24/03/05
旧NISAの資産はどうなった?新NISAで対応しておきたい3つのこと
2024年、NISAは2023年までの一般NISAやつみたてNISAからパワーアップした「新NISA」に生まれ変わりました。2024年に入り、日経平均株価や米国のダウ平均株価も上昇し、盛り上がりを見せています。
しかし、中にはいまだに旧NISAの資産をそのまま放置している人や、新NISAがスタートしているのに何もしていない人もいるかもしれません。
今回は、放置している旧NISAがどうなっているのか、新NISA開始にあたって対応しておきたいことを紹介します。
新NISAスタート後、旧NISAはどうなった?
旧NISAの新規の買い付けは2023年をもって終了しています。しかし、とくに手続きなどをしていなかった場合、旧NISAの資産や口座、設定などは次のようになっています。
●旧NISAの資産は新NISAと別枠で保有している
旧NISAで保有していた資産は、2024年になっても新NISAとは別枠で、旧NISAで保有している状態です。
●旧NISAの非課税期間であれば引き続き課税されずに保有できる
旧NISAの資産は、所定の非課税期間内(一般NISAは5年、つみたてNISAは20年)であれば、新NISAがスタートしていても、引き続き非課税で保有できます。
●旧NISAの資産は非課税期間が終わったら課税口座に移される
旧NISAの資産は非課税期間が終わっても売却しない場合、課税口座(特定口座または一般口座)に移されます。そして、課税口座に移されたあとの利益には課税されます。課税口座に移される前の利益には、税金はかかりません。
●旧NISAの資産は非課税期間が終わってもロールオーバーできない
旧NISAのうち一般NISAには、非課税期間終了後の商品を次の非課税投資枠に移す「ロールオーバー」というしくみがありました。しかし、旧NISAには次の非課税投資枠はもうありませんので、非課税期間が終わったとしてもロールオーバーできません。旧NISAの資産を新NISAにロールオーバーすることもできません。
●新NISAの口座は旧NISAを利用していた金融機関に開設される
新NISAの口座は、旧NISAを利用していた金融機関に自動的に開設されます。旧NISAのつみたてNISA・一般NISAで行っていた積立投資の設定は、基本的にそのままつみたて投資枠・成長投資枠に引き継がれますが、成長投資枠で投資できない商品に積立投資していた場合には積立の設定が解除されます。
新NISAスタートで対応しておきたい3つのこと
新NISAのスタートに伴い、対応しておきたいことを3つ紹介します。
●①金融機関を変更する
上で紹介したとおり、旧NISAを利用していた方は、従来と同じ金融機関に新NISAの口座が開設され、積立設定も新NISAに引き継がれています。
今の金融機関に不満がない方はそのままでOKです。
しかし、「欲しい商品を扱っている金融機関がよい」「手数料が安い金融機関がよい」「クレジットカードで投資できてポイントが貯まる金融機関がよい」などの希望がある場合は、金融機関の変更を検討しましょう。「成長投資枠で株式投資したい」という場合は、証券会社に変更します。株は証券会社でしか購入できないからです。
ただし、2024年1月以降の新NISA口座で1度でも取引をすると、2024年中のNISA口座の金融機関の変更はできなくなります。また、2025年から金融機関を変更したい場合も、2024年10月からの手続きとなります。したがって、新NISAで金融機関の変更をしたい場合は、早めに手続きしましょう。
●②投資設定を見直す
旧NISAから新NISAになり、毎年非課税で投資できる金額が増えています。
・つみたてNISA:40万円→つみたて投資枠:120万円
・一般NISA:120万円→成長投資枠:240万円
しかも、つみたて投資枠と成長投資枠は併用することもできます。
新NISAには、旧NISAと同様の設定が引き継がれていますが、投資額は旧NISAのままです。それに、投資できる商品も増えています。従来よりも投資の選択肢が増えているので、月々の投資金額や投資先を見直してみましょう。
とはいえ、投資は余剰資金で行うのが鉄則。無理な金額を新NISAに注ぎ込まないように注意しましょう。
●③旧NISAの資産の運用方法を検討する
旧NISAの資産は、非課税期間内は引き続き非課税の投資が続けられます。旧NISAと新NISAの資産は別物で、2本だてで運用できるイメージです。
新NISAで非課税にできる投資額の上限(生涯投資枠)は1800万円です。これに加えて、旧NISAで投資した分も非課税期間内は非課税にできるのですから、旧NISAの資産を持っている人は、新NISAから投資を始めた人よりも非課税にできる金額が多くなります。
旧NISAの資産は、せっかく非課税でお得に資産運用できるのですから、お金を使う予定がなければ、非課税期間終了までは保有することをおすすめします。つみたてNISAは非課税期間が終わるのが20年後。2023年に投資した資産が2042年まで非課税にできる計算ですので、資産があることを忘れないようにしましょう。
非課税期間が終わるとき、新NISAの生涯投資枠に空きがあれば、一度売却して新NISAで買い直してもよいでしょう。生涯投資枠に空きがなければ、売却して現金化でもよいですが、課税口座に移して投資を続けるのも一案です。課税口座では、NISA口座で得られた利益には課税されません。また、以後の利益に税金がかかるとしても、投資金額が多くできたほうがお金を増やしやすくなるでしょう。
旧NISAの資産を新NISAに移す場合は、一度売却してその資金を新NISAに投資します。株式優待の長期保有特典がある銘柄を移す場合は、先に新NISAの口座で株を購入してから、旧NISAで保有していた株を売却しましょう。課税口座の資産を新NISAに移す場合も同様です。この順序が逆だと、一時的に株主でなくなり、長期保有がリセットされてしまうので注意が必要です。
新NISAでも引き続きお金を増やそう
旧NISAの資産は新NISAの資産とは別物。旧NISAの資産は引き続き非課税で持ち続けられますので、旧NISAの資産の使い道がない場合は、非課税期間が終了するまで保有しておくのがよいでしょう。
それに加えて、新NISAもしっかり利用するのがおすすめ。金融機関や投資先、投資の設定を見直して、お金を増やしていきましょう。
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あや FP2級のワーママライター
フルタイムワーママとして、日々仕事・家事・娘の育児に奮闘中。家計のやりくりや資産運用、女性のキャリアなど、自身の悩みや経験を、記事を通して等身大でお届けする。お金の勉強をしたいと思い、2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を取得。趣味はテニスと旅行。
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