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26/03/22

相続・税金・年金

国民年金でやってはいけない10のこと

国民年金でやってはいけない10のこと

日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満のすべての人は、国民年金に加入し、 保険料を納めることが義務になっています。国民年金は老後の生活を支えるだけの年金ではありません。病気やケガで障害を負ったときにもらえる障害年金や、万が一亡くなったときに残された家族の生活を支える遺族年金にも関わってくるものです。

しかし、なかには国民年金に加入しなかったり、必要な手続きを怠ったりする人もいます。国民年金の未納期間があると、最悪の場合、老齢年金だけでなく、障害年金や遺族年金といった、いざというときの保障までも受け取れなくなってしまいます。だからこそ、国民年金は必ず納付し、経済的な理由で納付できないときは免除や猶予の手続きをすることが重要です。

今回は、国民年金の決してやってはいけない10のことをご紹介します。もし紹介する内容のなかにやっていることがあったら、すぐ対策しましょう。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(1):20歳のとき、国民年金の加入手続きをしない

20歳になった人には、日本年金機構から「国民年金加入のお知らせ」の封筒が届きます。この中には、「国民年金の加入と保険料のご案内」「国民年金保険料納付案内書」「国民年金保険料納付書」「保険料の免除・納付猶予制度と学生納付特例制度の申請書」「返信用封筒」が同封されています。

このお知らせが届いたら、同封されている納付書を使って保険料を納めます。このとき、学生で納付が難しいときは、「学生納付特例制度」の手続きをして同封の申請書を返送しましょう。また、学生でないが納付が困難な場合は、「保険料の免除・納付猶予制度」の申請書を返送します。

●学生納付特例制度とは

学生納付特例制度とは、大学生、大学院生、専門学校生など、学生で十分な収入がなく国民年金保険料の納付が厳しい場合、保険料の納付が猶予される制度です。
本人の所得が「128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等(2026年度の場合)」であれば利用できます。

申請には、「国民年金加入のお知らせ」に同封されている申請書を返送しますが、マイナンバーカードを持っている人は電子申請もできます。行政手続きのオンライン窓口となる「マイナポータル」の利用者登録をすれば、スマートフォンから24時間いつでも簡単に電子申請で手続きができるので便利です。

何の手続きもせず、国民年金保険料を支払わないでいると、将来老齢年金を受け取れなくなるばかりか、病気やケガで障害が残ったときに受け取れる障害年金、あるいは万が一死亡したときに残された家族が受け取れる遺族年金を受給できなくなってしまいます。生活を支える大事な国民年金です。20歳になったら保険料を納め、納付が難しいときは、必要な手続きを行いましょう。

なお、子どもが学生で収入がなく国民年金保険料を払えないときは、子どもに代わり親が納めることもできます。生計を一にする家族分の保険料は、親や配偶者など本人以外が納付することも可能です。たとえば親が代わりに子どもの国民年金保険料を納付した場合、その年の1月1日から12月31日までに納めた国民年金保険料の全額は社会保険料控除の対象になります。その場合、親は年末調整や確定申告で社会保険料控除の手続きをすれば、所得税や住民税を軽減できます。

子どもの国民年金保険料を親が支払うときは、送られてきた納付書を使って現金で納付しますが、年金事務所で手続きして口座振替やクレジットカード払いにすることも可能です。くれぐれも払い忘れがないよう管理して、年末調整や確定申告では忘れず社会保険料控除の手続きをしましょう。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(2):国民年金保険料を払えないのに免除の手続きをしない

国民年金保険料を支払いたくても、経済的に困窮して納付できない場合もあるでしょう。そんな場合にそなえて、国民年金には「免除制度」があります。

●国民年金保険料の免除制度とは

国民年金保険料の免除制度とは、所得が一定額以下になった場合、申請して承認されると、保険料が免除となる制度です。全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除の4種類があり、所得の状況に応じて免除割合が決まります。免除制度を利用した期間は老齢基礎年金の受給資格期間に含まれ、受け取れる年金額は免除割合によって減額されます。ただし、10年以内であれば追納できるので、年金額を増やすことも可能です。

