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24/04/02

資産運用・経済

【新NISA】定年後も一生持ち続ける「高配当株」の選び方

【新NISA】定年後も一生持ち続ける「高配当株」の選び方

運用によって資産を増やせる金融商品は数多くありますが、老後において最も心強い資産は「高配当株」です。定年後の生活では、不労所得を得られる、つまり、キャッシュフローを生む資産を持っておくことが欠かせません。その際、「配当金」は株を保有してさえいればもらえる不労所得となります。

配当金は多いに越したことはないので、たくさん配当金が出る高配当の株、つまり高配当株こそが老後に持つべき資産といえます。

今回は、一生持ち続ける高配当株の選び方をご紹介します。新NISAを使えば配当金が一生涯非課税ですから、ぜひ参考にしてみてください。

株式の配当金のしくみ

高配当株投資を支える配当金とは、株式会社が発行した株を保有する株主に対し、会社が得た利益から配分される現金のことです。1株からでも受け取ることができ、保有株式数に応じて分配されます。

配当金の金額は企業が決算書を発表したときに確認できます。一般的に、日本株は年に1~2回米国株は年4回受け取ることができます。
その際、株主が配当金を受け取る権利を得るためには、特定の日付まで保有しておかなければなりません。これを「権利付き最終日」といい、要するに、その日に株を持ってさえいれば配当金がもらえます。配当金が実際にもらえるのは、この権利付き最終日の2日後の「権利確定日」から約2~3カ月後となり、このタイミングで現金として引き出すことが可能になります。

著書「マンガと図解 50歳からの新NISA×高配当株投資」(KADOKAWA)より

ちなみに権利付き最終日の翌日を「権利落ち日」といいます。この日になれば株は売ってしまっても配当金はもらえますが、老後を支えるキャッシュフロー資産ですから持ち続けましょう。

配当利回りが3%を超えると「高配当株」と言われる

高配当株とは、株価に占める配当金の割合(配当利回り)が高い銘柄のことです。「配当利回りがいくら以上だと高配当株」という明確な基準はありませんが、3%を超えてくると高配当といわれます。

2024年4月1日時点の東証プライム全銘柄の平均配当利回りは2.11%です。
ただし、配当金はすべての企業が出しているわけではありません。配当金は企業の業績によって増減される傾向にあるため、金額が上がり続けている企業は業績も好調と見られ、投資に向いている銘柄だといえます。なかでも、国内においては、化学や金融、情報通信系の分野に高配当の銘柄が多い傾向があります。

著書「マンガと図解 50歳からの新NISA×高配当株投資」(KADOKAWA)より

また、日本株は近年、株主優待を廃止して配当金を増額する企業が増えています。例えば、JTは2022年に株主優待を廃止し、配当金が増額されています。

一生持ち続ける高配当株を選びポイント

●その1:配当利回り3%以上を目安に2%以上もチェック

まず、配当金について見る際に最も注目されるのが、先述した「配当利回り」です。
しかし、配当利回り3%以上を条件にすると、選べる銘柄はかなり数が減ってしまいます。配当利回りが3%に近い優良銘柄を見つけるために、配当利回り2%以上を条件に検索すると、選ぶ銘柄の幅が広がります。2%以上3%未満の配当を出す企業としては、例えば、2023年6月に株式分割して投資がしやすくなったNTTの予想配当利回りが2.83%、投資家の人気が高い花王が2.64%と、3%に近い水準で推移しています。(いずれも2024年4月1日時点)

ただし、配当利回りだけで銘柄を選ぶことは禁物です。その計算の性質上、例えば業績下落により株価が下がっているときは配当利回りが上がるためです。つまり、配当利回りが高い銘柄は不人気銘柄という可能性も高まります。配当利回りは銘柄選びの最初のフィルターとして用いるのがよいでしょう。

●その2:連続で増配しているか

配当金と企業の業績の間には、非常に密接な関係があります。
一般的な傾向として、業績がよければ配当金は増額され、逆に悪化すれば減額されます。そのため、毎年出される配当金の推移は、その企業が毎年しっかりと利益を出し続けられているかどうかを示しているともいえます。

