17/08/25
クレジットカードによる税金納付、メリット・デメリットは?
平成28年度税制改正により、2017年1月より、クレジットカードによって納めることのできる税金の種類が大幅にアップしました。そこで、今回クレジットカードによる税金納付についてのメリット・デメリットについてお伝えしていきます。
クレジットカードによって納付できる税金の種類が増えた
クレジットカードによって納めることのできる税金は、従来自動車税や国民年金など数えるくらいしかありませんでした。しかし、2017年1月より施行させた平成28年度税制改正の目的のひとつとして「国税の納付方法の多様化を図る」ことを目的として、クレジットカードによる納付が大きく可能となりました。
例えば、東京23区では、自動車税の他、固定資産税、法人税、相続税などがクレジットカードによって納付が可能となっています。
もっとも、クレジットカードによる国税などの納付は①納付書によるものであること、②手数料は納付者負担であることという条件があります。
クレジットカードによる納付のメリット
クレジットカードを利用して税金を納付するメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
●手間が省ける
納付書をコンビニエンスストアや金融機関に足を運んで支払うことは、かなりの手間になります。窓口が混んでいる場合はかなり待たされるため、時間のロスに繋がります。クレジットカードによる納付の場合、インターネットを利用して24時間納付が可能になっているため、こういった手間や時間のムダを省くことが可能になります。
●急いで現金を用意する必要がない
税金の納付は、納付期限に納めないと延滞金が発生してしまいます。そのため、納付期限が非常に重要になります。しかし、税金の場合、かなりまとまった金額で、高額になっていることもあります。また、金融機関によっては、一度に引き出すことのできる金額の限度額が定められており、まとまった現金を急いで用意することが難しい場合があります。
クレジットカード納付の場合は、利用可能限度額内であれば、ひとまずクレジットカード会社が立て替え払いをしてくれるため、現金を集める必要がなくなります。請求日までにゆっくりと引き落とし口座に集めておけばいいのです。支払えるけれど、いますぐは大変という状態を回避することが可能となるのです。
●ポイントが貯まる
クレジットカードの利用によって、ポイントやマイルが貯まる場合、税金を納めるために利用してもポイントやマイルを貯めることができます。普通に現金で支払うのでは、ポイントやマイルは貯まりませんが、高額であることが多い税金を納めれば、それなりのポイントやマイルの還元が見込めるというメリットもあります。
クレジットカードによる納付のデメリット
それでは、クレジットカードによる税金納付のデメリットはあるのでしょうか。
●決済手数料がかかる
クレジットカードによる納付の場合、決済手数料は利用者負担となります。国税の場合、1万円毎に税別76円が必要になります。こういったことから、現金で納付するよりも多額の金額が必要になります。クレジットカードによる還元率が0.5%だと損をしてしまうことになるため、還元率が高いクレジットカードを利用して納付する方が得策でしょう。
●領収書が発行されない
国税庁のホームページによると、クレジットカードによる納付の場合、領収書は発行されません。通常の納付は金融機関が印を押しますが、クレジットカード納付の場合はインターネット手続きによるため、そもそも印を押す機会もありません。
●各地方自治体によって納めることのできる税金の種類が異なる
地方税の場合、各地方自治体によって、納めることのできる税金の種類が異なることにも注意が必要です。東京23区は種類が多い傾向にありますが、お住まいの自治体で確認してみることをおすすめします。
還元率などメリット・デメリットから検討を
クレジットカードによる納付が可能となり、税金の納付も若干楽になりました。ただし、決済手数料などデメリットがありますので、お得になるかどうか検討してから、クレジットカード納付を行うことをおすすめします。
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高橋 麻美 金融系フリーライター
行政書士、証券外務員1種、FP2級保有。お茶の水女子大学卒業後クレジットカード会社に入社、リスク管理部等に所属して法的折衝などに従事。CSRプロジェクト参加から社会貢献に目覚め国民生活センターに転職、消費者保護制度であるADR立ち上げに尽力。現在は金融系ライターとして役立つ情報を提供している。
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