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20/12/08

家計・ライフ

ポイントやマイルは相続できないって本当? ポイント投資の資産はどうなるのか

もらってうれしいポイントやマイル。しかし、もしも家族が亡くなったとき、故人が貯めていたポイントやマイルは相続できるのでしょうか? 最近増えてきたポイント運用で故人が貯めた資産についても気になります。そこで今回は、故人が持っていたポイントやマイル、ポイント運用の資産の相続がどうなるのか、解説します。

クレジットカードや通販サイトなどのポイントはどうなる?

故人が持っていたクレジットカードのポイント、あるいは会員になっていた通販サイトなどのポイントが貯まっている場合、そのポイントは相続できるのでしょうか?

その答えは、民法の条文に記されています。

●民法第896条

相続人は、相続開始のときから、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りではない。

この但し書きにある、「一身に専属したもの」が解釈のポイントです。
これは、「一身専属権」にあたります。一身専属権とは、あらゆる権利のうち、例外的に個人のみに帰属する権利のこと。他人による権利行使が認められていない権利なのです。

故人のポイントは一身専属権を持つものとされています。つまり、故人がこれまでに貯めてきたポイントは、相続することができず、死亡時に失効となるのです。ですから、クレジットカードや通販サイト、家電量販店などのポイントは貯め続けるのではなく、ある程度貯まったら使っていくのがよいでしょう。

PayPay証券

航空会社のマイルは相続できる?

クレジットカードなどのポイントは相続できず、亡くなった時点で失効してしまいますが、例外のものがあります。それは、航空会社のマイル(マイレージ)です。

JAL(日本航空)やANA(全日空)のマイルを貯めている人も少なくないのではないでしょうか。航空会社のマイルは航空券に引き替えられたり、旅行代金の一部として利用できたりするので、かなり価値のあるものですよね。これらのマイルはうれしいことに、相続することができるのです。このことは、それぞれの会社が定める規約に記されています。

●JALマイレージバンク一般規約第14条

「会員が死亡した際、法定相続人は所定の手続きにより会員のマイル口座に残る有効なマイルを相続することが可能です。」

●ANAマイレージクラブ会員規約第21条

「会員が死亡した場合、法定相続人は、会員が取得していたマイルを、所要の手続きが完了した時点で有効な範囲で承継することができます。」

JALもANAも、故人が利用可能なマイルを残している場合は、所定の手続きをすれば、法定相続人が利用できます。その手続き方法は、各航空会社に問い合わせましょう。

ポイント運用の相続ってどうなるの?

最近増えている「ポイント運用」。持っているポイントを運用して増やすことができます。もちろん実際の資産運用と同じく、ポイントが減るリスクもあります。けれども、実際のお金を運用しているわけではないので、気軽に取り組めることで注目されています。いわば投資体験といったところでしょうか?
筆者も携帯電話会社のポイントと、大手通販サイトでポイント運用をしているところです。実際の資産運用と同じように値動きがあるので、なかなか楽しめますよ。

この投資体験型のポイント運用とは別に、「ポイント投資」というものがあります。これは、持っているポイントを使って運用商品を購入するというもの。購入するときに支払うのがお金ではなくポイントであるだけで、実際の資産運用と何ら変わりはありません。

こうしたポイントによる運用とポイントで購入する投資。これらは相続できるのでしょうか?実は、前者の「ポイント運用」は相続できませんが、後者の「ポイント投資」は相続が可能です。

ポイントは、最初にご紹介したとおり、一身専属権にあたるものなので相続はできません。しかし、ポイント投資で実際に購入した有価証券などは、相続の対象となる財産になるため、それがポイントを使って購入したものであっても、相続はできるのです。

ポイント自体は相続できませんが、航空会社のマイルやポイントで購入した株や債券、投資信託などは相続できることをぜひ覚えておきましょう。

まとめ

ポイントとマイルの相続にかかわるルールを確認してきました。似ているものでありながら、ポイントは相続できず、マイルは相続できるという違いがあります。とはいえ、どちらもきちんと使い、お得な思いをしたほうがいいかもしれませんね。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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