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25/02/26

資産運用・経済

新NISAで買うと損する5つの地雷商品

新NISAで買うと損する5つの地雷商品

2024年に制度が大きく改正された新NISAでは、投資の利益(値上がり益・配当金・分配金)にかかる税金が一生涯にわたって非課税にできるようになるなど、使い勝手がよくなりました。
しかし、「新NISAだからどんな商品を買ってもいい」というわけではありません。新NISAの対象商品の中には、絶対に買ってはいけない「地雷商品」もあるのです。
今回は、新NISAで絶対買ってはいけない地雷商品を5つ紹介します。

新NISAで買うと損する地雷商品1:信託報酬の高いインデックス型

新NISAのつみたて投資枠で投資ができる商品は、国が定めた「厳しい条件」をクリアした投資信託・ETFとよく説明されています。具体的には、次のような商品です。

<つみたて投資枠で購入できる商品>

著書「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)より

確かに、細かい条件はいろいろあります。
このなかで注目したいのが信託報酬。投資信託を保有している間にずっとかかる手数料です。たとえば、インデックス型の投資信託の場合、国内資産に投資するものならば年0.50%以下、海外資産に投資するものならば年0.75%以下が条件になっています。

この信託報酬の条件は一見「厳しい条件」かと思いきや、実はそうでもありません。というのも、信託報酬がこの条件よりはるかに低い投資信託がたくさんあるからです。

たとえば、全世界の株式市場に1本だけで手軽に分散投資ができる全世界株インデックスファンド「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(運用会社:三菱UFJアセットマネジメント)は、「オルカン」の愛称で投資家に知られる投資信託です。「個人投資家が選ぶ!Fund of the year(旧:投信ブロガーが選ぶ!Fund of the year)」でも6年連続1位となるほどの人気で、2025年2月20日時点の純資産総額は5兆6391億円にもなっています。

eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の信託報酬は、年0.05775%です。新NISAで購入できる投資信託の信託報酬の条件は、海外資産に投資するインデックス型の場合「年0.75%以下」ですから、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)のほうが圧倒的に安いですね。運用会社としてのもうけを度外視した超低コストを実現していることがわかります。

しかし、全世界株インデックスファンドはeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の他にもたくさんあります。そして、商品ごとに信託報酬はバラバラです。

たとえば、「全世界株式インデックス・ファンド」(運用会社:ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ)というものがありますが、信託報酬は年0.528%です。
また、「eMAXIS全世界株式」(運用会社:三菱UFJアセットマネジメント)は運用会社がeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)と同じで、限りなく商品名も似ていますが、全く別の商品であり、信託報酬は年0.66%です。つまり、全世界株がいいからと、適当に商品を選んでしまうと、信託報酬の高いものを買って大損してしまうかもしれない、というわけです。

全世界株インデックスファンドは、同じ指数に連動する商品ならどの商品を選んでも運用成績に差はありません。しかし、信託報酬が違うと、手元に残る資産残高が変わります。

たとえば、新NISAで「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」と「eMAXIS全世界株式」にそれぞれ月5万円ずつ投資したとします。運用利率はどちらも年5%だった場合の30年後の資産額の差は次のようになります。

<信託報酬による資産額の違い>

(株)Money&You作成

どちらも同じ指数に連動しますので、同じような値動きをします。新NISAで投資した場合、30年で生涯投資枠1800万円を使い切りますので、30年までを表示しています。

信託報酬は「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」が年0.05775%、「eMAXIS全世界株式」が年0.66%ですので、約0.6%の差があります。0.6%というとわずかな差のように見えますが、運用期間が長くなればなるほど、グラフのとおり大きな差になります。資産額は、20年後は約136万円の差、30年後は約430万円の差となっています。

