23/10/04
新NISA「積立金額1万〜10万円×利回り1%〜10%」10年後いくらになるかシミュレーション【わかりやすい早見表】
2024年から始まる新NISAのつみたて投資枠では、年間120万円まで積立投資ができます。旧NISAのつみたてNISA(年間40万円)の実に3倍ですから、2024年からはもっと投資したいという方もいるでしょう。
新NISAのつみたて投資枠を年間フルに使い切ると、10年後にお金はどのくらい増えるのでしょうか。積立金額(1〜10万円)×利回り(1〜10%)で運用期間10年後、15年後いくらになるのシミュレーションしてみました。すぐわかる早見表もあります。
毎月10万円ずつ投資したら資産はいくらになる?
新NISAのつみたて投資枠では、金融庁の基準を満たした投資信託に少額から長期・積立・分散投資ができます。つみたて投資枠の年間の投資額の上限は120万円ですので、毎月10万円ずつ投資できることになります。
毎月10万円ずつ10年間投資すると、元本の合計は1200万円です。その間の運用利回りが1%~10%だった場合の資産額の合計は、次のとおりです。
●毎月10万円投資したら資産はいくらになる?
(株)Money&You作成
投資しはじめた当初はあまり大きな差がありませんが、投資が進むにつれて徐々に差がついていきます。下のグラフを見ると、運用利回りが1%で61万円増なのに対し、10%なら848万円増となっていることがわかります。
もっとも、月10万円ずつ投資できる人は多くないでしょう。半分の月5万円にした場合は、次のようになります。
●毎月5万円投資したら資産はいくらになる?
(株)Money&You作成
毎月5万円ずつ10年間投資すると、元本の合計は先ほどの半分、600万円です。資産額合計も単純計算でその半分になります。クレジットカードで積立投資ができてポイントも貯められる、ネット証券の「クレカ積立」のサービスは上限額が5万円ですので、参考になるのではないでしょうか。
運用期間10年・15年の「積立金額(1〜10万円)×利回り(1〜10%)」早見表
金融機関のウェブサイトなどには、このような試算ができるシミュレーションが用意されていることもありますが、自分でやるのは少々手間がかかります。また、今回は10万円・5万円という金額での試算を紹介しましたが、3万円や8万円といった金額でシミュレーションしてみたい方もいるでしょう。そこで、運用期間が10年・15年だった場合の資産総額の早見表を用意しました。
●運用期間10年の「積立金額(1〜10万円)×利回り(1〜10%)」早見表
(株)Money&You作成
図の縦の列には毎月の積立金額(1万円から10万円まで)、横の行には運用利回り(1%から10%まで)をとっています。そして、縦と横の交わるところにある金額が「毎月の積立金額◯万円・運用利回り◯%だった場合の資産総額」を表します。
先に紹介した「月10万円・5万円ずつ10年間投資した場合の資産額合計」は、この表の「10万円」「5万円」の行のものです。
●運用期間15年の「積立金額(1〜10万円)×利回り(1〜10%)」早見表
(株)Money&You作成
同様に、運用期間を15年にした場合の資産総額の表です。つみたて投資枠で運用益非課税の投資ができる金額の上限は1800万円です。月10万円ずつ投資した場合、15年(180か月)で1800万円に達します。5年分多く資金を積み立てていますし、複利効果も5年長く得られているからです。
自分のリスク許容度に合わせて投資信託を選ぼう
運用期間10年・15年の早見表を使えば、積立金額が1〜10万円だった場合、毎年の運用利回りが1%〜10%までだった場合の資産総額がすぐにわかります。また、同時に複利効果を生かすには運用利回りを高くすることが大切だということもわかるでしょう。
投資の運用利回りは、投資先のリスク(リターンのブレ幅)によって変わってきます。リスクとリターンにはトレードオフの関係があって、ローリスクならばローリターン、ハイリスクならハイリターンになるという具合です。ローリスク・ハイリターンの商品はありません。
つみたて投資枠で投資する投資信託の場合、何に投資しているか、どの国や地域に投資しているかによってリスクとリターンの度合いが変わってきます。具体的には「債券<不動産<株式」「国内<先進国<新興国」の順番でリスク・リターンが高くなります。
少しでもお金を増やしたいからと、ハイリスクな商品を選んでいいかといえば、そんなことはありません。ハイリスクな商品は、大きく値上がりする可能性もあれば、大きく値下がりする可能性もあるからです。
そこで大切なのが、自分のリスク許容度に合わせて投資信託を選ぶということです。リスク許容度とは、自分がいくらまでだったら損に耐えられるかという度合いです。
リスク許容度が低いのであれば4資産均等型、そこそこのリスク許容度ならば8資産均等型のバランス型の投資信託、さらに積極的にリスクが取れるのならば、全世界株・米国株に投資する投資信託を選ぶという具合です。
新NISAをフル活用して、資産形成を進めましょう。
今回の内容は動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。
【関連記事もチェック】
・全世界株と全米株、どちらに投資するのが正解なのか
・定年後に毎月不労所得を生み出す、新NISA高配当株投資
・「50歳から新NISA」は意味ない?65歳までにいくら増やせるかシミュレーション
・年金だけで裕福に暮らす6つのアイデア
・「お金持ち夫婦」と「貧乏夫婦」を分ける、決定的な5つの違い
頼藤 太希 マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍100冊、累計170万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。X(旧Twitter)→@yorifujitaiki
この記事が気に入ったら
いいね!しよう