17/10/10
会社で受けるストレスは大丈夫!? 心のストレスセルフチェックをしてみよう
うつ病等の気分障害患者は年々増加
精神疾患により医療機関にかかっている患者数は近年大幅に増加しています。厚生労働省によると、うつ病等の気分障害患者数は100万人を超え、うつ病患者数は平成8年からの12年間で約3.5倍となっています。治療をしながら仕事をしている人がほとんどなのでしょうが、ベッドから出ることさえできない人もいるようです。
実際、友人の子どもは、新卒で勤めた会社でいじめに合ったことが原因で「うつ」を発症し、3年間一歩も家からでることができなかったそうです。そんな深刻な状況に陥らないために、前もって使える制度を調べておきましょう。
まずは、こころの状態チェックから
厚生労働省のホームページに「5分でできる職場のストレスセルフチェック」サイトがあります。
画像:厚生労働省HP 5分でできる職場のストレスチェック
4つのSTEPによる簡単な質問から、「あなたの職場におけるストレスレベルを測定します」というものですが、57問の質問に答えるうち、ストレスレベルを知るだけでなく、自分が置かれている環境や気持ちに改めて気付くという効果もあります。うつなど精神疾患は自分では気付きにくいので、客観的に自分を見ることができるのは利点です。
また、傷病手当金の説明など各種制度や相談窓口への連絡先も掲載されており、問題解決の糸口としても使えるサイトとなっています。
会社で受けるストレスチェック
厚生労働省は2015年12月から、労働者が50人以上いる事業所で毎年1回、ストレスチェック検査を全ての労働者に対して実施することを義務づけました。労働者が自分のストレスの状態を知り、「うつ」などのメンタルヘルス不調を未然に防止することが目的となっています。
なお、契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外となっています。パートや契約社員など非正規社員で働いていると、自分で自分を守っていかねばならないようです。
自営業・非正規雇用は就業不能に備えよう
病気やケガで働けない状態のときに会社員は傷病手当金が支給されますが、国民健康保険加入の自営業者や非正規社員は支給されません。精神疾患は治療が長引きがちなので、収入減少を補うために備えが必要です。
所得補償保険加入も一つの案ですが、精神疾患は支払いの対象外となる場合が多く、団体保険や商工会議所で申し込む休業補償プランも、精神疾患は保障の対象外となっています。
ストレスに打ち勝つために準備が必要ですが、ヤバいときには逃げることも大事。自分や家族の命を守るためにも、何をすることが重要か判断できるようにしておきましょう。
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辻本 由香 おふたりさまの暮らしとお金プランナー
企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。27歳で阪神大震災、43歳で乳がんを発症した経験から、備えることの大切さを伝える活動を始める。現在は奈良で独立系のFP事務所を開業。セミナーを主としながら、子どものいないご夫婦(DINKS・事実婚)やシングルの方の相談業務、執筆も行っている。著書『がんを生きぬくお金と仕事の相談室』(河出書房新社)。
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