●国民年金保険料の免除制度を利用するメリット

国民年金保険料の免除制度には3つのメリットがあります。

(1)国民年金保険料の免除を受けても一定割合の年金をもらえる
国民年金保険料の免除制度を利用すると年金額は減額されますが、一定割合の年金をもらえます。もらえる年金の割合は以下の通りです。

・全額免除:保険料を全納した場合にもらえる年金額の2分の1
・4分の3免除:保険料を全納した場合にもらえる年金額の8分の5
・半額免除:保険料を全納した場合にもらえる年金額の8分の6
・4分の1免除:保険料を全納した場合にもらえる年金額の8分の7

上記のように国民年金保険料の免除制度は年金額に反映されるので、保険料を払えないときは申請をおすすめします。ただし4分の3免除、半額免除、4分の1免除の場合、減額された保険料を納める必要があるので注意しましょう。

(2)国民年金保険料の免除期間は老齢基礎年金の受給資格期間に含まれる
老齢基礎年金をもらうには、10年以上の受給資格期間が必要です。通常、保険料の未納期間は受給資格期間に含まれないので、場合によっては老齢基礎年金をもらえなくなるかもしれません。その点、国民年金保険料の免除制度を利用すれば年金額は減額されますが、免除期間は受給資格期間に含まれるため、納付済期間とあわせて10年以上になれば老齢基礎年金をもらうことができます。

(3)障害年金や遺族年金をもらえる
国民年金保険料の免除制度を利用すれば、病気やケガで障害を負ったときには障害年金を、亡くなったときは残された家族が遺族年金をもらえます。障害年金も遺族年金も生活を支える大事な年金です。保険料を払わないと障害年金や遺族年金をもらえなくなるので、保険料を払えないときは免除制度を利用しましょう。

●その他の免除制度

免除制度には、失業や産前産後など特定の理由があるときに利用できるものがあります。

・失業等による特例免除
失業や廃業などで国民年金保険料が払えなくなった場合、手続きをすれば保険料の免除・納付猶予が受けられます。手続きは役所の国民年金担当窓口へ必要書類を提出または郵送しますが、マイナポータルからの電子申請も可能です。

・配偶者からDVを受けている場合の特例免除
DVを受けていて配偶者と住居が異なる場合、本人の所得が一定以下であれば配偶者の所得に関わらず国民年金保険料の納付が免除されます。手続きは最寄りの年金事務所で行います。

・産前産後期間の国民年金保険料免除制度
国民年金の第1号被保険者は、出産予定日または出産日の前月から4か月間、国民年金保険料の納付が免除されます。多胎妊娠の場合は対象期間が長くなり、出産予定日の3か月前から6か月間が免除期間となります。産前産後期間の免除制度では、免除となる期間の保険料は納付したものとみなされるため、老齢基礎年金は減額されません。申請は、役所の国民年金担当窓口で行います。

・被災した場合の免除
災害により住居や家財、その他の財産の2分の1以上に損害を受けた場合、国民年金保険料の納付が免除されます。申請には必要書類を役所または年金事務所へ提出します。

●国民年金保険料の免除制度の申請について

国民年金保険料の免除制度を申請できる期間は、保険料の納付期限から2年以内です。申請時点からさかのぼって2年1か月前までの保険料に対し申請することができます。

国民年金保険料の免除制度の申請方法は、「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を住所地の役所の国民年金担当窓口、もしくは年金事務所へ提出します。郵送での申請も可能です。

また、マイナンバーカードを持っている人は、マイナポータルから電子申請で国民年金 保険料の免除制度の手続きができます。お使いのスマートフォンにマイナポータルのアプリを入れれば、パソコンがなくても手軽に手続きできるので利用してみてはいかがでしょうか。

国民年金保険料の免除制度を利用すれば、減額になるとはいえ将来もらえる年金を確保できます。ただ、国民年金には追納制度があり、10年以内であれば後から保険料を納めることも可能です。追納をすれば老齢基礎年金を満額に近づけることができるので、免除制度を利用したときは追納することをおすすめします。

