23/10/14
外貨預金金利が「0.01%→5.3%」に急上昇、預けて大丈夫？
日本円以外の通貨で銀行預金を行う外貨預金は、金利の高さが魅力です。なかでも三井住友銀行は、米ドル定期預金の金利を大幅に引き上げました。今回は、三井住友銀行の外貨預金金利引き上げのニュースと、外貨預金を検討するときに知っておきたい4つの注意点を紹介します。
三井住友銀行の米ドル定期預金の金利が急上昇
三井住友銀行は2023年9月25日より「パーソナル外貨定期預金（米ドル）」の金利を引き上げました。
●三井住友銀行の外貨定期預金金利（米ドル）
三井住友銀行のニュースリリースより
定期預金の預入期間により金利は異なりますが、3ヵ月もので年0.01％から年3.7％に、6ヵ月・1年ものでは年0.01％から年5.3％にそれぞれ引き上げられています。同社のニュースリリースには「外国通貨分散を通じて、顧客の資産価値の安定化への取り組みを強化するため」とあります。
米ドルの外貨預金は米ドルで行い、利息も米ドルで受け取ります。金利が上昇すると、単純に預けていることでもらえる利息が増えるのですから、嬉しいニュースです。しかも、この利息を円に戻すときには、為替レートが円安になっているほどもらえる利益（為替差益）が増えます。このところ、円安がどんどん進行して1ドル＝150円をつける場面もありました。もしもさらに円安が進んだとしたら、その分為替差益も大きくなります。
外貨預金の4つのデメリット
しかし、外貨預金の金利が上昇しても、注意しなければならない4つのデメリットがあります。
●外貨預金のデメリット1：為替手数料が高い
外貨預金では、預け入れ時と払い戻し時のそれぞれのタイミングで、日本円と外貨を交換する為替手数料がかかります。たとえば三井住友銀行の米ドル定期預金の為替手数料（片道）はネットバンキングで0.5円、通常の銀行で1円です。金額だけ見ると小さく見えますが、ほかの金融商品に比べて運用コストがかかります。
●外貨預金のデメリット2：預金保険制度の対象外
預金保険制度とは、お金を預けている銀行などが破綻した際に1,000万円とその利息まで元本が保証される制度です。しかし外貨預金は、預金保険制度の対象となりません。
●外貨預金のデメリット3：為替変動に対応しにくい
外貨預金は、払い戻しの手続きに時間がかかったり、解約手続きが必要だったりします。そのため、外貨預金は、急激な為替相場の変動があっても思うように動けません。いざというときに売りたいと思ってもすぐに売れないのはデメリットといえるでしょう。
●外貨預金のデメリット4：元本割れのリスクがある
外貨預金は払い戻し時の為替レートが預け入れ時よりも円安だと利益が出ますが、円高だと損失が出ます。たとえ利息がたくさんもらえたとしても、円高になってしまえば外貨を円に戻すときに利益が減ったり、損失を被ったりする可能性があります。
なお、三井住友銀行以外にも、外貨定期預金でもすでに金利を引き上げているところがあります。たとえば、SBI新生銀行は年6％、ソニー銀行では年5％などとなっています（いずれも1年もの・2023年10月9日時点。キャンペーンを除く）。
外貨に興味がある方は積立FXもチェック！4つのメリット
資産運用に外貨の力を生かしたいものの、デメリットも気になる…という方もいるでしょう。その場合は、積立FXを利用するのもひとつの方法です。積立FXは、FX（外国為替証拠金取引）でコツコツと外貨を購入する仕組みです。
外貨預金にはないメリットを4つ紹介します。
●積立FXのメリット1：手数料が安い
積立FXは手数料が0.05円程度と外貨預金に比べて安く設定されています。運用コストが低いと投資効率が高くなるので、手数料の安さは魅力です。
●積立FXのメリット2：信託保全がある
信託保全とは、FX会社が万が一破綻したとしても、その資産が保全され投資家に返還される仕組みです。FXの証拠金は、FX会社の資産とは別で信託銀行で管理されるので、資産が守られます。
●積立FXのメリット3：レバレッジをかけられる
レバレッジとは自己資金よりも多くの資金を運用できる、FXならではの特徴です。本来のFXではレバレッジを25倍までかけられますが、積立FXの場合は最大でも3倍に抑えられています。たとえば自己資金が100万円しかなくても、300万円を運用できるということです。
ただし、レバレッジは運用益が大きい反面、損失も大きくなります。外貨預金同様に利用すると考えて、1倍に留めておくことをおすすめします。
●積立FXのメリット4：外貨の売却が簡単
積立FXでは面倒な手続きをせずに、自分の好きなタイミングで売却が可能です。外貨預金はすぐには売れないので、FXならではのメリットといえるでしょう。
外貨預金のデメリットを楽観視しない
三井住友銀行は、米ドル定期預金の金利を0.01%から5.3%へと大幅にアップしました。一見するとより利益を得られるように感じますが、外貨預金にはデメリットも多く存在します。為替手数料が高い、預金保険制度は対象外、為替相場の急変に対応しにくい、元本割れの可能性があることを覚えておいてください。
もし外貨に興味があるなら、積立FXも検討してみましょう。手数料が安い、信託保全がある、レバレッジをかけられる、簡単に売却できるのでおすすめです。
外貨を賢く活用して、資産運用の幅を広げましょう。
【関連記事もチェック】
・貯蓄ゼロにつながる｢たった1つの悪習慣」
・「定年後お金持ち」維持するために退職金でやってはいけない5つのこと
・お金のない人は見た目でわかる？貧乏を招く6つの共通点
・年金だけで裕福に暮らす6つのアイデア
・貧乏な人が自然としてしまう「貧乏を加速する」4つの習慣
あや FP2級のワーママライター
フルタイムワーママとして、日々仕事・家事・娘の育児に奮闘中。家計のやりくりや資産運用、女性のキャリアなど、自身の悩みや経験を、記事を通して等身大でお届けする。お金の勉強をしたいと思い、2級ファイナンシャル・プランニング技能士資格を取得。趣味はテニスと旅行。
この記事が気に入ったら
いいね！しよう
