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23/01/15

相続・税金・年金

「年金特別徴収」天引きされるお金、初年度は手取りが大きく減る可能性大

「年金特別徴収」天引きされるお金、初年度は手取りが大きく減る可能性大

老後に支給される年金は、生活を支える重要なお金となります。ところで、年金からは税金や社会保険料が天引きされるので、その分手取りが減ってしまうのをご存じでしょうか?今回は、年金からの源泉徴収や特別徴収について説明します。年金生活初年度は手取りが少なくなってしまう可能性もあるので注意しておきましょう。

年金は手取り額で考えることが大切

老後の生活設計を考えるにあたって、もらえる年金額を把握しておくことは重要です。将来の年金額がどれくらいかは、毎年届く「ねんきん定期便」でも確認できるでしょう。しかし、実際には年金からは天引きされるお金があり、振り込まれる額(手取り額)は額面上の年金額よりも少なくなります。

●年金から天引きされるお金とは?

年金から天引きされるお金とは、主に税金と社会保険料です。この場合の税金とは、所得税・住民税のこと。社会保険料とは、公的医療保険(国民健康保険または後期高齢者医療制度)及び介護保険の保険料です。所得税は「源泉徴収」という形で天引きされ、住民税と社会保険料は「特別徴収」という形で天引きされます。

以下、年金から天引きされるものについて、具体的に説明します。何がどれくらい差し引きされるのかを知っておき、年金の手取り額を計算する参考にしてください。

年金から天引きされるお金①所得税

働いて得た収入に所得税がかかることは誰もが認識していると思います。しかし、公的年金も所得となり所得税がかかることは、知らない人も多いのではないでしょうか?

公的年金は、所得の種類としては「雑所得」となります。なお、雑所得のうち公的年金や一定の企業年金については「公的年金等控除」が受けられるため、一定額までは課税されません。課税される金額以上の年金を受け取る場合に、源泉徴収が行われます。

●年金額がいくらから源泉徴収される?

年金からの源泉徴収の対象者は、原則として次のような人です。

【年金からの源泉徴収の対象者】
・65歳未満…年金額が108万円を超える人
・65歳以上…年金額が158万円を超える人

所得税には基礎控除(48万円)もあるので、公的年金等控除と基礎控除を合わせると、65歳未満の人は年金額108万円まで、65歳以上の人は年金額158万円まで所得税は課税されません。ちなみに、老齢基礎年金(国民年金)の満額は約78万円なので、老齢基礎年金のみをもらう人は源泉徴収されないことになります。

源泉徴収税額は、年金額から各種控除を差し引きした所得の5.105%(復興所得税含む)です。

●控除の適用もある

所得税を計算するときには、社会保険料控除や配偶者控除などの各種の控除が受けられます。これらの控除分を差し引いた所得が最終的に課税対象になるので、年金額が上記の金額を超えていても、源泉徴収額がゼロになることもあります。

社会保険料控除は自動的に適用されますが、配偶者控除や扶養控除を適用するには扶養親族等申告書の提出が必要です。扶養親族等申告書は毎年9月頃送られてくるので、定められた期限までに提出しましょう。

●確定申告はどうなる?

所得税はその年の所得にかかるものなので、1年終わらないと税額が確定しません。源泉徴収される税額は仮の金額なので、本来なら確定申告が必要です。ただし、年金受給者が毎年確定申告するのは負担になるため、公的年金については確定申告不要制度が設けられています。

確定申告不要制度により、以下の①②の条件をいずれもみたす場合には、確定申告をしなくてもかまいません。

【確定申告をしなくてもいい人】
①公的年金等の収入金額の合計額が400万円以下
②公的年金等に係る雑所得以外の所得金額が20万円以下

●年金以外に給与ももらっている場合には?

年金と給与の両方をもらっている人の場合、給与にかかる所得税は給与から源泉徴収されます。この場合には年末調整がありますが、年末調整では年金所得も含めた精算はしてくれません。会社での年末調整後に、年金受給者自らが確定申告を行う必要があります。ただし、確定申告不要制度により、給与収入75万円(給与所得20万円)以下の人は、確定申告しなくてかまいません。

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年金から天引きされるお金②住民税

住民税も所得税と同様、個人の所得に対して課税される税金です。所得税は国から課税されますが、住民税は自治体から課税されます。公的年金には所得税だけでなく住民税もかかります。

●住民税の納付方法

住民税の納付方法には、納税者自らが納付書で納税する「普通徴収」と、給料などから税額を差し引く「特別徴収」の2種類があります。公的年金受給者の住民税は、原則として特別徴収となり、年金から差し引きして徴収されます。

●特別徴収の対象者

特別徴収の対象者は、当該年の4月1日現在において65歳以上の人で、年金額が18万円以上の人です。なお、年金担保貸付制度を利用して年金に担保が設定されている場合にも、年金特別徴収の対象外となります。年金担保貸付制度の新規受付は2022年(令和4年)3月末で終了しましたが、借入額が残っている場合には年金特別徴収はされません。

●年金以外の所得がある場合

年金特別徴収されるのは、年金所得のみで計算した税額です。年金と給与の両方をもらっている人については、給与に対する住民税は給与から差し引きされます。年金以外に事業所得や不動産所得などがある人は、その所得に対する住民税は普通徴収により支払うことになります。

●年金特別徴収の仕組み

住民税は、前年度の収入にもとづき計算します。前年度の年収から算出された住民税は、4月から翌年3月までの1年間に徴収されます。公的年金は偶数月に2か月分ずつ支給されますが、その際に住民税が天引きされます。

