23/05/01
相手に伝わらない4つの原因を知れ~『「1分」で話せ』
友達や家族とは楽しく話ができても、ビジネスの話を相手に伝えることはなかなか難しいですね。人前で話をすることが苦手だったり、「話が長い」と言われたりしたことがある人にとって、プレゼンは高いハードルになっているでしょう。
『「1分」で話せ』の著者の伊藤羊一氏は、ソフトバンク社の孫社長からそのプレゼン技術を認められ、どんな話でも「1分」で伝えることができるのだとか。プレゼンをたった1分で?気になります。
相手にうまく伝わらない4つの原因
言いたいことが相手にうまく伝わらない人には共通した欠点があるそうです。
「話が長い」と言われる人は、本題に入る前のプロセスを長々と説明していないでしょうか。どれだけ大変だったかを伝えたくても、相手はさほど興味を持っていないので、思い切って省きましょう。
それから、日本人に多いのは、聞き手の反応を気にして自分の意見をはっきりさせずに話を進めるパターン。どっちつかずではビジネスパーソンとして頼りなく思われてしまいます。主張を述べて立ち位置を明らかにしましょう。
また、自分の意見のプラスだけ面でなくマイナス面まで言うのは考えものです。正直ではありますが、聞く側はどうとらえればよいのかと混乱するため、必要に応じて補足する程度でいいでしょう。
そして、プレゼンに笑いどころを入れるのがしゃれた作法だと思っている人がいますが、それはかん違い。シビアなビジネスにジョークは必要ありません。
この4点に気を付けると、ずいぶんプレゼンらしい内容に変わってきます。
人は話の80%を聞いていない
なんと、人は話の20%しか聞いていないそうです。完璧なプレゼンをして聞き手が傾聴しても、内容の80%は耳に届いていないなんて驚きですね。人は最初のうちはプレゼンに集中しても、わからない箇所が出てきたとたんに頭に入らなくなるのだとか。そうなるとどんなに長く説明しても無理で、逆に飽きられてしまいます。
できるだけ興味を持って聞いてもらい、記憶に残してもらうためには、話をコンパクトにまとめて1分程度で伝えることが大切になります。たった1分では、言いたいことを何も伝えられないように思えますが、1分間でまとまらない話は、何時間かけて話しても伝わらないのだそう。話がまとまっていないから長くなり、相手に伝わらないというわけです。
初めに結論を話すことが求められるビジネスでは、長い話は敬遠されがちですが、1分なら忙しい上司でも話を聞いてくれる確率が高くなるでしょう。極力話のムダを省いて凝縮・短縮を心がけ、必要最低限の情報だけ伝えましょう。
人を動かすプレゼンができるようになろう
効果的で上手なプレゼンは注目されますが、それはあくまで手段にすぎないことを忘れてはいけません。プレゼンのゴールは、聞いた人を納得させて動かすことです。人の心に訴えて行動させるというのは大変な作業で、「言われたからプレゼンする」と受け身でいては成功しません。プレゼン側の強い意志とやる気、それに加えて話し方、姿勢、顔つき、間の取り方といったあらゆる方法を駆使することが求められます。
著者も何もしないまま孫氏にプレゼンを評価されたわけではなく、事前に300回練習し、10回に1度は録音して念入りにチェックと修正を重ね続けたそうです。実のあるプレゼンを行うためには、小手先のテクニックでは通用せず、絶対に成功させるという気合いと根性と地道な努力が必要なんですね。
プレゼン力とは、人前でスムーズに発表したり話したりするスキルではありません。自分の主張を簡潔かつ的確に伝えて相手を納得させ、動かす力のことです。その点を理解してプレゼンに臨むと、格段にレベルアップできるでしょう。『「1分」で話せ』は、プレゼンやスピーチに悩む多くのビジネスマンを導くベストセラーとなっています。
1分で話せ
【読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー】記事
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小野寺 理香 おのでら りか
読書ブロガー。好きなジャンルは文学、歴史、アート。ふとしたきっかけで出会い、好きになったら長くつきあう……本との巡り合いは人と同じ。時に味わう〝がっかり〟も、読書のおもしろさのひとつです。ここでは、よりすぐりのすてきな本をお届けします。
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