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26/07/17

家計・ライフ

1つの銀行口座に「1000万円」以上預けておくメリットはあるのか?

“1つの銀行口座に「1000万円」以上預けておくメリットはあるのか?

「預金が1000万円を超えたけれど、このまま1つの銀行に預けていて大丈夫だろうか」と考えたことはありませんか。まとまった預金があるときは、資産管理を見直すタイミングでもあります。その際、定期預金だけでなく、株式や投資信託、個人向け国債などに資産を分散しておくことを考えることも大切です。今回は、預金が1000万円を超えたときに口座を分ける理由や注意点、どうしたらよいかの対策を解説します。

1つの銀行口座に1000万円以上預けるメリットとは?

1つの銀行に預金をまとめることには、管理がしやすいメリットがあります。具体的にどんなものがあるのか見てみましょう。

●メリット1:資産管理がシンプルになる

預金を1つの銀行にまとめる最大のメリットは、お金の流れを把握しやすいことです。
例えば、普通預金を生活口座、定期預金を当面使わない資金の置き場所として同じ銀行で管理すれば、残高や入出金履歴を一度に確認できます。通帳やキャッシュカードの管理もしやすく、家計全体を把握しやすくなるでしょう。

●メリット2:振込や資金移動の手間がない

生活費や定期預金などを同じ銀行で管理していれば、振込や資金移動の手間がないので、管理が楽になります。

●メリット3:取引実績に応じた優遇サービスを受けられることも

銀行によっては、預金残高や取引状況に応じて優遇サービスを用意している場合があります。
例えば、ATM利用手数料や他行あて振込手数料の無料回数が増えたり、住宅ローン金利の優遇や各種サービスを受けられたりするケースです。

このように、1つの銀行に資産をまとめることには一定のメリットがあります。

1つの銀行口座に1000万円以上預けるデメリット

1つの銀行に資産をまとめるメリットがある一方で、預金が1000万円を超えると注意したい点もあります。ここからは、まとまった預金を1つの銀行に預け続けるデメリットを見ていきましょう。

●デメリット1:預金保険制度(ペイオフ)の保護は元本1000万円まで

預金が1000万円を超えた場合に最も知っておきたいのが、預金保険制度(ペイオフ)です。
ペイオフとは、金融機関が破綻した場合に、預金保険機構が預金者を保護する制度です。保護の対象となるのは、1金融機関につき預金者1人あたり元本1000万円とその利息までです。1000万円を超える部分は、預金保険制度による保護の対象外です。ただし、破綻した金融機関の財産の状況に応じて、一部が支払われることもあります。

●デメリット2:インフレでお金の価値が目減りする

預金は元本割れしない安心感がありますが、物価が上昇すると、お金の実質的な価値は下がることがあります。

例えば、2026年8月からメガバンクやゆうちょ銀行、一部の地方銀行などの普通預金の金利は年0.4%になります。しかし、物価の上昇がそれ以上であれば、利息でお金が増えていても、その増え方は物価の上昇に追いついていないことになります。

仮に100万円を年0.4%で1年間預けると、税引き前の残高は100万4000円ですが、物価上昇率が2%であれば、実際に買えるモノやサービスの購買力は約98万円程度まで下がります。預金残高は増えていても、お金の価値は目減りしていることになります。
そのため、まとまった資金を長期間預金だけで保有する場合は、インフレの影響も考えておく必要があります。

●デメリット3:システム障害などで一時的に利用できなくなることも

近年は金融機関でシステム障害が発生することも珍しくありません。
年金の受取口座や公共料金の引き落とし、生活費の管理を1つの銀行に集中させていると、障害発生時にATMやインターネットバンキングが利用できず、不便を感じることもあるでしょう。万一に備えるという意味でも、複数の銀行口座を持っておくことにはメリットがあります。

デメリットへの対応策

では、これらのリスクにはどのように備えればよいのでしょうか。

●対策1:銀行を分けて預ける

1000万円を超える預金がある場合は、複数の金融機関へ分散して預ける方法があります。
例えば2000万円なら1000万円ずつ別々の銀行へ預けることで、それぞれペイオフの対象となります。

●対策2:目的ごとに口座を使い分ける

預金は、使う目的ごとに分けて管理すると、お金の流れが分かりやすくなります。

例えば、
・メインバンク:生活費や公共料金の引き落とし口座
・短期の定期預金:半年~1年以内に使う予定のある資金、緊急必要資金など
・別の銀行:老後資金や旅行資金など、当面使わないお金
というように役割を決めておくと、必要なお金と将来のためのお金を区別しやすくなります。

●対策3:一部は資産運用も検討する

当面使う予定のない余裕資金であれば、定期預金だけでなく、個人向け国債や投資信託、NISAなどを組み合わせる方法もあります。

定期預金の利息には、原則として20.315%の税金がかかります。一方、NISAでは、対象となる株式や投資信託などの運用益や配当金・分配金が非課税になります。

NISAでは、年間360万円(つみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円)まで投資でき、生涯の非課税保有限度額は1800万円(うち成長投資枠は1200万円まで)です。また、非課税で保有できる期間に期限はなく、売却した分の非課税枠は翌年以降に再利用できます。

ただし、投資には元本割れのリスクがあります。生活費や急な出費に備える資金まで投資に回すのではなく、預金で確保する資金と、長期的な資産形成に回す資金を分けて考えることが大切です。

資産全体を守り活用することを考えよう

1つの銀行に1000万円以上の預金をまとめることには、管理しやすいというメリットがあります。しかし、預金保険制度(ペイオフ)の保護範囲やインフレによる資産価値の目減り、システム障害などを考えると、1つの銀行だけに預け続けることが最善とは限りません。

まとまった資産がある場合は、銀行を分けて預ける、目的別に口座を使い分ける、余裕資金の一部は資産運用も検討するなど、資産全体を見渡しながら管理することが大切です。

「預金をどこに預けるか」だけでなく、「資産全体をどう守り、どう活用するか」という視点もあわせて見直しましょう。

舟本美子 ファイナンシャルプランナー

「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー

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