16/07/06
貴女らしく、華やかに、軽やかに 不動産投資は「ファッション」だ!
不動産投資を何かにたとえるならば…。その始まりを「旅」や「恋愛」にたとえるコラムをよくみかけます。旅立つまでのプロセス、男女が付き合い始めるまでのプロセスが購入物件を決めるまでのプロセスに似ているといいます。
スタートも肝心ですが、旅立ったその先、付き合い始めたその後の楽しみ方も大切なのは不動産投資も同じです。資産運用から建物管理、入居者・管理会社との付き合い方などすべてのプロセスを踏まえて、筆者がたとえるなら「ファッション」です。
「ハイブランドあり」「プチプラあり」~物件探しはお気に入りの一着を探すように〜
不動産投資の投資物件は、「一戸建て」「マンション」「一棟アパート」「一棟ビル」など選択肢はさまざま。その中でも比較的手間がかからないのがワンルームマンションです。今回は、ワンルームマンションを購入して不動産投資を始めたら…ということでケーススタディしてみましょう。
ワンルームマンションを買うとなったら、新築か中古か、どんなロケーションに建っているか、さらには大手ディベロッパーが建てたブランドマンションか、名もない中小工務店が建てた小規模マンションかで価格や購入後の収益率も変わってきます。
何かに似ている…と思いませんか?
そう、お洋服選びと似ています。「シャネル」や「プラダ」などのハイブランドは高額ですが、着用したときの周囲の受けは良いし、売却時にはリサイクルショップの買取評価も高いです。これをマンションに置き換えれば、ブランド物件は人気があるので入居希望者が絶えず、家賃も高く設定できるし、売却となったら高額が付きます。新築でも中古でもブランドたる優位性は変わりません。
逆に言えば、ブランド物件は築年が古くなっても値下がりしない、リーズナブルではないということであり、購入するためにはまとまった資金が必要になります。
初期費用を抑えたいなら、名もない工務店の、しかも築古のマンション、すなわちプチプライス物件を選ぶことです。ファッションブランドでたとえるならば、「Forever21」「H&M」「UNIQLO」といったところでしょうか。しかし、購入した当初から空室であれば入居者探しに手間が掛かりますし、室内を魅力的にするためお金をかけてリフォームしなければならないかも。しかし、プチプラ物件も悪いところばかりではありません。入居者が決まってしまえば、家賃が安くても、長年住んでもらえればいつの日かブランド物件と同等の利益が得られるようになります。
「あなたは私(オーナー)の忠実なシモベ!」~管理会社探しは有能な執事を探すように〜
理想の物件を入手したら、オーナーに忠実な執事となる管理会社を見極めることも大切です。最初に確認すべきは、依頼する管理会社の考え方。その会社が入居者の味方か、オーナーの味方かということ。
すべての管理会社がオーナーの味方だと思われがちですが、意外とそうではないのです。たとえば、あなたが管理会社のスタッフだとします。ある日、入居者から「エアコンが古いので交換してほしい」と言われたのでその旨オーナーに伝えたら、「まだ使えるなら交換しない」と突っぱねられました。あなたはこのオーナーの回答を入居者にどう伝えますか?
忠実な執事ならば、「今後不具合が出ましたらご連絡ください。すぐに修理業者を手配いたします。それでも不具合が改善されないようでしたら、オーナーに改めて新品交換の提案をさせていただきます。」
いかがでしょうか? 素晴らしい対応ですよね。
管理会社のスタッフは業務上、オーナーより入居者と顔を合わせることが多いです。面識のある人には愛想よく、あまり会わない人には気を使わなかったりします。以下はダメな執事の場合。
「交換してくれないそうですよ。オーナーったらケチですねー」。
これは最悪ですよね(笑)
他愛ない言葉がきっかけで、入居者のオーナーに対する不信感が膨らみます。最終的には契約解除、再びの入居者募集に結びついていきます。
自分のお客様が誰なのかしっかり認識できていれば、こんな発言は出てきません。実績のある会社ならば入社時からこの考え方を叩き込みます。
「あなたは私(オーナー)のシモベです!」。
そういう当たり前のことをちゃんと理解し実行している管理会社に依頼したいものです。
「お気に入りの一着をより魅力的に」~華やかに、着飾るように楽しむリフォーム〜
室内を美しく飾るリフォームも、不動産経営には大切な要素となります。それはプチプライス物件であればなおさら。最近はオーナーが自ら施工するDIY(Do It Yourself)も注目されています。
駅から遠く、ブランド力もないプチプラ物件は安く手に入ります。しかし空室で購入した場合は入居者募集をしなければなりません。交通利便性が悪く、古く、名もないマンションに住んでもらうためには何かしらの工夫が必要です。重要なのはやはり見た目、すなわちインテリア。一般的な、可も不可もない白い壁とブラウンの床ではダメです。ここは思い切って個性的な空間を創り出しちゃいましょう!
最近は「カルフォルニアスタイル」や「ブルックリンスタイル」が流行中。とくにカルフォルニアスタイルのインテリアは廃材を利用したヴィンテージテイストが魅力です。そもそも廃材利用なので、比較的安価で材料が揃います。床材となる建築現場の足場板や間伐材はネット通販などで購入できてグレードもさまざま、予算に合わせて選べます。壁材は貼って剥がせるタイプのものがおすすめ。失敗したら何度も直せるし、模様替えも簡単です。このほか、素人でも簡単に施工できる建材がたくさん市販されていますのでぜひ挑戦してみてください。
また躯体(建物を支える構造体)の壁以外なら、壁を壊して複数の部屋を繋げることもできます(管理組合への申請が必要)。リフォームビギナーにはちょっと難しいかもしれませんが、古いマンションならではの、思い切ったDIYを楽しんでみましょう。
不動産投資は、物件購入よりその後の管理や運営が重要です。
必要以上に初期投資をせずに身の丈に合った物件を購入し、優秀な管理会社を選び、必要に応じて資産のブラッシュアップを行うこと。
ファッションを楽しむように、不動産投資も華やかに、軽やかに楽しみましょう。
【関連記事もチェック】
・女性のライフプランに「不動産投資」という選択肢を組み入れよう!
・女性のためのはじめての不動産投資
・シングル女性が不動産購入をした方がよい2つの理由
・新築以上に価値アリ!? 築25年以上の築古マンションを賢く購入する方法
・不動産投資の最大のリスク「空室リスク」に備えるには?
入江 敦子 ブリングエステート代表
住宅情報誌「suumo」の元レポーター。取材で訪れた不動産物件は数知れず。得意分野は区分所有不動産(マンション)。長年の執筆活動で培った知識を活かし、2014年よりブリングエステートを設立し、不動産業者として独立。ライターとしても活躍中。一児の母。7歳から始める不動産投資企画「子ども大家さん」を立ち上げ、母娘で物件模索中。宅地建物取引士、2級FP技能士。
この記事が気に入ったら
いいね!しよう