●特別徴収される金額

住民税の年金特別徴収額は、毎回均等ではありません。住民税の年税額が決まるのは、その年の6月頃です。年度初めには今年度の税額が決まっていないため、8月までは仮の金額を引き落とす仕組みになっています。また、初年度については、特別徴収の準備に時間がかかるため、8月までは天引きがありません。
以上のような事情から、年金受給者の住民税の納付金額は、次のようになっています。

(1) 初年度
・年税額の2分の1を、6月と8月の2回に分けて普通徴収(納付書または口座振替)
・年税額の残り2分の1を、10月、12月、2月の3回に分けて特別徴収

(2) 2年目以降
・前年度の税額の2分の1の額を、4月、6月、8月の3回に分けて特別徴収(仮徴収)
・今年度の税額から仮徴収した金額を差し引きした額を10月、12月、2月の3回に分けて特別徴収(本徴収)

●年金受給初年度の住民税は高くなる!

所得税や住民税は、収入に応じて税額が決まります。ここで注意しておきたいのは、所得税は今年度の収入にもとづき計算しますが、住民税は前年度の収入を基準に計算するという点です。

会社を退職して年金生活に入った場合、初年度の住民税は、会社員時代の収入に対応した額になります。つまり、年金生活になって収入は減ったのに、初年度だけは住民税が高くなってしまうということが起こるのです。

さらに、年金特別徴収のしくみにより、住民税をまとめて払わなければならない月があるため、戸惑ってしまうことがあります。たとえば、年金生活初年度の住民税の年税額を36万円とすると、各月の支払金額は次のようになります。

【年金生活初年度の住民税の支払金額(年税額36万円の場合)】

筆者作成

上の表を見るとわかるとおり、年金生活初年度の6月と8月の支払金額が大きくなってしまいます。10月、12月、2月は、少し支払金額が減ります。2年目からは住民税の年税額自体減りますから、初年度の6月と8月さえ乗り切れば、後はだんだん楽になるでしょう。

年金から天引きされるお金③社会保険料

65歳以上になると介護保険の第1号被保険者となり、市町村ごとに定められた介護保険料を払う必要があります。公的医療保険については、65歳以上75歳未満の人は主に国民健康保険に加入し、75歳以上の人は全員が後期高齢者医療制度加入となります。

●社会保険料の特別徴収も住民税と同様

介護保険及び公的医療保険(国民健康保険または後期高齢者医療制度)の保険料は、年金から特別徴収されます。住民税と同様、4月、6月、8月は仮徴収、10月、12月、2月は本徴収となります。初年度の仮徴収は普通徴収で支払うことになりますが、普通徴収の支払回数は自治体によって異なります。

特別徴収の対象者も、住民税と同様、その年の4月1日現在で年金受給額が18万円を超える65歳以上の人です。ただし、介護保険料と公的医療保険の保険料の合計額が年金額の2分の1を超える場合、公的医療保険の保険料の特別徴収はされません。

●65歳以上75歳未満で健康保険に加入している人は?

健康保険には75歳になるまで加入できます。会社で勤務を続けている人の場合、国民健康保険に加入せず、会社の健康保険に入る選択肢もあります。また、退職後も任意継続制度や特例退職被保険者制度により、継続して健康保険に加入するケースもあるでしょう。

65歳以上75歳未満で国民健康保険ではない健康保険に加入している場合、健康保険料は給与天引き等で払うので、年金からの社会保険料の天引きは介護保険料のみです。65歳以上75歳未満で家族の健康保険の被扶養者になっている人も同様に、社会保険料としては介護保険料のみが年金から天引きされます。

【加入する社会保険の違い】

筆者作成

年金特別徴収が中止される場合とは?

年金特別徴収をされると、年金の手取りが減ってしまいます。納付書を使って払いたい人もいるかもしれませんが、希望により特別徴収を中止してもらうことは原則的にできません。
一方、本人の意思とは関係なく、年金特別徴収が中止される場合があります。年金特別徴収が中止された場合には、特別徴収される予定だった税額は普通徴収に切り替えて徴収されます。
年金特別徴収が中止されるのは、次のようなケースです。

●特別徴収されている年金の支給が停止された場合

たとえば、年金の現況届を期限までに提出しないと、年金の支払いが停止になることがあります。複数の年金受給権があり、いずれかを選択しなければならない場合にも、選択しない年金の支給が停止されます。このように、年金の支給が停止された場合には、特別徴収も停止します。

●特別徴収の対象となる税額が変更された場合

年度の途中で特別徴収税額が変更になった場合、特別徴収は中止され、普通徴収に切り替わることがあります。

●年金受給額が減った場合

年金の受給調整などで年金受給額が減って、特別徴収額を下回るようになった場合には、特別徴収が中止されます。

●介護保険料が特別徴収されなくなった場合

住民税の特別徴収は、介護保険料が特別徴収されている人を対象に行われることになっています。介護保険料の特別徴収がなくなると、住民税の特別徴収も行われません。

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まとめ

年金からは税金などが差し引きされるため、額面と手取りには差があります。特に、会社を退職して年金生活に入った場合、年金特別徴収の仕組みにより、初年度は住民税の負担が大きく感じます。年金をもらうようになっても税金はかかるということを認識しておき、あらかじめ資金を準備しておきましょう。

森本 由紀 ファイナンシャルプランナー(AFP)・行政書士・離婚カウンセラー

Yurako Office(行政書士ゆらこ事務所)代表。法律事務所でパラリーガルとして経験を積んだ後、2012年に独立。メイン業務の離婚カウンセリングでは、自らの離婚・シングルマザー経験を活かし、離婚してもお金に困らないマインド作りや生活設計のアドバイスに力を入れている。

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