ですから、新NISAでもまずは信託報酬が安い商品を選ぶようにすることがとにかく重要です。目安としては、信託報酬が年0.3%未満の商品を選びましょう。

新NISAで買うと損する地雷商品2:実質コストの高いファンド

信託報酬が安くても「実質コスト」が高い投資信託もあります。実質コストは、実際に投資家が負担した手数料です。たとえ信託報酬自体が安く抑えられていても、その他の手数料がかかり、想定以上のコストを支払っている場合があります。

たとえば「PayPay投資信託インデックス先進国株式」の信託報酬は年0.0572%と、同種ファンドの中で最安水準です。しかし、2023年6月28日から2024年7月10日の実質コストは、年1.482%となっています。

<PayPay投資信託インデックス先進国株式の実質コスト>

PayPay投資信託インデックス先進国株式の運用報告書より

信託報酬が安いからと、信託報酬だけ見て投資をしていたら、実際には年1.482%ものコストを負担していた…ということになりかねません。

運用報告書の「その他費用」の欄を見ると、PayPay投資信託インデックス先進国株式の資産は「海外における保管銀行等に支払う有価証券等の保管及び資金の送金・資産の移転等に要する費用」、つまり保管費用が1.422%と高いことがわかります。

ちなみに、オルカンの2023年4月26日~2024年4月25日の実質コストは年0.131%、海外保管費用は年0.027%ですから、非常に安いことがわかります。

投資信託の実質コストは、投資信託の運用から1年経過後に出される運用報告書でわかります。

真にコストの安い投資信託を選びたい場合は、

①運用から1年以上経過しているファンドの中から
②信託報酬で手数料の安い商品を選び
③運用報告書に記載の実質コストが安いものを選ぶ

という流れで探しましょう。

低コストの新設ファンドでは実質コストがわからないので、注意が必要です。

信託報酬は金融機関のウェブサイトに記載されているのですが、実質コストは運用報告書を見にいく必要があるので、少々手間がかかります。ただ、ほとんどの場合、金融機関のウェブサイトに運用報告書のリンクが張ってあるので、ここは一手間かけて確認するようにしましょう。

新NISAで買うと損する地雷商品3:業績が不安定・不調の「運用会社」ファンド

投資信託の商品だけでなく、運用会社の情報も必ずチェックしましょう。
上で紹介した「PayPay投資信託インデックス先進国株式」の運用会社、PayPayアセットマネジメントは、2024年10月11日に「2025 年9月末をメドに事業を終了する」と発表。関係者に衝撃を与えました。同社の運用商品12本のうち、4本は繰上償還、8本はアセットマネジメントOne株式会社に変更され、引き続き運用が行われます。

「PayPayアセットマネジメント株式会社の事業終了について」のプレスリリースによると、事業終了の理由は業績低迷。「お客さまに最良の資産運用サービスを持続的に提供することが難しいと判断」したとあります。同社の決算公告を見ると、2020年3月期から2024年3月期まで、5期連続で当期純損失、つまり赤字を計上しています。

新NISAのつみたて投資枠で投資できる投資信託は、約300本あります。そのなかで前述のオルカンのような人気のある投資信託は、毎月1000億円以上の資金が流入するほどですので、信託報酬を安く設定しても利益を上げられます。しかし、それ以外のインデックス型投資信託は、ただ単に信託報酬が安いだけでは売れなくなってしまっています。

アクティブ型の投資信託ならばまだ「信託報酬が1.5%もらえるから」と運用を続ける運用会社もあるかもしれませんが、お金の集まらないインデックス型投資信託を運用していても、運用会社は儲かりませんし、むしろ続けるほど赤字になってしまう場合もあります。それならば、いっそ運用を途中で終了してしまったほうがよい、と判断するのです。

もしかすると、この先50本100本と、繰り上げ償還したり運用を終了したりする商品が出てくるかもしれません。ですから、今後も事業を続けてくれそうな運用会社を選ぶようにしましょう。赤字が続く運用会社では、事業の継続は見込めません。また、新興の運用会社だと、そもそも売上や利益の状況が確認できないこともあるので、注意が必要です。

