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23/11/24

相続・税金・年金

故人の銀行口座はいつ凍結される?口座凍結はどうすれば解除できるのか

故人の銀行口座はいつ凍結される?口座凍結はどうすれば解除できるのか

亡くなった人の銀行口座や認知症の人の銀行口座は、凍結されることがあるので注意しておきましょう。銀行口座が凍結されると、一切のお金の入出金ができなくなり、困ったことになってしまいます。
今回は、金融機関が口座を凍結するタイミングや、凍結を解除してお金を引き出す方法、口座凍結に備える事前の対策を説明します。急に口座凍結をされても慌てないよう、知識を持った上で、できる準備をしておきましょう。

口座が凍結される理由と凍結のタイミング

口座の凍結とは、金融機関側で、預金口座への入出金ができないよう処理を行った状態を言います。金融機関が口座の凍結をする原因はいくつかありますが、代表的なものは口座の名義人が死亡したときです。銀行口座の名義人が死亡すると、その口座は凍結され、一切の入出金ができない状態になります。

●口座が凍結される理由とは?

亡くなった人の預金は、亡くなった時点で相続財産となります。相続人は一人とは限りません。預金を誰が相続するか確定する前に一人の相続人が引き出してしまうと、相続人間でトラブルになる可能性があります。こうしたトラブル防止のため、口座名義人が死亡したときには、金融機関は口座を凍結する扱いをするのです。

●口座凍結のタイミングはいつ?

金融機関が口座を凍結するタイミングは、口座名義人死亡の事実を知ったときです。ただし、役所に死亡届を出しても金融機関に通知されるわけではありません。金融機関が死亡の事実を知るタイミングはまちまちです。
最もよくあるのは、親族から問い合わせがあったときです。亡くなった人の親族は、預金の相続手続きについて、金融機関に問い合わせをすることが多いでしょう。こうした問い合わせがあると、金融機関は亡くなった人の口座を凍結します。つまり、もし親族が問い合わせしなければ、口座はいつまでも凍結されない場合もあるということです。
なお、親族の問い合わせとは関係なく、新聞の訃報欄などで金融機関が口座名義人の死亡を確認し口座凍結をするようなケースもあります。

●口座が凍結されるとどんな影響がある?

預金口座が凍結されると、キャッシュカードでも窓口でも一切の入出金ができなくなります。また、その口座からの引き落としもできない状態となってしまいます。
たとえば、亡くなった人の口座から家賃や公共料金を自動引き落としにしていた場合には、引き落としがされず、滞納することになってしまいます。そのまま放置していれば、督促を受けることになるでしょう。公共料金を滞納すれば、電気やガスを止められる可能性もあります。

凍結を解除するにはどうすればいい?

口座の凍結は、放っておいても解除されません。死亡を理由に口座が凍結された場合、凍結を解除してお金を引き出すには、金融機関で預貯金の相続手続きを行う必要があります。預貯金を誰が相続するのかを明確にし、必要書類を揃えて銀行に提出すれば、解約や払い戻しの手続きができます。

●預貯金の相続手続きには何が必要?

金融機関で預貯金の相続手続きをするためには、相続人全員で遺産分割協議を行って、誰が預貯金を相続するかを決めなければなりません。そのうえで、次のような書類を用意して金融機関に提出する必要があります。

・遺産分割協議書
・戸籍謄本
・相続人全員の印鑑証明書
・通帳、キャッシュカードなど

亡くなった人の遺言書がある場合には遺産分割協議書や相続人全員の印鑑証明書は必要ありませんが、遺言書や預金を相続する人の印鑑証明書が必要です。なお、遺産分割について、家庭裁判所の調停や審判で決まった場合には、調停調書や審判書を添付します。

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凍結解除前でも相続人は仮払いを受けられる

相続手続きを行って口座の凍結を解除してもらうには、遺産分割協議をしたり必要書類を集めたりしなければならず、時間がかかります。一連の手続きが終わるまでに、亡くなった人の入院費用や葬儀費用の支払いがあり、お金を引き出したいケースも多いでしょう。
凍結された口座からすぐに現金を引き出したい場合、次のような方法があります。

①家庭裁判所の仮処分を受ける
家庭裁判所に「仮分割の仮処分」という申し立てをすれば、家庭裁判所の認めた金額まで、相続人の一人が金融機関から払い戻しを受けられます。とはいえ、裁判所を利用することになるため、手続きが複雑になり、ある程度の時間はかかってしまいます。

②預貯金の仮払い制度を利用する
相続開始後迅速に現金を引き出したい場合、金額によっては、預貯金の仮払い制度を利用するのがおすすめです。預貯金の仮払い制度は2019年7月にスタートした制度で、裁判所が関与することなく、相続人が一定額までの預貯金の仮払いを受けられるというものです。

●預貯金の仮払い制度で払い戻しできる金額は?

各相続人が単独で仮払いを受けられる金額は次のとおりです。

払い戻し可能な額=相続開始時(亡くなった時)の預貯金額×1/3×法定相続分
※ただし、同一の金融機関からの払い戻し額の上限は150万円

法定相続分とは、民法で定められた相続割合です。

たとえば、相続人が妻と長男、次男の場合、各相続人の法定相続分は次のとおりです。

妻  2分の1
長男 4分の1
次男 4分の1

相続開始時の預貯金額が300万円とすると、それぞれの払い戻し可能額は次のようになります。

妻  300万円×1/3×1/2=50万円
長男 300万円×1/3×1/4=25万円
次男 300万円×1/3×1/4=25万円

●預貯金の仮払い制度の必要書類は?

