18/01/31
40代から考える親の相続対策。相続の話を切り出すコツと相続対策
子どもからは切り出しにくい、親からの相続の話。だからといってそのままにしておくと、将来的に相続争いに発展してしまうこともあります。法定相続人が複数人いる場合には、なるべく早い段階で相続について話し合いを行いましょう。
今回は、筆者の経験をもとに、相続の話を上手に切り出すコツや、相続対策について紹介します。
相続の話をスムーズに切り出すコツは、上手な話題作り
親の死後の話をする、しかもお金のことが話題の中心となれば、誰もがどう切り出すべきか迷います。筆者もそんな思いを抱えながら親と相続の話をしたひとりです。
筆者の両親は自営業、しかしきょうだいの誰もが事業を継がないことを決めていたため、両親の所有する複数の不動産の相続について話し合わなければいけませんでした。
家族全員で会議を開くと両親も警戒してしまうのではという懸念から、きょうだいそれぞれが別の日に将来財産をどうするのか両親に尋ねてみました。その結果、具体的な資産額については教えてもらえませんでしたが、両親のどちらかが亡くなったら現金と自宅については、配偶者に残すつもりだという話を聞くことができました。不動産については決めかねてはいるものの、事業を畳む時に手放し現金に換えるつもりということでした。
このとき、まず財産についての話を切り出すための話題を作りました。実際にあった親類の相続争いの話の後、終活について知っているか聞き、その話題の流れから財産をどうするのか尋ねると、遺産の話までスムーズな流れができました。
その他、身内の病気や急死、親自身の健康状態、両親が祖父母からうけた遺産の話などもきっかけづくりに役立ちます。
自然と遺産の話ができる話題を作ること、これが相続の話をスムーズに切り出すコツです。
遺言書はハードルが高いので、エンディングノートから
両親とお金について真剣に話し合ってみて、わかったことがいくつかあります。
いくら実の両親でも、いきなり資産額をたずねたり、無理やりききだそうとしたりしてはいけません。終活の話の流れからエンディングノートや遺言書を準備しているのか聞いてみましょう。
両親の間で話し合いがもたれていなかった場合には、残された配偶者と子どもたちを守るためにも、早めの相続対策が必要であることを説明しましょう。とはいえ、遺言書は名前の響きからハードルが高いのも事実。まずはエンディングノートで考えを整理する方法をすすめてみてください。
エンディングノートについてはこちらのページが参考になります。
よりよく、自分らしく生きるためのノート「エンディングノート」
生前贈与で賢く相続税対策を
現時点で両親の資産が相続税の基礎控除を超えてしまうことが判明したら、生前贈与で相続税対策を進めていきましょう。生前贈与で現金資産を減らすことで、相続時の税負担を軽減することができます。
●相続税の控除額を理解する
相続税の控除額は2013年に引き下げられ、現在は「基礎控除3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」となっています。これを超える資産があると、相続税がかかってしまうことを家族全員で理解しましょう。
●生前贈与の種類と内容について
親から子や孫に対して、まとまった額を非課税でできる生前贈与には以下のものがあります。
非課税でできる生前贈与の種類と内容
最後は、正しい遺言書を作成してもらう
法的に効力のある正しい遺言書を遺してもらうことも大切です。自筆の遺言書では法的に無効になってしまう可能性がありますので、弁護士、司法書士、行政書士のいずれかに依頼しましょう。それぞれにはこのような違いがあります。
●弁護士
遺言書作成に最も長けているのは弁護士です。相続争いが長引くことが予想されるときには弁護士に依頼しましょう。
●司法書士
遺産のほとんどが不動産であるときには司法書士に依頼するのが望ましいでしょう。
●行政書士
相続に懸念材料がないとき、あまり費用をかけたくないときには行政書士に依頼するといいでしょう。
親自身に亡くなった後の家族の姿をイメージさせる
お金の話を切り出すのはたとえ親子でも難しいことですが、相続争いをなくし、将来にわたって仲の良い家族でいるためには必要なことです。相続対策は、親自身が自分の死後を意識することから始まります。
親族で争わずスムーズな遺産相続ができるように、親子で時間をかけてじっくり話し合ってみてください。両親が亡くなった後家族がどうなるのか、エンディングノートを利用して具体的にイメージできるよう導きましょう。
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あんころもっち 金融系フリーライター
高校卒業後、JA共済にて共済係として窓口に勤務。その後結婚と離婚を経験し、資産ゼロからバツイチライフをスタート。現在は再婚し、金融系フリーライターとして不動産投資、保険、住宅ローン、リフォーム関連、仮想通貨について執筆中。
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