22/11/19
TポイントとVポイント統合へ!ポイントの統合は今後も進むのか
2024年春に、TSUTAYAなどを展開するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)と三井住友フィナンシャルグループがポイント事業を統合すると発表しました。
ポイントはもはやお金のようなもの。CCCと三井住友フィナンシャルグループの2社以外にも、ポイントサービスを提供する会社は複数あり、広く利用されています。そのなかでの統合発表で、今後どうなるのか気になっている人も多いのではないでしょうか。
今回は、両社の統合により起きることや利用者のメリットについて解説します。
2024年春にCCCのTポイントと三井住友のVポイントが統合
CCCのTポイントは、2003年からサービスを開始して以降、いち早くコンビニやスーパーなどで利用できる「共通ポイント」として注目されてきました。
しかし、後続の多くのポイントサービスが参入してきているなか、これまで提携してきた加盟店の離脱も見られるように。2022年3月にはYahoo!JAPAN関連サービスとの関係が終了するなど岐路に立たされています。
対する三井住友フィナンシャルグループが手がけるVポイントは、三井住友銀行の取引や消費者向けローンであるプロミスなどSMBCグループ内での共通ポイントです。ただ、まだ知名度は高くなく、ポイントの利用範囲もSMBCグループ内に限られていました。
そんなTポイントとVポイントが、2024年春をめどにポイント事業を統合すると発表。TポイントとVポイントを統合し、新たなポイントサービス誕生を目指すとしています。
●TポイントとVポイントの規模
「SMBCグループとCCCグループによる資本・業務提携に関する基本合意のお知らせ」より
TポイントとVポイントの統合でどうなる?
上の図にもあるように、Tポイントの会員数は約7000万人、三井住友カードの会員は約5200万人で、そのうちVポイント会員が約2000万人です。TポイントとVポイントが統合することで、単純計算ですが会員数は合計で約9000万人です。
●主なポイントサービスの会員数
筆者作成
Pontaポイント・楽天ポイント・dポイントといった競合は、いずれも9000万~1億人規模の会員を抱えています。TポイントとVポイントが統合することで、PayPayポイントを追い抜き、Pontaポイント・楽天ポイント・dポイントに大きく迫ることになります。その結果、ますます他のポイントサービスを提供する会社との競争が激化するでしょう。
Tポイント・Vポイント統合後の新ポイントの内容は現時点ではまだはっきりしていませんが、Tポイント提携店・三井住友カードの・SMBCグループで貯められ、Visa加盟店でも使えるという貯まりやすさ、使いやすさを向上したものになるとのことです。
※2023年6月、VポイントとTポイントは統合によって青と黄色の「Vポイント」となることが発表されました。
●新たなポイントサービス
「SMBCグループとCCCグループによる資本・業務提携に関する基本合意のお知らせ」より
今後もポイントの統合が進む可能性がある
近年、ポイントサービスを巡る顧客の囲い込み競争が激化しています。たとえば、2019年にKDDIとローソンは資本業務提携を行い、auポイントをPontaポイントに統合しました。
また、ポイントとの関連性が高いキャッシュレス決済ではここ数年、同じQRコードで決済ができるように提携する動きが起きています。具体的には
・2019年6月 auPAYと楽天ペイ
・2020年9月 d払いとメルペイ
・2022年7月 PayPayとLINEPay
といった具合です。
キャッシュレス決済サービスが提携して同じQRコードが使えるようになると、どちらの加盟店でもQRコードでの決済が可能になります。つまり、決済に利用できる加盟店が増えるため、ますますポイントを貯めやすくなるのです。
今回の提携により、Tポイントは利用可能な店舗の拡大、Vポイントは知名度アップにより、それぞれ顧客の増加につなげられます。今後は、顧客を奪われたくないほかのポイントサービスが再編を行う可能性が十分考えられます。
まとめ
TポイントとVポイントの統合、新ポイントの誕生によって、ポイントサービスの競争は、今後ますます激化する可能性があります。新ポイントが顧客によってお得なものになるのか、他社が今後どのような動きをするのか、注視していきましょう。
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小栗健吾 現役のFXトレーダー及びWEBライター
地方の大学を卒業後、会社員を経て、WEBライターとして活動中。FXや仮想通貨の取引経験(FXは8年以上)があり、現役トレーダーの目線で記事を多数執筆している。また、現在はFXだけでなく、「キャッシング」「副業」「節税」などマネー系の記事も多く執筆している。
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