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24/01/23

相続・税金・年金

国民年金保険料を自分で支払ったら忘れてはいけない「手続き」

国民年金保険料を自分で支払ったら忘れてはいけない「手続き」

自営業者やフリーランスなどの国民年金第1号被保険者で、国民年金保険料を納めている人の約4割が知らないこと。それが、税における国民年金保険料に係る控除の話です。実はこの控除には、「知っている」と答える約6割の第1号被保険者も見落としがちなポイントや、一見無関係と思われる会社員や公務員などのみなさんも確認しておきたいポイントがいくつかあります。そこで今回は、2023年(令和5年)分の所得税に係る確定申告や還付申告に向けて、適用できる控除に漏れがないかを一緒に確認していきましょう。

国民年金保険料は「全額」を所得金額から控除できる

所得税(および復興特別所得税)の申告納税額は、次の基本的な流れに基づいて算出されます。

●所得税(および復興特別所得税)の申告納税額を算出する基本的な流れ

①1月1日~12月31日の収入金額から、必要経費等を差し引いて「所得金額」を求める。
②所得金額から所得控除額(基礎控除、社会保険料控除、生命保険料控除など)を差し引いて「課税所得金額」を求める。
③課税所得金額に所得税の税率を適用して「所得税額」を求める。
④所得税額から税額控除額(住宅ローン控除など)を差し引いて、「基準所得税額」を求める。
⑤基準所得税額に2.1%をかけて「復興特別所得税額」を求める。
⑥基準所得税額と復興特別所得税額の合計金額から、源泉徴収税額や予定納税額などを差し引いて「申告納税額」を求める。

今回のテーマである国民年金保険料に係る控除は、②で課税所得金額を求める際に所得金額から差し引かれる「社会保険料控除」に含まれます。自分自身のみならず、生計をともにする配偶者やその他親族が負担すべき国民年金保険料(付加保険料を含む)を支払った場合に、その全額を所得金額から控除できる点は、社会保険料控除の重要なポイントです。

国民年金保険料に係る社会保険料控除の適用を受けるためには

国民年金保険料に係る社会保険料控除の適用を受けるためには、確定申告書または年末調整の際に提出する「給与所得者の保険料控除申告書」に控除証明書を添付する必要があります。2024年1月時点で、2023年1月1日から2023年10月2日までの間に国民年金保険料を納付した人に対しては、「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」が届いているはずなので、まずは控除証明書が届いているかを確認しましょう。控除証明書は、被保険者本人あてに送られてくるため、扶養親族の国民年金保険料を支払っている場合には、それぞれの控除証明書を、取り揃えなければなりません。

<10月または11月に届く社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(ハガキ)>

日本年金機構「令和5年 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(ハガキ)の見方」
より

2023年10月3日以降に納付した保険料額については、2024年2月上旬頃に控除証明書が送付されるため、それが届く前に申告を行う場合には、保険料を支払った際の領収証書を添付することで控除の適用を受けることができます。領収証書をなくした人や、インターネットバンキングを利用して納付した人に対しては、直近の納付実績に基づいた控除証明書の再発行も可能です。

<2月に届く社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(ハガキ)のイメージ>

日本年金機構「令和4年 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(ハガキ)の見方」
より

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年末調整に間に合わなかった人は「還付申告」で税金が還ってくる

すでに年末調整を受けている会社員などの給与所得者は、国民年金保険料に係る社会保険料控除の仕組みや申告の必要性は分かったけれども、自分は手遅れだと思っているかもしれません。また、年末調整に必要な書類等を勤め先に提出した後にも納付が発生している場合もあるかもしれません。

しかし、慌てることはありません。源泉徴収された所得税額よりも、本来納めるべき所得税額が多い場合には、確定申告書(還付申告書)を提出することで、納めすぎている所得税の還付が受けられます。これを還付申告といいます。

確定申告書(還付申告書)の提出期間は、その年の翌年1月1日から5年間。2023年分は2024年1月1日から2028年12月31日の間、いつでも提出できるので、年末調整に間に合わなかった人も慌てる必要はありません。

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国民年金保険料に係る社会保険料控除の4つのチェックポイント

所得控除の目的は、最低生活費を課税対象から除外することによって各納税者の個人的な事情を考慮することにあります。所得税率は課税所得金額が一定の額を超えるごとに上がる「超過累進税率」であることからも、確定申告もしくは還付申告で、2023年に支払った国民年金保険料に漏れなく社会保険料控除が適用されるよう、最後に4つのチェックポイントを見ていきましょう。