ただ注意したいのは、国民年金保険料の免除の手続きは毎年行う必要がある点です。一度手続きをすれば、その後も継続して猶予を受けられるわけではありません。一度に申請できるのは7月から翌年6月までの12か月間のみで、引き続き免除を受けたいときは年度ごとに申請が必要です。たとえば1月から6月の間に免除の申請をした場合、対象となるのはその年の6月までで、7月以降は改めて申請する必要があります。

このように免除制度は原則として毎年度申請する必要がありますが、全額免除の承認を受けている場合に限り、翌年度以降も全額免除を希望すれば継続審査の対象になります。この場合、年度が変われば自動的に全額免除の審査が行われるため、改めて申請をする必要はありません。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(3):国民年金保険料を払えないのに納付猶予の手続きをしない

どうしても国民年金保険料が払えないときは「納付猶予制度」を利用するのも1つの方法です。ただし、免除制度との違いを知っておく必要があります。

●国民年金保険料の納付猶予制度とは

国民年金保険料の納付猶予制度とは、生活が困窮して保険料を払えなくなった場合、申請して承認されれば保険料の納付が猶予される制度です。これは20歳以上50歳未満の人で、本人・配偶者の前年所得が「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」以下の場合に利用できます。ただし、1月から6月の間に申請するときは前々年所得で判定されます。

●納付猶予制度と免除制度の違い

国民年金保険料の免除制度も納付猶予制度も、免除期間と猶予期間は老齢基礎年金の受給資格期間に含まれます。しかし、納付猶予制度は年金額に反映されない点が免除制度と異なります。全額免除では保険料を全納した場合にもらえる年金額の2分の1にはなりますが、年金を確保できます。しかし、納付猶予制度では猶予された期間に対する年金額は減額されてしまいます。

また所得基準にも違いがあります。納付猶予制度の所得基準は「(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円」で、免除制度の全額免除の所得基準と同じです。ただ、免除制度では本人と配偶者に加え、世帯主の所得も審査の対象となるため、ある程度収入のある親と同居していると、免除制度を利用できない場合があります。その点、納付猶予制度は所得基準で問われるのは本人と配偶者の所得だけです。免除制度は年金額に反映される利点はありますが、所得基準を考慮すると、納付猶予制度の方が承認されやすいかもしれません。

納付猶予制度を利用しても、10年以内に保険料を追納すれば年金を確保できます。老齢基礎年金を満額に近づけることができるので、可能な限り追納することをおすすめします。

また、納付猶予も申請期間は7月から翌年6月までの12か月間で、原則として年度が変われば改めて申請する必要があります。
ただし、納付猶予の承認を受けている場合、翌年度以降も納付猶予を希望すれば継続審査の対象となり、申請の手続きをしなくても自動的に審査されます。

●学生納付特例制度も納付猶予制度の1つ

学生で保険料を払えないときに利用できる学生納付特例制度ですが、これも納付猶予制度の1つです。制度の利用期間は保険料の納付が猶予されます。学生納付特例制度の場合も、猶予期間は老齢基礎年金の受給資格期間に含まれます。しかし、猶予期間に対する年金額は減額されるので、就職して経済的に余裕ができたときは10年以内に追納しましょう。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(4):学生納付特例制度や免除・納付猶予制度を利用した期間の保険料を追納しない

国民年金保険料を納めるのが難しく、学生納付特例制度や納付猶予制度を利用する人もいるでしょう。その場合、頭に入れておきたいことがあります。

それは、制度を利用した期間分の保険料を追納しないと、将来受け取れる老齢基礎年金が減額となってしまう点です。学生納付特例制度や納付猶予制度を利用した場合、老齢基礎年金の受給資格期間(10年以上)には含まれます。けれども、年金額には反映されません。制度を利用した期間に相当する年金が減額されるのです。

また、免除制度を受けた場合、全額免除と一部免除のどちらの場合でも免除を受けた割合に応じた年金額が反映されます。しかし、もらえる年金は保険料を全額納めた場合の年金額からは減額となっています。

国民年金保険料は、学生納付特例制度や免除・納付猶予制度を利用した場合は10年以内であれば追納できるため、就職するなどして収入を得られるようになったら、追納することをおすすめします。

