19/11/28
【歴女の投資術】シロノワールが好調! コメダホールディングス3つの魅力
歴女の投資ファイル 16の巻 コメダホールディングス<3543>
小さなベンチャー企業が、これまでなかった独創的なサービスや商品を世に送り出し、大企業へと成長するーー
投資で勝つにはまずは歴史から。このシリーズでは、様々な企業(銘柄)の歴史をご紹介致します。
コメダホールディングスの魅力その1:営業利益率24.9%! 稼ぐ力が驚異的に高い
コメダホールディングス<3543>は、くつろげる「街のリビングルーム」として幅広い年層にファンの多い「珈琲所 コメダ珈琲店」を展開している企業です。
看板商品の「シロノワール」はふんわり熱々のデニッシュパンの上に冷たいソフトクリームが乗った一品。女子にも大人気ですよね。
同社は外食産業の中でも利益率が高いことで知られています。同社の2019年3月期の営業利益率は24.9%。サンマルクホールディングス<3395>が9.1% 、ドトール・日レスホールディングス<3087>が7.8%ですので、同業他社と比べ驚異的に高いことが分かります。
営業利益率が高いということは、稼ぐのが上手で、中長期的に成長する可能性が高いと言えます。
この稼ぐ力の秘密は、同社の歴史にあります。
コメダホールディングスの魅力その2:名古屋生まれのカリスマ創始者
名古屋の米屋の長男として生まれた加藤太郎氏は、1968年、23歳の時に、本格的なコーヒー専門店を目指して、名古屋市・那古野に「珈琲所 コメダ珈琲店」を開業します。
「コメダ珈琲」の名前の由来は、「米屋の太郎」をもじって、「コメヤのタロウ→コメダ」になったそう。また、長男でありながら米屋を継がなかった太郎氏が、それを許してくれた父親への感謝の気持ちを込めて「コメダ(米だ)」にしたとも言われています。
当時は第一次コーヒーブームで個人経営の喫茶店の出店ラッシュ。
そこで太郎氏は差別化のために、「駐車場完備の大型店」「長時間営業」「コーヒーは均一の味」と基本の経営方針をきめます。使い勝手の良い店にすることで、何事にも合理的な名古屋のお客さんが来てくれると考えたのです。
また、太郎氏は、差別化のためにメニューを創意工夫します。
クリームソーダのグラスに長靴型を使用したり、シロノワールの原型であるデニッシュパンを通常の四角から丸型にしたり、遊び心のある太郎氏の個性がそこここに発揮されます。
喫茶店文化が盛んで数も多い名古屋でも駐車場を完備する大型喫茶店は珍しく、太郎氏の目論んだ通り、同店は大人気店となったのです。
1990年代前半からフランチャイズ展開を本格的に開始。2003年に関東、2006年には関西へ進出します。
2008年に太郎氏はアドバンテッジパートナーズLLPに事業承継し、その後2013年にMBKパートナーズがコメダの全株式を取得。日本マクドナルドCOO(最高執行責任者)やセガサミーホールディングス社長などの経験のある臼井興胤社長の下、同社は2016年に東証1部・名証1部に相次いで上場します。
開店当時に苦戦した太郎氏は、コンサルタントに相談した際に、「お客はどんなターゲット層に絞っていますか?」と訊ねられたそう。
そのとき太郎氏は、「それは東京の仕事の仕方。名古屋では今日来た(全ての)お客様がまた明日帰ってくる、そうしないと商売にならない」と言い返し、2度と頼まなかった、という逸話が残っています。
太郎氏の愛した「名古屋流」経営は、現在では全国制覇を遂げてさらに海外へと羽ばたいています。
コメダホールディングスの魅力その3:業績も堅調に推移
(出所:ヤフーファイナンスHP)
コメダホールディングスが10月に発表した2020年2月期の中間決算は、営業利益が39億3200万円(前年同期比6.4%)と、積極的な出店効果により増収増益となりました。足元の既存店売上高も9月、10月共に季節限定商品などが堅調でプラスで推移しています。業績の好調を受けて、株価も上昇気流となっています。
コメダホールディングスの経営理念は、
「私たちは"珈琲を大切にする心から"を通してお客様に"くつろぐ、いちばんいいところ"を提供します」。
コメダホールディングスの2020年2月期の会社予想は、売上306億円3800万円(前年比+1%)、営業利益78億円6900万円(+4%)と、過去最高益を目指しています。
*本記事で紹介する個別の銘柄・企業名については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄又は企業の株式等の売買を推奨するものではありません。購入する場合は自己責任でお願い致します。
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岡田 禎子 「投資は面白い」がモットーなFP日本証券アナリスト協会検定会員(CMA)、ファイナンシャル・プランナー(CFP)
証券会社、資産運用会社を経て、ファイナンシャル・プランナーとして独立。資産運用の観点から「投資は面白い」をモットーに、投資の素晴しさ、楽しさを一人でも多くの方に伝えていけるよう、執筆とセミナーなどで活動中。
TVドラマ「インベスターZ」の脚本協力なども行なっています。
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