新NISAで買うと損する地雷商品4:ターゲットイヤー型

ターゲットイヤー型とは、時間が経つにつれて自動的に資産配分を変化させる投資信託です。一般に、リスク許容度(いくらまで損に耐えられるかの度合い)は、年齢が上がるにつれて低くなります。これを踏まえて、ターゲットイヤー型では投資信託を保有する人が若いうちは株式の比率を高めて高いリターンを狙い、年齢が上がるにつれて徐々に債券の比率を高めてリスクを減らすという運用を運用会社が自動的にやってくれます。

しかし、ターゲットイヤー型の商品の信託報酬は、バランス型(配分比固定型)よりも高く設定されています。

たとえば、投資家に人気のバランス型(配分比固定型)「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」の信託報酬は年0.143%です。
それに対して、つみたて投資枠のターゲットイヤー型「野村資産設計ファンド(DC・つみたてNISA)2060」の信託報酬は年0.462%。さらに、成長投資枠のターゲットイヤー型「アライアンス・バーンスタイン・財産設計2050」の信託報酬は年1.59%です。上でも確認したとおり、長期間運用するほどに資産額の差が大きくなっていきます。

バランス型を買うなら超低コストのものを買っておけばいいでしょう。わざわざ余計な手数料を払ってまで「自動的に資産配分を変化させる」必要はありません。

そもそも「年齢によるリスク許容度の変化」は、必ずしも万人に当てはまるものではありません。人生100年時代といわれて長生きする人が増え、70歳近くまで働く人が圧倒的に増えています。そのなかで、年齢だけを理由にリスクを減らしてしまうと、せっかくのお金を増やす機会を逃すことになってしまいます。

また、ターゲットイヤー型は、株式などのリスクの高い資産に投資しているときに大きな損失を被ってしまうと、債券などのリスクの低い資産に切り替わったあとで損失を挽回することはできなくなる点に注意が必要です。

新NISAではいつでも自由に資産を売却して引き出すことができますし、売却枠も翌年に復活します。もし、年齢によって資産配分を変えたいのであれば、ターゲットイヤー型に頼らずに、自分で資産を売却したり、新たに投資をしたりして調整すればいいだけのことです。ですからターゲットイヤー型の投資信託は、買ってはいけません。

新NISAで買うと損する地雷商品5:テーマ型

テーマ型は、世の中の流行や関心に合わせて、特定の企業や業界に投資する商品です。IT、バイオ、シェールガス、SNS、AI(人工知能)、ESG(環境・社会・企業統治)、SDGs(持続可能な開発目標)、仮想通貨(暗号資産)、ロボット、VR(仮想現実)、メタバースなど、投資対象となるテーマはたくさんあります。

テーマ型は一見良さそうに見えるのですが、テーマ型ファンドが作られる時期に問題があります。テーマ型ファンドは、すでにそのテーマがある程度認知されて、株価が上がりきっているところで作られるため、買った瞬間がピークになっていることが多々あります。ピークを過ぎてしまえば、その後の値上がりも期待できません。徐々に資金が流出し、純資産総額も小さくなり、やがて繰り上げ償還されてしまいます。

そのうえ、テーマ型ファンドは手数料が高いのがネックです。購入時手数料がかかる場合もあり、信託報酬は年1.5〜2.5%と高くなっています。私たちの年金保険料を運用しているGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の収益率が年3〜4%というなかで、テーマ型ファンドは信託報酬でその約半分を持っていってしまうのですから、高いですよね。ですからテーマ型ファンドも、買ってはいけません。

今やインデックス型の投資信託のなかにも、テーマを絞ったものが増えてきました。
たとえば、米国テック企業に集中投資したいのであれば「楽天・プラス・NASDAQ100インデックス・ファンド」[信託報酬:年0.198%]、「iFreeNEXT FANG+インデックス」[信託報酬:年0.7755%]がありますし、半導体関連企業に投資したいのであれば「ニッセイSOX指数インデックスファンド(米国半導体株)」[信託報酬:年0.1815%]もあります。