●国民年金保険料の追納制度とは

国民年金保険料の免除・納付猶予制度、学生納付特例制度を受けた場合、将来もらえる老齢基礎年金額が減額となりますが、10年以内であれば保険料を追納することができます。追納すれば、老齢基礎年金額を増やすことができます。さらに追納した保険料は社会保険料控除の対象となり、所得税や住民税を減額することもできるのです。経済的に余裕ができたときは、追納することをおすすめします。

ただ、2年前までの保険料は当時の金額のままですが、3年以上前の保険料は加算額が上乗せされます。もし追納するのであれば、できるだけ早めに行った方がよいでしょう。
もし追納しなければ、65歳になってから満額の老齢基礎年金が受け取れなくなるかもしれないことを頭に入れておきましょう。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(5):ねんきん定期便を見ない

毎年誕生月になると、日本年金機構から「ねんきん定期便」が郵送で届きます。また、ネットでの確認でよい人は「ねんきんネット」で郵送停止の登録ができ、ネット上でねんきん定期便を確認することもできます。また、スマートフォン版「ねんきんネット」を利用すれば、いつでも好きなときに確認できて便利です。

ねんきん定期便には、年金の加入状況やこれまでの年金加入期間に加え、50歳未満の場合は加入実績に応じた年金額、50歳以上の場合は老齢年金の見込額が記載されています。

ねんきん定期便を確認することは、とても大事なことです。なぜなら、記載内容に間違いや漏れがあった場合、それを放置していると、もらえるはずの年金がもらえなくなるかもしれないからです。また、年金の見込額を知ることは、将来の生活設計をするのにとても役立ちます。年金見込額を確認して生活費が足りないようなら、早めに貯蓄を増やすための施策を考えて実行することができるからです。

ねんきん定期便は通常ハガキで届きますが、35歳、45歳、59歳は封書で届き、ハガキよりも詳細な内容が掲載されています。
35歳、45歳で受け取るねんきん定期便には、保険料納付額、年金加入期間、これまでの加入実績に応じた年金額、これまでの年金加入履歴、月別状況(全期間)が記載されているので、全部に目を通し間違いがないか確認しましょう。
59歳のねんきん定期便には老齢年金の種類と見込額が記載されているので、日常生活費と貯蓄状況と照らし合わせて、ライフプランを立てておくことをおすすめします。

ねんきん定期便で最低限チェックしておきたいポイントは以下の2つです。
(1)加入期間や未納・免除・猶予の期間が正しく反映されているか
(2)年金見込額が生活費に対して十分かどうか

年金の加入記録は、将来もらう年金額に関わるものなのでとても重要です。年金の月別状況、加入期間をチェックしましょう。転職を経験している人は年金記録に漏れがないかチェックし、退職したことのある人は年金の切り替えで空白期間ができていないか確認しましょう。もし誤りがあるときは年金事務所に相談してください。

また、年金額の確認も将来の生活に関わる重要なポイントです。50歳未満は加入実績に応じた年金額、50歳以上は年金見込額が記載されています。特に50歳以上の人は見込額と生活費を比べ不足がないか、もし生活費が不足するならどれくらいの補填が必要なのか確認しましょう。
もし生活費が不足する場合、iDeCoや付加年金の利用を検討してもよいかもしれません。

iDeCoは老後の生活費を補てんするための私的年金制度です。掛金が全額所得控除になり、運用益は非課税で、老齢給付金の受け取り時にも税制優遇を受けられます。iDeCoは国民年金の任意加入者や厚生年金の加入者は65歳未満まで掛金の積立が可能ですが、2026年12月には老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金を受け取っていなければ70歳未満まで加入できるようになります。掛金は月5000円から1000円単位で設定できるので、老齢年金の補填方法として検討してみてもよいでしょう。

付加年金は、自営業者やフリーランスが利用できる制度です。国民年金保険料に月400円の付加保険料を上乗せして納めることで、老齢基礎年金に「200円×付加保険料を納めた月数」が上乗せになります。付加年金を2年以上受け取れば付加保険料の元を取れます。付加年金はiDeCoの掛金拠出額の範囲内で併用できますが、国民年金基金とは併用できないので注意が必要です。

