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25/02/10

相続・税金・年金

遺族年金「繰り下げできない」落とし穴 解消される可能性があるのは本当か

遺族年金「繰り下げできない」落とし穴 解消される可能性があるのは本当か

遺族年金をもらえるようになると、老齢年金の繰り下げ受給ができなくなることをご存じですか?老後の生活費を増やすために繰り下げ受給をしたいと思っても、現行制度では遺族年金の受給権があると年金を増やすことができません。しかし、遺族年金制度の見直しによって、遺族年金の受給権があっても繰り下げ受給ができるようになるかもしれません。今回は、遺族年金のため繰り下げ受給ができない現行制度の見直し案について解説します。

年金の繰り下げ受給とは

年金の繰り下げ受給とは、通常65歳からもらう老齢年金を66歳から75歳までの間に繰り下げて受給する制度です。繰り下げる期間は66歳以降に1ヵ月単位で自由に設定できます。繰り下げる期間に応じて年金額は増額となりますが、その際の増額率は1ヵ月につき0.7%です。たとえば70歳まで繰り下げると42%、75歳まで繰り下げると84%増額できます。繰り下げ受給で決まった増額率は一生涯変わりません。

遺族年金をもらうと繰り下げ受給できなくなる

年金額を増やせる繰り下げ受給ですが、注意したい点もあります。繰り下げ待機期間は加給年金をもらうことができないことと、在職老齢年金による老齢厚生年金の支給停止分は繰り下げ受給の対象にはならないことです。

さらに、もう1つ注意しておきたいことがあります。それは、遺族年金をもらうと繰り下げ受給ができなくなることです。
現行の制度では、繰り下げ待機の開始前に遺族年金の受給権を得ている人は、繰り下げ受給はできません。また、繰り下げ待機期間に遺族年金の受給権が発生した場合、その時点で増額率は固定されてしまうため、いくら年金請求を遅らせても、それ以上は年金額を増やすことはできません。

<遺族年金の受給権があると年金は繰り下げできない>

厚生労働省「遺族年金制度等の見直しについて②」より

特に留意したいのは、厚生年金の加入歴が短い配偶者が先に亡くなったときです。
公的年金制度では原則として1人1年金となっています。たとえば厚生年金の加入期間が夫より短い妻が先に亡くなった場合、夫は妻の遺族厚生年金の受給権が発生しますが、夫が受け取る老齢厚生年金に相当する額が支給停止になってしまうため、このケースの夫は遺族厚生年金が全額支給停止となります。そこで、夫が老後の生活費のため自身の老齢厚生年金を繰り下げ受給しようと考える場合もあるでしょう。しかし、現行制度では遺族年金の受給権のある人は繰り下げ受給ができないため、この夫は年金を増やすことができません。

物価の高騰が続く今、老後の生活費に不安があるからと、少しでも収入を増やすため繰り下げ受給を考える人は増えるでしょう。それなのに、遺族年金の受給権があることで、繰り下げ受給で年金を増やすという選択が不可能になる現行制度を残念に思う人は少なくありません。

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遺族年金制度の改正で繰り下げ受給ができるようになる?

遺族年金の受給権があると繰り下げ受給ができない現行制度ですが、これが見直されるかもしれません。2024年12月10日の社会保障審議会年金部会において、遺族年金制度の見直し案が示されました。その中で、年金を増やしたいと考える受給者の選択肢を阻害しない観点から、遺族厚生年金受給権者の老齢年金の繰り下げを可能とする案が検討されています。

検討中の内容としては、以下の案が取り上げられています。
・老齢基礎年金の繰り下げは可能にしてはどうか
・遺族厚生年金を請求しない場合、老齢厚生年金の繰り下げを認めてはどうか

<遺族年金の受給権があっても繰り下げ可能に>

厚生労働省「遺族年金制度等の見直しについて②」より

たとえ遺族厚生年金の受給権が発生したとしても、繰り下げ受給で年金額を増やすという選択肢ができることで、老後の生活費に対する不安が解消できるかもしれません。この見直し案はまだ正式に決まったわけではありませんが、遺族年金制度がどう変わるのか、また、いつから制度の改正が行われるのか、今後の動向を見守っていきましょう。

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遺族年金の見直し案に注目しよう

現行制度では、遺族年金の受給権があると繰り下げ受給ができないという問題がありました。しかし今後は、遺族年金の受給権がある人でも繰り下げ受給ができるようになるかもしれません。そうなれば老齢年金を増やすことができ、老後も安定した暮らしを実現できそうです。そのためには国の制度を正しく理解することが重要になります。今回取り上げられている遺族年金の見直し案がどうなっていくのか、その動向を見守っていきましょう。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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