●チェックポイント①:配偶者やその他扶養親族の国民年金保険料を納付していないか

納税者本人に係る保険料や掛金のみならず、「生計を一にする」配偶者やその他親族に係る分について支払った場合にも、その支払った金額のすべてを所得から控除できる点が社会保険料控除の重要なポイントであることは、すでに紹介したとおりです。

例えば、一人暮らしをしている大学生の子どもの国民年金保険料を、支払っている人もいるかもしれません。「生計を一にする」とは、同居の有無を問うものではなく、別居をしていても生活費や学資金、療養費等の送金が行われていれば、「生計を一にする」ものとして取り扱われます。その定義に含まれる扶養親族の国民年金保険料を負担している人は忘れずにその金額を社会保険料控除に含めるようにしましょう。

●チェックポイント②:2023年中に第1号被保険者の期間はなかったか

厚生年金保険に加入している会社員や公務員などが納めている厚生年金保険料も、社会保険料控除の対象です。しかし、毎月の給与や賞与から天引きされる厚生年金保険料の金額は勤め先が把握しているため、年末調整で特別自ら申告をする必要はありません。

一方で、年末調整を受けた勤め先の給与から差し引かれていない社会保険料については、年末調整で自ら申告しなければならず、国民年金保険料については、その申告に控除証明書の添付が必要です。例えば、4月に新卒入社した人が入社前の1月から3月に納付していた国民年金保険料や、離職していた期間に一時的に納付していた国民年金保険料など、見落としている国民年金保険料の納付期間がないか、今一度確認してみましょう。

●チェックポイント③:国民年金保険料の追納等を行わなかったか

社会保険料控除の対象は、国民年金保険料の納付に係る支払額のすべてです。滞納していた保険料を納付した場合(延滞金は除く)も、免除・納付猶予や学生納付特例の承認を受けていた人が10年以内に追納した場合も、その支払った額のすべてが所得から控除されることになります。

学生納付特例の承認を受けていた人が、就職後に保険料を追納することはよくあるケースの一つです。追納とセットで、社会保険料控除の適用を受けるための申告を必ず行いましょう。

●チェックポイント④:2021年から2023年の間に「2年前納」をしていないか

国民年金保険料は、通常の毎月納付に加えて、「当月末振替(早割)」、「6ヶ月前納」、「1年前納」、「2年前納」を選択できます。2023年度の2年前納(口座振替)の支払保険料額は385,900円。納付書による毎月納付の場合と比較して、2年間で15,000円程度割引になります。そのうえ、前納額すべてをまとめて申告をすれば、節税効果も強力です。

13ヶ月以上の前納(つまり2年前納)では、各年分の保険料に相当する額を各年に控除することもできます。そのため、13ヶ月以上の前納をした人に届く控除証明書は、ハガキではなくA4サイズで、複数年に分けて申告できるように下半分が切り離せる仕様です。2024年分以降の申告でも2023年の控除証明書を利用することになるので、控除証明書は大切に保管しておきましょう。そして、2021年もしくは2022年に2年前納をして、複数年に分けて申告をしている人は、前納をした年の控除証明書から2023年分の1枚を切り離して、忘れずに申告を行うようにしましょう。

<10月または11月に届く社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(A4)>

日本年金機構「令和5年 社会保険料(国民年金保険料)控除証明書(A4)の見方」
より」

社会保険料控除で賢く人生100年時代に備えよう

今回は、国民年金保険料に係る、所得税上の社会保険料控除の仕組みや申告に必要な手続きを解説しました。この話題が国民年金保険料を納付しなければならない第1号被保険者や任意加入被保険者だけでなく、すべての人にとって重要な内容であることを、最後に改めて強調します。家族の分も含めて納付した保険料の全額を所得から控除できる社会保険料控除は、節税による家計の経済的負担の軽減をもたらしながら、人生100年時代への備えとなる強力な手段です。2023年分の確定申告および還付申告から早速このメリットを享受できるよう、必要な手続きを行いましょう。

神中 智博 ファイナンシャルプランナー(CFP®︎)、1級DCプランナー

1992年宮崎県生まれ。関西学院大学会計大学院を修了後、NTTビジネスアソシエ西日本で、NTT西日本グループの決算や内部統制、DX等の業務に従事。2022年10月に兵庫県で独立系FP事務所ライフホーカーを開業し、現在に至る。NISAやiDeCoを活用した資産形成など、金融系に関する記事をオンラインメディアでも多数執筆。特に、現役世代が今日からできる老後資金対策に力を入れており、「老後不安バスター」として、だれもが老後に向けて自信を持てる社会を目指して奮闘中。
Twitter→https://twitter.com/lifehawker

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