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23/09/19

相続・税金・年金

年金「月10万円」未満の人はどれくらいいるのか

年金「月10万円」未満の人はどれくらいいるのか

日本の公的年金には、20歳以上60歳未満の方が加入する国民年金と、会社員や公務員が加入する厚生年金の2つがあります。老後もらえる年金の額は、人によって違います。特に厚生年金は、現役時代の給料の額や働いていた期間によって大きく差が出るものです。今回は、老後の厚生年金が月10万円に満たない人がどれくらいなのかを説明します。年金が少ない人は、年金を増やす方法についても知っておきましょう。

厚生年金に加入していた人の年金はどれくらい?

2023年度(令和5年度)の老齢基礎年金の満額は年額で79万5000円。老齢基礎年金とは国民年金から支給される年金です。自営業者等で老齢基礎年金のみしかもらえない人は、満額でも年金は月額6万6250円しかありません。
一方、厚生年金に加入していた会社員や公務員は、老齢基礎年金に上乗せして、厚生年金から老齢厚生年金も受け取れます。厚生年金に加入していた人の年金はどれくらいなのかをみてみましょう。

●年金の平均月額は約14.4万円

厚生労働省年金局が公表している「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和3年度末現在の第1号受給権者(会社員)の平均年金月額は14万3965円です。なお、この金額には老齢基礎年金も含まれています。
会社員の年金が月14.4万円と聞くと、自営業者の2倍以上になり、それなりに多いように感じます。ただし、これはあくまで会社員の平均額です。

●4人に1人は月10万円未満

令和3年度の厚生年金保険第1号受給権者1618万人のうち、老齢基礎年金を含む年金月額が10万円未満の人の数は374万9779人、全体の23.2%となっています。会社員でも約4分の1は、月10万円未満しか年金をもらっていないのです。

女性は年金10万円未満が約半数

厚生年金保険第1号受給権者のうち、年金10万円未満の人の割合を男女別にみてみましょう。

●年金10万円未満の人数・割合

厚生労働省年金局「令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」より抜粋

表からもわかるとおり、厚生年金をもらっている人のうち、男性の約1割、女性の約5割は、年金10万円未満となっています。

●女性の年金が少ない理由

女性の場合、結婚後は専業主婦やパートで夫の扶養に入るケースが珍しくありません。そのため、厚生年金の加入歴があっても、加入期間が短く、もらえる年金額が少ない人が多くなっています。

●年金が少ないなら老後資金対策が必要

統計上、女性の2人に1人は90歳まで生存しています。たとえ貯金があっても、長生きすれば底をついてしまう可能性があり、不安が残るでしょう。その点、公的年金は亡くなるまで継続してもらえるので、公的年金の受給額が多ければ、長生きしても安心感があります。

しかし、実際には女性の年金受給額は少なく、老後の不安が大きくなってしまいがちです。特に女性は、老後資金対策をしっかり考えておく必要があります。

年金10万円以上を目指す方法は?

年金を月10万円もらえそうにない場合、早めに対策を考えておきましょう。厚生年金に加入している会社員でも、国民年金を増やせるケースもあります。国民年金、厚生年金のそれぞれを増やす方法や、年金の繰り下げをして増やす方法について説明します。

●国民年金(老齢基礎年金)を増やす方法

国民年金保険料を40年(480か月)納付すれば、老齢基礎年金を満額受給できます。令和5年度の老齢基礎年金の満額は、67歳以下の人が月額6万6250円、68歳以上の人が月額6万6050円です。老齢基礎年金を満額もらえそうにない人は、次のような方法により増やせます。

・未納の国民年金保険料は追納する
国民年金保険料の未納分を追納すれば、老齢基礎年金は増えます。追納できる保険料は、本来の納付期限から2年以内のものです。免除や納付猶予の申請をして承認を得ている場合には、本来の納付期限から10年以内の保険料を追納できます。
厚生年金保険料を払っている会社員の場合、国民年金保険料も同時に払っているので、通常未納分はありません。しかし、過去の無職期間などに未納の国民年金保険料がある場合があります。追納できるものがないか見直してみましょう。

・60歳以降も国民年金に任意加入する
60歳時点で480か月分の国民年金保険料を納めていない場合には、65歳になるまで国民年金に加入して保険料を納められる制度があります。これを国民年金の任意加入制度といいます。60歳で会社を退職する人でも、過去に国民年金保険料の未納分がある人は、任意加入で年金を増やせます。

・付加年金を利用する
付加年金とは老齢基礎年金に上乗せできる年金です。毎月の国民年金保険料に加えて400円の付加年金保険料を納付すれば、「200円×付加保険料納付済月数」の年金が加算されます。付加年金に入れば、老齢基礎年金を満額より増額することも可能です。
付加年金に加入できるのは、国民年金保険料を自分で納めている第1号被保険者で、会社員は加入できません。60歳以降国民年金に任意加入する場合には、付加年金にも同時加入できます。これから国民年金に加入する予定がある人は、付加年金にも加入することで年金を増やせます。

●厚生年金(老齢厚生年金)を増やす方法

厚生年金に加入して厚生年金保険料を払えば、将来もらえる老齢厚生年金を増やせます。以下のような方法を検討してみましょう。

・働いて自分で社会保険に入る
今働いていない人や、扶養内のパートで働いている人は、働いて自分で厚生年金保険料を払うことを考えてみましょう。社会保険に入れば、給与から社会保険料を天引きされるため、手取りが減ります。そのときは損しているような気がしますが、将来もらえる年金の額は増えているのです。
老齢厚生年金は、生きている間ずっともらえる終身年金です。特に女性は寿命が長いので、厚生年金保険料を払って年金を増やした方が、結局は得する可能性があります。今の手取りだけでなく、将来もらえる年金のことも考え、働き方を見直してみましょう。