1株あたりの配当金が前年より増えた状態を「増配」、逆に減った状態を「減配」といいます。なかでも配当金が毎年連続で増配している株を「連続増配株」と呼び、高配当株投資を行う上では欠かせない銘柄です。企業の業績が右肩上がりで成長しているがゆえに連続増配が可能であり、安心して持つことができるでしょう。

また、増配はしていなくとも減配しておらず、配当金の推移が横ばいになっている銘柄は、安定した経営が続いているといえます。配当金が増配、または横ばいであることを条件に探すと、配当利回りだけでは見つけられない、今後有望な銘柄を見つけることができます。

●その3:配当性向は40%が目安

企業の最終的な利益である純利益のうち、どの程度の割合で配当金が分配されたのかを示した指標が「配当性向」です。株主に出す配当金の総額を当期純利益で割って算出できます。
例えば配当性向が10%だった場合、純利益の10%が配当金として株主に配分されている、ということになります。

一見、高ければ高いほど投資家にとってよいように思えますが、一概にそうともいえません。
配当性向が低いと配当に回される資金が少なく、もらえる配当金が少なくなるわけですが、そうした企業は将来を見越して剰余金を貯めている可能性があります。

一方で、配当性向が80%を超える水準になるなど、高過ぎる場合、会社の成長にお金を回すよりも、利益の多くを配当金に回していることになり、企業の持続性や将来性に不安が残ります。
配当性向は業界によって平均値に差がありますが、銘柄選びの際にはおおむね30~50%くらいを目安にしておくとよいでしょう。

●その4:売上高・営業利益が年々増加している

優良株を見つけるうえで、はじめに確認するべきポイントは「売上高」と「営業利益」が右肩上がりで増えているかという点です。
売上高は企業の本業となる商品やサービス提供によって得られた金額の合計です。そこから売上原価と販売管理費を差し引いたものが営業利益です。
企業活動の源泉となるこれらの業績が増えている企業であれば、その企業には成長性があると判断できます。

営業利益から営業外の収支が加わって経常利益(税引前利益)、さらにそこから諸税が引かれて当期純利益となります。配当金はこの当期純利益から分配されるので、株主としてはこれが高いほど、配当金も多くなって好ましい状態だといえます。

よって、配当の源泉である当期純利益の水準にも注意をしつつ、売上高と営業利益がともに、過去3〜5期分の実績と今後の2期分の予想が伸び続けている高配当株であれば、高い配当を維持するだけでなく、株価成長の期待も高まります。

●その5:1株あたり利益(EPS)が年々増加している

「1株あたり利益」は、企業が発行した株で集めた資金を元手に、どれほどの儲けが得られたかということを、1株あたりで算出したものをいいます。一般的にEPSと呼ばれています。要するに、1株あたりいくら儲けたのか、その収益性を見る指標で、株主にとっては投資した分で利益が出せる企業かどうかを見るのに重要な指標です。

せっかく投資したのに、企業が十分にその資金を生かせず利益を出せないようなら、投資する意味は薄れてしまいます。EPSは、自分の大切なお金を託すに値する企業か判断するための重要な指標といえるでしょう。具体的には当期純利益を発行済株式数で割ると算出され、数値が高いほど企業の収益性が高いといえます。

また、EPSから読み取れるのは収益性だけではありません。その推移を見ることで、企業の成長性をはかることができます。EPSが増加していれば、以前よりも効率的で収益性の高いビジネスを展開していると考えられます。

「会社四季報」を使い倒そう

日本の株式市場には約3900社が上場しています。このなかからガチホしてもいい銘柄を探すのは大変です。
高配当株は、何より業績のよい「好業績株」であることが大切です。そこで確認したいのが、個人投資家のバイブルと言われる「会社四季報」です。

会社四季報には、次の図のように上場企業のデータが詳細に記載されています。

●会社四季報の主な記載内容イメージ

(株)Money&You作成

ただ、すべて熟読したうえで投資先を選ぼうとすると、時間がいくらあっても足りません。そこで、次の3つのポイントをチェックして、投資候補をざっくりスクリーニングしてみましょう。

