23/02/22
ふるさと納税の利用実態で「金持ちになれるか、なれないか」が決まる
ふるさと納税、あなたは利用していますか?返礼品がもらえるなど、お得なイメージがあるにもかかわらず、まだまだ利用していない人も多いようです。ふるさと納税、利用しないのはなぜなのでしょうか。今回はふるさと納税の利用率や、利用すべき理由を解説します。
自己負担額2,000円で返礼品がもらえるふるさと納税
ふるさと納税は、自分の故郷や応援したい自治体など、好きな自治体を選んで寄付ができる制度のこと。自分の住まいがある自治体に納税する税金を、任意で選択した自治体に寄付することで、税金の還付・控除が受けられるという仕組みになっています。そのうえ、実質自己負担額2,000円で寄付をした地域の名産品などを返礼品として受け取ることができます。
●ふるさと納税は9割の人は利用していない
ふるさと納税という言葉自体は広く浸透していますが、意外にも利用率はとても低いのが現状です。
『ふるさと納税ガイド』などを運営するカリーグズのデータ(2022年8月10日)によると、ふるさと納税の利用率(「利用者数÷利用可能者数」により算出)は、12.45%。つまり約9割の人たちは利用していないことになります。
また、都道府県別の利用率を見ると、東京都、大阪府、神奈川県、兵庫県、愛知県、がトップ5に。首都圏や大都市圏の利用率が高いことが分かりますが、1位の東京都でも利用者数は19.84%ですから、8割の人たちは利用していないことになります。
【都道府県別のふるさと納税利用率】
株式会社カリーグズの資料より
株式会社エイチームライフデザイン「ふるさと納税に関する意識調査」によると、ふるさと納税を利用しない一番の理由は「仕組みや利用方法がよくわからないから」(37.3%)「お得だとわかっているけど面倒だから」(20.1%)「内容に魅力を感じなかったから」(16.3%)などが挙げられています。
ふるさと納税、お金持ちは利用している
一方で、お金持ちのふるさと納税利用率は高いと考えられます。先のカリーグスの資料によると、ふるさと納税利用率トップの東京都の平均寄付額は13万8711円です。
ふるさと納税の自己負担額が2,000円となる寄付額は、年収が多いほど増えます。総務省「ふるさと納税ポータルサイト」によると、寄付上限額が13万8000円ほどとなる年収は、およそ850万円(独身又は共働きの場合)です。いいかえれば、ふるさと納税利用者の平均年収が850万円程度だと推測できる、というわけです。
高収入であればあるほど、所得税の負担が多かったり、児童手当など所得制限で受けられなかったりする制度があります。しかし、ふるさと納税は所得が高いほど多く利用できる、高所得者にメリットが大きい制度です。お金の価値を知っているお金持ちは、寄付の限度額を厳密に計算して、寄付できる額の上限までしっかりと計画的に利用しています。
ふるさと納税は一般人が利用しても得なのか?
所得が高いほど、寄付できる金額が大きいふるさと納税は、一般の人でもお得なのでしょうか。答えはもちろん、イエスです。
前述の総務省「ふるさと納税ポータルサイト」には、自己負担額が2,000円で済むふるさと納税額の目安が一覧表で掲載されています。
●自己負担額が2,000円で済むふるさと納税額の目安
総務省「ふるさと納税ポータルサイト」より作成
自己負担額が2,000円で済むふるさと納税額の目安は、家族構成によっても変わります。
たとえば、独身又は共働きの方の場合、年収300万円なら約2万8000円、年収500万円なら約6万1000円、年収700万円なら約10万8000円までであれば自己負担額2,000円でふるさと納税の寄付が可能です。
ここから2,000円を除いた全額が所得税・住民税の控除の対象になります。そして、寄付額に対する返礼品の金額の割合の上限は3割ですので、たとえば年収300万円の方が2万8000円ふるさと納税すれば、約8400円分の返礼品がもらえる、というわけです。
寄付の限度額の目安は、各ふるさと納税のサイトで、世帯年収と家族構成を入力すると簡単にシュミレーションできます。まずは、あなたの限度額を調べてみてはいかがでしょう。
ふるさと納税の返礼品も、ふるさと納税サイトでかんたんに検索できます。
たとえば、ブランド牛や海鮮類、高級フルーツなども1万円程度の寄付で手に入ります。家族の誕生日やクリスマスなどのちょっとしたイベントの際に利用すると食卓が豊かになり、特別感を味わえます。
家計的に特別な物は必要ないという人には、日常で使える食品や日用品がおすすめです。
たまねぎ3キロで3,000円、20キロの米が1万2000円、ミネラルウォーター500ml×50本が1万円、トイレットペーパー18ロールが1万5000円。こういった品物は、日常に使えるものなので、家計費の節約にもつながります。なにしろ、実質2000円で色々な商品が手に入るので、かなりお得です。たとえお金持ちでなくても、ふるさと納税を利用することで家計が助かり、お金持ちに近づきます。
まとめ
実質自己負担額2,000円のみで、自分の所得に合わせた寄付額の商品を返礼品として受け取ることができるふるさと納税。高所得者にメリットが大きい制度に思えますが、一般の方でも活用することで様々な返礼品を受け取ることができます。ぜひ、今年こそふるさと納税をはじめてみてはいかがでしょうか。
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城山ちょこ ライター
東京海上日動火災保険出身。慶応大学院SDM研究科修了。
2013年よりライターの道へ。執筆ジャンルは金融(保険)、働き方、子育て、結婚など女性のライフスタイル全般。2児の子育てと仕事の両立に日々奮闘中。丁寧でわかりやすい記事をモットーとしています!
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