・給与アップを目指す
老齢厚生年金は現役時代に厚生年金保険料をたくさん払っている人ほど多くもらえます。厚生年金保険料には上限はありますが、基本的に給与が多い人ほど保険料も高くなります。つまり、給与が上がれば、将来もらえる年金も増える仕組みです。
現役時代の給与が少なければ、年金生活になってからも収入が少なくなってしまいます。働いている間は、給与が上がるよう、積極的にキャリアアップを考えましょう。給料が上がらない場合、高給与をもらえる会社に転職する方法もあります。

・定年後も会社で働く
日本の多くの会社は60歳で定年となります。しかし、現在は高齢者雇用安定法により、希望すれば70歳まで継続雇用してもらえるルールになっています。厚生年金は70歳まで加入できるので、定年後も会社で働けば、老齢厚生年金を増やせます。
高齢になってから一度仕事を辞めてしまうと、再就職が難しくなります。定年後も働くつもりでライフプランを考えておきましょう。

・離婚するなら年金分割をしてもらう
結婚している人でも、いずれは熟年離婚して、老後は一人で暮らしたいと考えている人もいるでしょう。離婚するときに年金分割の手続きをすることにより、老後の年金が増える人がいます。年金分割とは、婚姻期間中の厚生年金保険料納付記録を離婚時に夫婦で分け合う制度です。
年金分割により年金を増やせるのは、主に婚姻期間中夫の扶養に入っていた女性や、共働きでも夫の方の年収が多かったという女性です。年金分割すれば、夫の厚生年金の一部を分けてもらえるので、年金受給額が増加します。
年金分割は離婚後2年以内であれば手続きできます。既に離婚した人も、まだ間に合うようなら手続きしておきましょう。2008年(平成20年)4月1日以降に扶養だった期間(第3号被保険者期間)の納付記録については、元夫の同意なしに分割手続きすることも可能です。

●繰り下げ受給をして年金を増やす方法

公的年金は65歳から受給するのが原則ですが、受給開始を65歳から70歳までの間に繰り下げることも可能です。繰り下げ受給することにより、年金受給額を増やせます。たとえば、70歳まで繰り下げると、受給額は42%アップします。
2022年4月からは75歳までの繰り下げが可能になりました。75歳まで繰り下げすれば、受給額は84%アップします。
できるだけ長く働いて、年金受給を繰り下げすれば、安心感が増します。もらえる年金の見込額が少ない人は、繰り下げ受給も考えておきましょう。

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年金とは別に老後資金を用意する方法

公的年金を増やすにしても限界があります。公的年金以外で老後資金を準備する方法も考えてみましょう。

●長期的な投資で効率よく資産を増やす

老後資金は長期的な投資により準備するのがおすすめです。投資というとリスクを心配する人も多いですが、長期的な運用をすればリスクを抑えられます。長期投資には、複利効果によりお金を効率よく増やせるメリットもあります。
投資で得られた利益には原則的に税金がかかりますが、iDeCoやNISAを活用すれば非課税投資が可能になります。

・iDeCo
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは、私的年金制度の1つです。加入して掛金を積み立てることにより、公的年金に上乗せする老後資金を準備できます。
iDeCoに加入できるのは、20歳から60歳までの国民年金被保険者です。国民年金保険料を免除されている人や企業型DC(企業型確定拠出年金)でマッチング拠出をしている人など一部の人を除き、現役世代の人はほとんどが加入対象になります。
iDeCoでは、毎月掛金を拠出し、自分で長期的に運用して資産を増やします。iDeCoで積み立てた資産は60歳まで引き出せません。途中で取り崩せないので、着実に老後資金を貯められます。

・つみたてNISA
NISA(少額投資非課税制度)のうち「つみたてNISA」は、年間40万円までの積み立て投資で得られた利益を最長20年間非課税にできる制度です。iDeCoと同様運用益非課税で再投資できるため、長期的な運用によるメリットが大きくなります。
つみたてNISAの場合には、iDeCoのような引き出し時期の制限もありません。途中で引き出して別の目的で使うことも可能です。
2024年からはNISA制度が新しくなります。これまでの「つみたてNISA」は「つみたて投資枠」となり、年間投資枠は120万円に、非課税保有期間は無期限に拡大します。ますます投資しやすい環境になるため、老後資金の準備にも活用しましょう。

●老後資金を準備できるその他の方法

貯金や保険を利用して老後資金を準備する方法もあります。

・財形貯蓄制度
勤務先に財形貯蓄制度があれば、利用を検討してみましょう。財形貯蓄のうち、「財形年金貯蓄」では、老後資金の積み立てができます。財形貯蓄には利子に対する非課税措置が設けられており、通常の預貯金よりも有利な積み立てが可能です。

・個人年金保険
個人年金保険は保険会社が提供する金融商品です。一定期間保険料を払い込み、契約で定められた年齢になると一定期間もしくは一生涯年金を受け取れます。
個人年金保険は、将来受け取れる年金が確定している「定額型」と、運用実績に応じて受取額が変動する「変額型」に分かれます。
個人年金保険に加入して保険料を払った場合、条件をみたしていれば、個人年金保険料控除が受けられます。

まとめ

公的年金の平均的な月額は約14万円ですが、年金額は人によって差があり、これより多い人も少ない人もいます。年金受給額がどれくらいになりそうかは、毎年送られてくる「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できます。
年金額が少ないなら、早めに年金を増やす方法を考えておきましょう。iDeCoやつみたてNISAを活用して年金に上乗せする資金を準備するのもおすすめです。

森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー

Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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