●チェックポイント①:記事欄の【見出し】

B「記事欄」の記事の見出しを確認して、業績好調を示す強い見出しを探しましょう。【絶好調】【最高益】【連続最高益】【高水準】【大幅拡大】などの見出しは、その企業の好調ぶりを示します。また、【独自増額】は、会社四季報の記者が取材の結果、「会社計画は保守的すぎる」と判断し、独自に予想を引き上げたことを指します。このような、四季報担当者が考え抜いたポジティブな見出しには注目です。

●チェックポイント②:業績欄の「売上高」「営業利益」「EPS」「1株あたり配当」

続いてG「業績欄」を見ましょう。まずは、企業が商品やサービスを売ることで稼いだ金額の合計を示す「売上高」と、本業で稼いだ金額を表す「営業利益」をチェック。過去3〜5期と予測2期分の売上高と営業利益が両方とも右肩上がりになっているかを見てみましょう。ポイントは「両方とも」右肩上がりになっていること。営業利益だけが右肩上がりの企業は、経費削減によるものなので、今後の成長が見込めるとはいえません。

「1株益」には、1株当たり純利益(EPS)が記載されています。EPSが上がっているということは、利益が増えているということでもあります。企業は引き続き高い配当を出したり、配当の金額を増やす「増配」をしてくれたりするだろう、と考えられるのです。

「1株配」にも注目。同じ1株でも、もらえる配当の額は毎年変わります。当然、配当は年々増えてくれたほうが株主としては嬉しいですよね。増配によって年々配当が増えるだけでなく、株価もさらなる上昇が見込めます。増配株は業績のよい銘柄が多いため、市場全体が暴落している時にも強いという特徴もあります。

●会社四季報のチェックポイント③:業績予想の修正欄

J「業績予想の修正欄」には、今号の四季報営業利益予想と前号の予想を比べた場合の増減が矢印で記載されています。「↑↑」(大幅増額:30%以上の増額)、または「↑」(増額:5%〜30%未満の増額)の企業は、業績がさらによくなる期待ができます。また、顔文字(ニコちゃんマーク)が笑顔だと、企業予想の営業利益よりも会社四季報予想の営業利益が強気(四季報担当者が「企業予想が保守的だ」と考えている)ことを表します。

不況や暴落に強い銘柄を選ぶならば、「業種」にも注目

不況や暴落は投資においてつきものです。不況になるとほとんどの銘柄の株価は下落しますが、その下落率には業種によって幅があります。

そのなかでも下落率の幅を比較的抑えられるのは、通信業や食品、一般消費財、公益事業を多く手掛ける企業などです。これらの銘柄は不況下にあっても需要が減ることが少ないためです。

著書「マンガと図解 50歳からの新NISA×高配当株投資」(KADOKAWA)より

老後に向けて長期で保有することを考えれば、その間に経済はいろいろな局面を迎えるでしょう。その経済全体の動きの中で影響が少ない銘柄を選んでリスクを減らしておきたいところです。例えば通信業では、NTTやKDDIなどは配当利回りが高く、業績も安定的であるため、投資対象のひとつとして適しているということができるでしょう。

また、今後拡大していくと予想されるのが、ヘルスケアや美容系、農業系の業態です。その理由は、基本的には不況に強い業種と同じく、一般消費財のくくりで扱われ、不況にあっても需要が減らないと考えられるためです。


マンガと図解 50歳からの「新NISA×高配当株投資」

マンガと図解 50歳からの「新NISA×高配当株投資」(KADOKAWA)

新NISAを活用した、50歳前後から準備しておきたい定年後も不労所得を得ることができる高配当株投資の方法を徹底解説。定年後も安心して不労所得を得るための銘柄選びや、どのように銘柄を保有し続けて、どのように取り崩していくかまで、投資初心者でもすぐにはじめられるように、マンガと図解でわかりやすく学べる一冊。

頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki

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