17/05/24
不動産投資の最大のリスク「空室リスク」に備えるには?
最近、働く女性から不動産投資に関するご相談が増えています。とはいえ、興味があるから相談に来たけど、リスクを考えるとなかなか1歩を踏み出すことができないという女性が少なくありません。
不動産投資における最大のリスクは「借金を返せなくなるリスク」です。確かに空室になり、家賃収入が入らなかった場合、当面の資金繰りが大変になるのはもちろん、場合によっては、物件を売却しなくてはならなくなるかもしれませんね。
そこで、今回は不動産投資の最大のリスク「空室リスク」についてお話しします。
家賃収入が途絶える、空室リスクにご用心!
不動産投資において、一番のリスクといえば、家賃収入が入らなくなる「空室リスク」です。
万が一、空室になり、家賃収入が入ってこなくても、修繕・積立金などの管理費用や固定資産税などの税金を支払う必要がありますし、通常はローンを組んで物件を購入しているのでローンの返済もしなくてはなりません。
ですから、空室となり賃貸収入が入ってこないと、単に収入が入ってこないだけではなく、諸々の支払いを考えると、毎月のキャッシュフローがマイナスになってしまうのです。
私のところにご相談にきたお客様の中に、8ヶ月程度空室になってしまった方がいましたが、空室の間、自宅の住宅ローンの返済をしつつ、投資物件のローンの返済もしていたので家計の収支が急激に悪化!幸いそれなりに貯蓄があった方なのでなんとか持ちこたえられたのですが、1年、2年と空室が続いたら…、家計へのダメージは相当大きなものになっていたことでしょう。
空室リスクを軽減するにはどうする?
では、空室リスクを軽減するにはどうしたらよいでしょうか?
まず、当たり前のことですが、将来にわたって賃貸需要が旺盛なエリアの物件に投資することです。賃貸の需要は人口に比例するので、日本で人口が最も多く、今後も人口の減少率がかなり低い東京23区が候補になるでしょう。
ただし、賃貸需要が旺盛な人気エリアに投資すればそれで良いのかというと、世の中そう甘いものではありません。
例えば、私の知り合いで、人気エリアの恵比寿駅から徒歩10分以内のワンルーム物件に投資した方がいますが、6ヶ月入居者が見つからずに苦労していました。というのも、恵比寿は競合物件がたくさんあるので、家賃設定を間違えてしまうと、このケースのように入居者がなかなか見つからないという場合もあるのです。ですから、実際に投資したいエリアの家賃相場をきちんと調べることも大切です。
また、具体的に投資したい物件(区分マンション)が明確な場合には、手間がかかりますが、実際に現地に行って調査してみるのもよいでしょう。空室かどうかは、電気メーターが止まっている、郵便受けがガムテープでふさいである、などの状況からある程度は推測できます。このような観察から入居の有無を推測し、全体でどれくらいの空室があるのか予測します。あまりにも空室が目立つようであれば、不動産業者などに原因を確認してみましょう。
空室リスクを減らすには管理会社選びが重要
会社員の場合、空室になった場合の入居者募集などは、管理会社にお任せするケースがほとんどだと思います。実は、空室リスクを軽減できるかどうかは管理会社選びにかかっています。というのも、管理会社によって、空室になったときの賃貸付けの実力は大きく違うからです。万が一、空室になった時に管理会社によっては、1ヶ月もかからずに次の入居者を決めてくれるところもあれば、2ヶ月、3ヶ月、半年経ってもまだ次の入居者が決まらない場合もあるようです。
では、管理会社を選ぶ際、どこを重視して選ぶとよいのでしょうか?
最も重要なのは「管理実績」です。具体的にはその会社の管理戸数と入居率です。管理戸数が多いということは、それだけその会社の管理業務が評価されているといえますし、管理戸数が多い方が、エアコンや他の物品なども安く仕入れることができるので、結果的にエアコンの工事などが発生した場合には、オーナーの負担は軽くすみます。2000戸〜3000戸以上の管理実績があるとよいでしょう。
入居率は高ければ高い方がよいですが、都内の物件であれば95%以上は確保されているとよいでしょう。管理実績は不動産会社のHPや資料に記載されています。記載されていない場合には担当者に確認してみましょう。
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高山 一恵 ファイナンシャルプランナー
(株)Money&You取締役。一般社団法人不動産投資コンサルティング協会理事。慶應義塾大学卒業。2005年に女性向けFPオフィス、(株)エフピーウーマンを設立。10年間取締役を務めたのち、現職へ。女性向けWebメディア『FP Cafe』『Mocha(モカ)』や登録者1万9000人超のYouTubeチャンネル『Money&YouTV』を運営すると同時に、全国で講演活動、執筆活動、相談業務を行ない、女性の人生に不可欠なお金の知識を伝えている。明るく親しみやすい性格を活かした解説や講演には定評がある。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『マンガと図解 定年前後のお金の教科書』(宝島社)、『11歳から親子で考えるお金の教科書』(日経BP)など書籍100冊、累計170万部超。ファイナンシャルプランナー(CFP®)。1級FP技能士。X(旧Twitter)→@takayamakazue
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