとつの預金口座に集約してはどうでしょうか。生活費の収支をひとつの預金口座に集約すれば、口座の取引一覧を見るだけでその月の収支が見えてきます。
日々の支出は、1枚のクレジットカードにまとめるといいでしょう。お金を何に使ったのか利用明細で確認できるので、1カ月分を見て節約できる支出がなかったか振り返ることができます。
貯金できない家計の共通点3:先取り貯蓄をしていない
高収入でも、堅実な暮らしをして毎月お金が余るようなら貯蓄は自然とできます。
しかし、余らないから貯蓄ができていないのですよね。たくさん稼いでも、その分使ってしまえば、当然お金はたまりません。
それなら先に貯蓄をする「先取り貯蓄」をするに限ります。
先取り貯蓄とは、収入があったら先に貯蓄分を取り分けて、残ったお金で生活費をやりくりする、という貯蓄の王道です。
コツは、先取り貯蓄の金額を少額から始めること。
貯蓄の目標金額を高くして、先取りする金額を多くしすぎると、月末にはお金が足りなくなってしまいます。結果、貯蓄を取り崩すことに。
そのうち、貯蓄を取り崩すことが常態化することになれば本末転倒です。
先取り貯蓄の成功のカギは、貯蓄分を差し引いた残りのお金で暮らせるよう、やりくりをする習慣です。ストレスにならない程度のやりくり習慣を徐々に付けていくことが大切です。
毎月の収支がトントンという場合は、先取り貯蓄は数千円の設定から始めてみましょう。
貯金できない家計の共通点4:節税意識がない
お金の流れが見えてきたら、毎月や毎年の収支が把握できます。
そうすると、気になることのひとつに、税金が挙げられるのではないでしょうか。
納税は義務ですが、払わなくてもよいものまで払う必要はありません。
貯蓄の利息には20.315%の税金がかかりますが、NISAの運用益は非課税です。
また、iDeCoは運用益が非課税であることに加えて、掛金は全額所得控除になり、所得税や住民税が安くなります。
また、生命保険料控除や医療費控除など、さまざまな所得控除のなかには、みなさんが利用できる控除があるかもしれません。所得控除をもれなく手続きすることでも、所得税や住民税が安くなります。
ちょっとした意識の違いが、将来の貯蓄に大きな差を生みます。
ぜひ、家計の収支に敏感になって欲しいと思います。
貯金できない家計の共通点5:生活費の最低ラインが高い
ここまでの共通点を乗り越え貯蓄が増えてきて、さらにもう一歩、と考えるのであれば、生活費の最低ラインを見直すのも効果的です。
節約できる余地を見つけるだけではなく、いざという時に最低限いくらあったら生活できるのか把握しておくこともできます。
時には、ミニマム生活費のキャンペーン月を設定してみてもいいでしょう。
食費の節約を実践してみて、自炊も案外できるなとか、いや毎日は無理とか、自分なりの限界ラインが見えると思います。
高収入でも貯蓄できない人にありがちなのは、ベースになる生活費の最低ラインが高いことです。つまり、大ザル家計なのです。
コンスタントにしっかり稼いでいると、お金を貯めておく必要性を感じていないことがあります。
しかし、まとまったお金が急に必要になったり、稼ぐことができなくなったりする事情には誰しも遭遇するものです。
そんな時のために、貯蓄は生活費の半年分~1年分は確保しておきたいところですね。
予想外のアクシデントがあった時でも、十分な貯蓄と生活力があれば安心です。
気持ちにゆとりを持ちつつ、乗り越えて欲しいと思います。
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タケイ 啓子 ファイナンシャルプランナー(AFP)
36歳で離婚し、シングルマザーに。大手生命保険会社に就職をしたが、その後、保険の総合代理店に転職。保険の電話相談業務に従事。43歳の時に乳がんを告知される。治療を経て、現在は治療とお金の相談パートナーとして、相談、執筆業務を中心に活動中。FP Cafe登録パートナー

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