connecting…

  • NISA
  • FIRE
  • Money&You TV
  • 確定拠出年金「iDeCo」「企業型」
  • マネラジ。
  • ふるさと納税
  • 届け出だけでお金がもらえる! 給付金制度を活用しよう
  • セミナーレポート
  • まとめ記事/チェックテスト
  • 歴女の投資ファイル
  • ズボラでも出来るシリーズ
  • 投資信託でプチリッチ!「投信ウーマン」
  • 投資女子への道
  • 恋株
  • ぽいきさんの幸せを呼び込むシリーズ
  • 大人女子を応援!家庭で出来る漢方の知恵
  • 読書ブロガー小野寺理香のブックレビュー
  • 駐在マダム、モラハラ夫からの逃亡記
  • “逆打ち”お遍路をご紹介

23/03/04

相続・税金・年金

年金受給中にもらえる額が減る?税金・社会保険料ではない理由

受け取り開始後にもらえる年金額が減る?税金・社会保険料ではない意外な理由

公的年金は、受給開始時に決まった金額を一生涯もらえるものです。年金の繰り上げ受給や繰り下げ受給の仕組みがあるため、受給開始を何歳にするかによって年金額は増減します。さらに、年金受給開始がスタートした後に年金額が変わる可能性も認識しておきましょう。今回は、年金の繰り上げ、繰り下げと年金額改定について説明します。

年金の繰り上げ・繰り下げ受給とは?

公的年金は原則65歳からもらえます。しかし、65歳よりも早くからもらい始める繰り上げ受給や、65歳よりも遅くからもらい始める繰り下げ受給も可能です。

繰り上げ受給では、最も早くて60歳から年金がもらえます。繰り下げ受給をすれば、最も遅くて75歳(昭和27年4月1以前生まれの人は70歳)まで受給開始を遅らせることができます。

なお、65歳から年金をもらう場合と比べて、繰り上げ受給を選択すると年金額が減り、繰り下げ受給を選択すると年金額が増える仕組みになっています。具体的にどれくらい年金額が増減するかは、次のとおりです。

●繰り上げ受給

生年月日により年金の減額率が変わります。

(1)1962年(昭和37年)4月1日以前生まれの人
65歳ちょうどから1か月繰り上げるごとに0.5%年金額が減ります。60歳まで繰り上げた場合の減額率は30.0%です。

(2)1962年(昭和37年)4月2日以降生まれの人
65歳ちょうどから1か月繰り上げるごとに0.4%年金額が減ります。60歳まで繰り上げた場合の減額率は24.0%です。

●繰り下げ受給

65歳ちょうどから1か月繰り下げるごとに0.7%年金額が増えます。75歳まで繰り下げた場合の増額率は84.0%です。

年金は年金額改定によって変動する

繰り上げ、繰り下げによる年金額の増減以外に注意しておきたいことが2つあります。
1つは、年金からは税金や社会保険料が天引きされるため、実際の手取りは増減率どおりにはならないという点です。繰り下げによって年金額が増えると、税金や社会保険料も増えるため、年金の支給額ほどに手取りは増えません。

もう1つは、年金額は常に一定ではなく、賃金や物価の変動にもとづき毎年見直しされることです。参考までに、2017年度から2023年度までの年金改定率の推移は次のとおりです。

●年金改定率の推移(2017年度〜2023年度)

筆者作成

繰り上げ、繰り下げした場合の年金額は、受給開始する年の年金額をもとに計算します。たとえば、2022年度に65歳で年金額100万円をもらえる人が60歳で繰り上げ受給していたと仮定しても、30%減(1957年生まれのため30%減)の70万円になっていたわけではありません。60歳時点(2017年)の年金額の方が2022年度より0.2%高いので、年金額は100万円×0.2%=100万2000円で、そこから30%減額した約70万1400円となっていたはずです。

同様に、2022年度に65歳で年金額100万円の人が75歳まで繰り下げしても、必ずしも100万円に84%上乗せした184万円をもらえるわけではありません。繰り下げ請求する年の年金額によって金額が変わる可能性はあります。

なお、65歳から年金を受け取っていない場合、繰り下げ受給せずに、さかのぼって受け取る選択肢もあります。この場合には、もらわなかった年度の年金額がもらえることになります。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

2023年度の年金額は増額

年金額は、物価や賃金に応じて決まることになっています。ただし、年金の給付水準を緩やかに調整するマクロ経済スライドという仕組みが導入されており、物価上昇に比べて年金額の上昇は抑えられています。

2023年度(令和5年度)の年金額は67歳以下の人で前年度より2.2%引き上げになり、物価上昇ほどではないですが年金額が増えました。年金額の増減は「率」なので、繰り下げ受給するなどして年金額の高い人ほど、年金が想定していたより増えることになります。
しかし、もし今後年金額が引き下げになった場合には、年金額の高い人ほど年金額が減ってしまうことになります。毎年の年金額改定の増減率にも注意しておくとよいでしょう。

なお、2023年度の年金額改定により、既に年金をもらっている68歳以上の人の年金も、前年度から1.9%引き上げられます。4月分から改定後の額が適用されるため、6月振込分から増額された金額となります。

まとめ

年金額を増やしたい場合、繰り下げ受給をするのがおすすめです。ただし、年金額は毎年改定されるので、計算どおりに年金額が増えるとは限りません。毎年の年金額改定にも注目しながら、年金の受け取り開始時期を考えておきましょう。

森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー

Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

関連するみんなのマネー相談(FP Cafe)

50歳から正社員とパート、どちらが得?

年金神奈川県 いいね 2
2015/12/06

主人は自営業で二人で国民年金を20年以上払ってきました。 
50歳になって私は正社員になり厚生年金に。主人は会社で厚生年金を始めました。
正社員といっても手取りで20万円程度で残業代もボーナ...

マネー相談の続きを見る

国民年金基金か確定拠出年金か

年金広島県 いいね 2
2016/10/31

▼プロフィール
年齢:夫 48歳、私 37歳
住居:賃貸マンション
職業:夫(彼) 正社員、私 アルバイト
貯金:夫(彼) 約4000万円、私 約2500万円
年収:夫(彼) 約150...

マネー相談の続きを見る

▼プロフィール
年齢:私 53歳、妻 37歳 娘 小学校6年生
住居:私 賃貸マンション暮らし
職業:私 契約社員、妻 アルバイト
貯金:私 約400万円、妻 約600万円
年収:私 ...

マネー相談の続きを見る

閉じる
FP Cafe® お金の相談をするなら、一生涯の「お金の相談パートナー」へ