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26/07/12

家計・ライフ

現金給付でよく出てくる「住民税非課税世帯」は一体どのくらいあるのか

“現金給付でよく出てくる「住民税非課税世帯」は一体どのくらいあるのか

国は生活が苦しい人、苦しくなると考えられる人に対して、しばしば給付金・補助金・助成金などの制度を設け、現金給付を行います。現金給付を受けられる対象は制度ごとに異なりますが、よく見かけるのは「住民税非課税世帯」です。今回は、住民税非課税世帯がどんな世帯で、どのくらいあるのかを紹介します。

住民税非課税世帯は「住民税を課される人がいない世帯」

住民税は、お住まいの都道府県や市区町村に納める税金です。私たちが生活するにあたっては、教育、福祉、ゴミの処理など、さまざま公共サービスがかかせません。住民税は、それらの公共サービスの運営費用として徴収されています。

住民税には一律に課税される「均等割」と、所得に応じて課税される「所得割」の2種類があります。均等割は市町村民税と道府県民税(東京23区の場合は特別区民税と都民税)を合わせて4000円ですが、2024年度からは1人1000円の森林環境税も課税されているので、5000円です。所得割の税率は10%で、所得に応じて支払う金額が変わります。

基本的には、一定以上の収入があれば住民税を支払う必要があります。しかし、以下に当てはまる人は、住民税が非課税になります。

●住民税(所得割・均等割)が非課税になる人

・生活保護を受けている人
・未成年者・障害者・寡婦・ひとり親で、前年の合計所得金額が135万円以下の人
(年収が給与収入のみで204万3999円、65歳以上で公的年金収入のみで245万円以下)
・前年の合計所得金額が、
(扶養親族がいない場合)45万円以下(年収が110万円以下)の人
(扶養親族がいる場合)35万円×(本人+同一生計配偶者+扶養親族)+31万円の人
※扶養親族には16歳未満も含みます
※地域によって金額が異なる場合があります

住民税が非課税となるかどうかは、収入ではなく、所得によって決まります。所得は1年間の収入から経費(会社員の場合、給与所得控除)と個人の事情を税金に反映させる所得控除を引いて求めます。

そして、住民税非課税世帯とは、世帯全員が住民税非課税の世帯です。
たとえば、会社員と配偶者(専業主婦または主夫・収入なし)、子ども2人の4人家族の場合、所得が35万円×4+31万円=171万円までであれば「住民税非課税世帯」となります。年収でいうと、およそ255万円です。

住民税非課税世帯はどのくらいある?

住民税非課税世帯の数をはっきりと示す統計はないのですが、厚生労働省「2024年国民生活基礎調査」をもとにおおよその割合を計算することはできます。

<年代別の住民税納付額>

厚生労働省「2024年国民生活基礎調査」より作成

全世帯4901万世帯のうち、住民税課税世帯は3542万世帯。29歳以下から80代以上まで、各世代の世帯数と住民税課税世帯が表示されています。全世帯から住民税課税世帯の数を引けば、住民税非課税世帯の数が計算できます。

●年代別・住民税非課税世帯の割合

厚生労働省「2024年国民生活基礎調査」より作成

表のとおり、住民税非課税世帯の数は1359万世帯。全世帯に占める住民税非課税世帯の割合は27.7%となっています。年代別の住民税非課税世帯の割合がもっとも多いのは80代以上の47.6%で、次が70代の38.7%となっています。70代以上の方の多くは、年金を受け取っているでしょうから、住民税非課税世帯は、年金生活者に多いといえます。

住民税非課税世帯が受けられる優遇措置

住民税非課税世帯には生活救済の観点から、さまざまな優遇措置が用意されています。

●住民税非課税世帯の優遇措置

・2歳未満の保育が無償化
幼稚園、保育所、認定こども園などを利用する3〜5歳児の保育は無料ですが、住民税非課税世帯の場合はさらに0〜2歳児も無料になります。

・大学授業料の給付・減免
大学等に進学する場合は、「大学無償化制度(高等教育の修学支援新制度)」で、授業料や入学金の費用の給付や減免を受けられます。支給額は通う学校の種類や国公立・私立の違い、扶養している子どもの数などにより異なります。たとえば私立大学に通う場合、入学金が約26万円、授業料が約70万円免除・減額されます。

・高額療養費の負担が減る
毎月の医療費の自己負担を一定額に抑えることができる高額療養費制度の自己負担額は所得水準で異なります。住民税非課税世帯は、この自己負担額も少なくて済みます。

・介護保険料の負担が減る
2019年10月より、住民税非課税世帯の65歳以上の介護保険料が軽減されています。高額な介護サービスを利用した場合の自己負担上限額も最大で2万4600円となっています。

・国民年金保険料や国民健康保険料の負担が減る
国民年金保険料は申請すれば免除が受けられます。免除を受けた場合でも、将来、国民年金保険料を支払った場合の2分の1の年金を受け取れます。また、国民健康保険料の負担も2割〜7割軽減されます。

・NHK受信料が免除される
公的扶助受給者・身体障害者・知的障害者・精神障害者がいる世帯で、世帯構成員全員が住民税非課税の場合、NHKの受信料が全額免除になります。

・他の給付金の対象になる
政府がたびたび実施してきた給付金には、住民税非課税世帯が対象のものがいろいろあります。直近では2025年、物価高騰による負担増の影響を軽減するために、住民税非課税世帯を対象に1世帯あたり3万円の給付金が支給されました。今後も同様の給付金の対象になることがあるかもしれません。

このように並べると、なんだかメリットが多いように思われるかもしれません。しかし、住民税非課税世帯は、何らかの理由で収入が少ないために住民税が非課税になっているということを忘れないようにしましょう。これらの優遇を受けるために収入を減らすのは本末転倒。そんなことをしていると、生活が苦しくなってしまいます。

収入が減ったら優遇措置を活用しよう

しばしば話題になる住民税非課税世帯とは、住民税が課される人がいない世帯のこと。そして推計で1359万世帯ほどが住民税非課税世帯となっていることを紹介しました。何らかの理由で収入が減った場合には、優遇措置をぜひ活用しましょう。

畠山 憲一 Mocha編集長

1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャルプランナー(AFP)。住宅ローンアドバイザー。教員免許も保有。趣味はランニング。

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