預貯金の仮払い制度を利用して銀行に払い戻しを請求するときに必要な書類は、以下のとおりです。

・相続関係がわかる戸籍謄本一式
・払い戻しをする人の印鑑証明書

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認知症でも口座が凍結されるかも

口座が凍結されるのは、口座名義人が亡くなったときだけではありません。口座名義人が認知症になった場合にも、口座が凍結されることがあります。

●認知症の人の口座はなぜ凍結される?

認知症とは記憶力や判断能力が低下している状態です。認知症になると、自分でお金を適切に管理できなくなってしまいます。他人に言われるままに現金を引き出してしまったり、詐欺にあって高額の買い物をしてしまったりするリスクも出てきます。こうしたことから、金融機関は認知症の人の財産を守るために、口座を凍結することがあるのです。

●認知症の人の口座が凍結されるケース

認知症の人の家族が金融機関に相談して、本人の口座を凍結してもらうことも可能です。また、金融機関側の判断で口座を凍結するケースもあります。たとえば、窓口で高額のお金を引き出そうとした高齢者が意味不明な内容を話している場合、金融機関は認知症と判断して口座を凍結することも考えられるでしょう。

●認知症の人の口座凍結を解除するには

認知症で口座が凍結されると、年金が振り込まれても引き出せないという状態になり、生活費に困ってしまうことも考えられます。一方で、口座の凍結が解除されても、本人は財産の管理ができません。誰かに代わりに財産管理を行ってもらう必要があります。
既に認知症になっている人については、財産管理を行う代理人として、家庭裁判所で成年後見人を選任してもらうことになります。成年後見人とは、認知症などで判断能力が低下した人の代理人となって財産管理を行う人です。
成年後見人を選任してもらうには、家庭裁判所に後見開始の申立てをします。このとき、家族を後見人候補者として申し立てをすれば、家族が成年後見人になれる場合もあります。一般には、弁護士等の専門家が成年後見人に選任されるケースが多くなっています。
成年後見人選任後、金融機関に届出すれば、凍結は解除されます。選任された成年後見人は、本人に代わって口座の入出金を行うことができるだけでなく、財産管理全般を行うことになります。なお、専門家に成年後見人として付いてもらう場合には、報酬を払う必要があります。

●あらかじめ任意後見人を選んでおくこともできる

将来認知症になった場合に備えて、正常な判断能力があるうちに、自分で後見人を選んで契約(任意後見契約)をしておく方法もあります。任意後見契約により依頼する成年後見人は、任意後見人と呼ばれます。任意後見人は、親族に依頼してもかまいませんし、弁護士や司法書士などの専門家に依頼することもできます。
任意後見契約を結ぶには、公正証書の作成が必須になります。任意後見人を決めておけば、認知症になったときにも速やかに任意後見人に財産管理を引き継ぐことができます。

口座凍結の予防策としてできることとは?

認知症になったり亡くなったりして口座凍結されると、家族に迷惑がかかってしまうことがあります。事前にできることとして、以下のような対策を考えてみましょう。

●早めに預金の一部を引き出しておく

万一の場合に備えて、早めに預貯金を引き出してある程度の現金を用意しておくのも1つの方法です。ただし、高額の現金を持っていると盗難のリスクが高まってしまいます。くれぐれも保管場所に注意しましょう。

●生命保険に加入しておく

生命保険の保険金は、民法上の相続財産ではなく、受取人固有の財産として扱われます。保険金については、遺産分割協議で受け取る人を決める必要はありません。契約上の受取人が保険金の請求手続きを行えば、すぐに受け取れます。生命保険に加入しておけば、亡くなった後に口座から現金を引き出さなくても、相続人は現金を手にすることができるのです。
生命保険の保険金にも相続税は課税されますが、「500万円×法定相続人の数」という非課税枠があります。生命保険の活用は、相続税の節税対策としても有効です。

●取引金融機関を整理する

亡くなった後の凍結解除がスムーズにできるように、取引している金融機関を整理し、できれば口座の数を減らしておきましょう。預金の相続手続きは、金融機関ごとに行わなければなりません。預金口座を開設している金融機関が多ければ、それだけ手続きに時間がかかってしまい、相続人が現金を用意しにくくなってしまいます。
口座の数が多いと、高齢になってから管理するのが大変です。預貯金は一部の金融機関にまとめておくのがおすすめです。口座を開設している金融機関がわかるよう、財産目録を作ったり、エンディングノートに記入したりしておきましょう。

●家族信託を利用する

高齢になってからの財産管理には、家族信託という方法があります。家族信託とは、財産の所有者としての地位はそのままで、財産の管理・処分の権限だけを切り離して家族に与えられる仕組みです。
家族信託を設定する場合、口座の名義は財産管理等を任せる家族(受託者)の名義に変更することになります。財産の実質的な所有者が認知症になったり亡くなったりしても、口座名義人である受託者が生きていれば、口座は凍結されません。受託者が財産の管理をそのまま継続できます。
家族信託を利用するには、生前まだ判断能力のあるうちに家族との間で信託契約を結んで公正証書を作成し、金融機関で信託専用の口座を開設するなど複雑な手続きが必要になります。専門家に相談しながら手続きを進めるのがおすすめです。

口座凍結で慌てないために

亡くなった後に、家族がすぐに現金を引き出せないと困ることがあります。事前に対策を考えておきましょう。仮払い請求ができるよう、取引している銀行を把握し、一覧表を作っておくと手続きする際にスムーズです。
口座凍結前であっても、亡くなった人の預貯金を引き出すときには、他の相続人の同意を得る必要があります。何にいくら使ったのかがわかるよう記録を残しておき、後日のトラブルを予防しましょう。

森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー

Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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