いずれも、信託報酬が年0.2%前後と安く抑えられています。業種を絞りたいなら、こうした投資信託を活用するのがおすすめ。わざわざ保有コストの高いテーマ型ファンドを利用する必要もありません。

【番外編】新NISAで買うと損する地雷サービス:ファンドラップ・ロボアド

新NISA関連サービスとして、ファンドラップやロボアドがありますが、これらはコスパの悪いサービスなので、おすすめしません。

ファンドラップは、投資家と金融機関との間で「投資一任契約」を結び、売買や資産管理をすべてお任せするサービス。
ロボアドは、金融のプロが開発したアルゴリズムを投資に生かすことのできるサービスです。どちらも、投資を任せられるという点では似ています。ロボアドはロボットなので、人が相対することはないのですが、ファンドラップは相談できるという点が違います。

お任せで投資できるのは一見よさそうに見えるのですが、やはり手数料が割高なのがネックです。
ファンドラップやロボアドを利用した結果購入する商品は、低コストの商品の場合もあります。ロボアドでは低コストのETF(上場投資信託)やインデックスファンドなどを購入しますし、ファンドラップでも一部そうした商品を購入するのですが、信託報酬が高い商品も紛れ込んでいます。

信託報酬に加えて、ファンドラップやロボアドを利用するときの利用手数料も負担します。
ファンドラップを利用すると「口座管理手数料」や「投資一任手数料」といった手数料が年間1〜3%程度かかるうえ、金融機関によっては、得られたリターンから5〜10%の「成功報酬」を徴収するところもあります。
ロボアドも、ポートフォリオを診断して商品を示すだけの「アドバイス型」は無料ですが、資産配分や投資商品の選定まで行う「運用一任型」は年1%前後の手数料がかかります。

そもそも、ファンドラップやロボアドの運用成績が優れているかといえば、そうでもありません。たとえば、ロボアドの投資は分散投資で、バランス型の投資信託とやっていることは大きく変わりません。それなのに年1%前後の手数料がかかるのはおかしいですよね。

上で紹介した「eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)」の信託報酬は年0.143%ですが、ロボアドではこれと同様の分散投資をして年1%の手数料がかかるとなれば、年約0.86%の手数料の差が生じます。この差が30年続くと、資産額に相当の差が生じるでしょう。

ロボットだからすごそうとか、証券会社の人がやっているからすごいとか、そういうことはありません。投資をお任せしても、やっていることは一般消費者と同じです。将来のことは誰にも(ロボットにも)わからないので、合理的に考えて低コストの商品・分散された商品を買った方がいい、というわけです。それであれば、低コストのインデックスファンドのほうがいいでしょう。

もし積極的に投資をしたいのであれば、自分で個別株に投資しましょう。今や1株から投資できますので、たとえばNTT(9432)なら1株150円程度から購入可能(2025年2月20日時点)です。新NISAの成長投資枠で購入すれば利益にも課税されません。スマホで簡単に取引できる時代なのですから、自分で取り組みましょう。

余計なコストを抑えて投資しよう

新NISAでは、今回紹介したような地雷商品には手を出さないようにしましょう。つみたて投資枠では手数料の安いインデックスファンドに投資する、あるいは分散を効かせてバランスファンドに1本だけ投資するようにして、成長投資枠で積極的に投資をしたいならば、個別株に1株〜10株程度投資するという戦略もあります。
余計なコストをできるだけ抑えた、シンプルな投資行動でお金を増やしていきましょう。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。日テレ「カズレーザーと学ぶ。」、TBS「情報7daysニュースキャスター」などテレビ・ラジオ出演多数。ニュースメディア「Mocha」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」運営。「はじめての新NISA&iDeCo」(成美堂出版)、「定年後ずっと困らないお金の話」(大和書房)など書籍100冊、累計180万部超。日本年金学会会員。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki

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