個人年金保険も繰り下げ受給で増えるのは本当か

公的年金は繰り下げ受給をすることで、受け取れる年金額を増額することができます。これと同じように、個人年金保険で受け取れる年金も繰り下げ受給ができることをご存じですか？あまり知られていない個人年金保険の繰り下げ受給について、その内容と注意点をご紹介します。

保険料を払って老後に年金を受け取る個人年金保険

個人年金保険とは、契約時に年金を受け取る年齢を定めて、保険料払込期間中にお金を積み立てていく貯蓄型の保険です。公的年金で不足する生活費を補うのに利用できます。
個人年金保険の年金の受け取り方には、以下の3種類の方法があります。

●確定年金

被保険者の生死に関係なく、5年・10年・15年といった一定期間に年金を受け取ることができる。被保険者が死亡した場合は、遺族に年金が支払われる。

●有期年金

被保険者が生存している限り、5年・10年・15年といった一定期間に年金を受け取ることができる。被保険者が死亡すると年金の支払いは終了する。

●終身年金

被保険者が生存している限り、一生涯年金を受け取ることができる。被保険者が死亡すると年金の支払いは終了する。

個人年金保険のうち、有期年金と終身年金には保証期間付きのものもあります。その場合、保証期間中は被保険者の生死に関係なく年金を受け取ることができます。また、夫婦のうち、どちらかが生存している限り年金を受け取れる夫婦年金もあります。

個人年金保険は繰り下げ受給で年金額を増やせる

公的年金は通常65歳から受給できますが、繰り下げ受給を選択して受給時期を最長75歳まで遅らせることで、年金を84％増額することができます。これと同じように、個人年金保険によっては繰り下げ受給で年金額を増やせるものがあるのです。

個人年金保険の年金の受け取り時期を遅らせることで、払い込んだ保険料が運用されます。その増額分が上乗せされるため、年金が増額するのです。

ただ、個人年金保険の繰り下げ受給は、保険会社によって取扱いが異なります。ここで２つの保険会社の場合を見てみましょう。

●住友生命の個人年金保険「たのしみワンダフル」

住友生命の個人年金保険「たのしみワンダフル」では、保険料払込期間満了時と年金の受け取り開始の間に据置期間を設けることができます。据置期間を延長して年金の受給開始年齢を繰り下げることが可能です。ただし、繰り下げができるのは1回のみとなっています。繰り下げ受給を希望するときは、年金開始月の前々月15日までにコールセンターで手続きします。

●第一生命の個人年金保険「しあわせ物語」

第一生命の個人年金保険「しあわせ物語」では、保険料払込期間中に限り、年金支払開始日を繰り下げることができます。その際、年金支払開始日の変更にあわせて、保険料払込期間が変更となる場合があります。このとき、払い込む保険料も改められます。繰り下げ受給を希望するときは、コンタクトセンターへ連絡して手続きします。

個人年金保険の繰り下げ受給、注意点はある？

個人年金保険も公的年金と同じように繰り下げ受給をすることで、受け取れる年金額を増やせることがわかりました。とてもお得な制度ですが注意点もあります。繰り下げ受給を利用する際、どのような点に注意したらよいのかご紹介します。

●繰り下げ受給が可能かどうかは保険会社へ直接確認すること

個人年金保険は必ずしも繰り下げ受給ができるわけではありません。また、繰り下げがいつまでできるのか、繰り下げた結果金額がいくら増えるかは、契約している個人年金保険や契約内容によってさまざま異なります。保険会社のコールセンターなど、問合せ窓口に直接連絡をして確認しましょう。

●繰り下げ受給は一度しかできない場合がある

保険会社によっては、繰り下げ受給が一度しかできない場合があります。約款の年金開始日の変更についての記載を確認するか、コールセンターへ問い合わせましょう。

●年金の受給が始まってからの繰り下げ受給はできない

通常、年金を受給し始めてからは繰り下げ受給をすることができません。また、保険会社によって繰り下げ受給の申し込みをする時期が異なります。そのため保険料払込期間中、それも年金の受け取りが始まる数ヶ月前にはコールセンターへ連絡しましょう。

まとめ

個人年金保険の年金を繰り下げ受給すると、年金額を増額することができます。ただ、保険会社によって扱いが異なるため、繰り下げの可否や申し込みのタイミングなどを確認する必要があります。そこで、繰り下げ受給を希望するときは保険料払込期間中、それも年金受給開始の数ヶ月前には保険会社のコールセンターで直接確認してくださいね。

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