ねんきん定期便は、将来受け取る老齢年金に漏れや間違いがないかを確認するため、そして、将来のための貯蓄計画を立てるために欠かせないものです。ハガキのねんきん定期便が手元に届いたとき、あるいはねんきんネットにアクセスして、必ず記載内容を確認しましょう。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(6):会社を退職したのに国民年金への切り替えをしない

会社員は国民年金の第2号被保険者ですが、60歳未満で会社を退職し、その翌日からしばらくは再就職しない、あるいは、自営業者やフリーランスになる場合は、第1号被保険者への切り替えが必要です。また、退職後に配偶者の扶養に入るときも第3号被保険者への切り替えをしなければなりません。切り替え手続きは、退職日の翌日から14日以内に、市区町村の国民年金担当窓口にて行います。その際は、年金手帳または基礎年金番号通知書を持参しましょう。第3号被保険者への切り替え手続きは、配偶者の勤務先を通して行います。

また、第2号被保険者に扶養されていた配偶者も、第3号被保険者から第1号被保険者への切り替え手続きを忘れてはいけません。第2号被保険者が退職して第1号被保険者になると、扶養されている配偶者も同じく第1号被保険者になるのです。このとき手続きを忘れると年金記録に空白期間ができて老齢基礎年金が減ることになるので注意しましょう。ただ、配偶者が再就職した場合は、再び第3号被保険者となります。この場合は、配偶者の勤務先を通して手続きを行います。

退職後の切り替え手続きを忘れると、年金記録に空白期間ができてしまいます。空白期間に該当する分、将来受け取る老齢基礎年金が減額されるので注意が必要です。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(7):そもそも国民年金保険料を支払わない

厚生労働省の調べによると、2024年度における国民年金保険料の現年度納付率は78.6%でした。国民年金保険料を自分で支払う必要のある第1号被保険者のうち、約72万人は未納になっています。

国民年金保険料を支払わない理由はさまざまです。多くは経済的に支払いが困難という理由ですが、中には、「将来年金がもらないかもしれないから、払っても意味がない」「個人年金保険に加入しているから」「十分に貯蓄しているから」といった理由から未納になっている人も少なからずいるようです。

しかし、注意したいのは、国民年金は老齢年金をもらうために加入しているわけではないということ。老齢年金だけでなく、病気やケガをして身体に障害が残った場合には障害年金、自分に万が一のことがあった場合には残った家族の生活を支えてくれる遺族年金を受け取ることもできるのです。

●障害年金の納付要件

病気やケガで障害を負ったとき、障害年金をもらうことができます。このとき、受給要件のほか、国民年金保険料の納付要件を満たす必要があります。
障害年金の納付要件は以下の通りです。

・初診日の2か月前までの被保険者期間に、保険料の納付済期間と保険料免除期間と合わせて3分の2以上あること。
・初診日が2036年(令和18年)3月31日までの場合、特例として初診日の2か月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと。

●遺族年金の納付要件

遺族年金にも受給要件の他に納付要件があります。

・死亡日の前々月までの被保険者期間に、国民年金保険料の納付済期間と保険料免除期間を合わせて3分の2以上あること。
・死亡日が2036年(令和18年)3月31日までの場合、特例として初診日の2か月前までの直近1年間に保険料の未納期間がないこと。

国民年金保険料の未納期間がある場合、障害年金と遺族年金がもらえなくなることがあるので注意が必要です。

国民年金の加入は国民の義務です。それなのに、保険料を未納のままにしていると、老齢年金や障害年金、遺族年金が受け取れなくなるばかりか、滞納が続けば財産を差し押さえられてしまうかもしれません。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(8):たびたび納付催告の通知を受けているのにもかかわらず、保険料を滞納し続ける

国民年金の第1号被保険者には国民年金保険料を払い込む義務があります。しかし、納期限を過ぎても払わずにいると、日本年金機構から「国民年金未納保険料納付勧奨通知書(催告状)」というハガキが届きます。
それでも未納のままにしていると、次に「特別催告状」が届きます。
特別催告状を無視すると、次に「最終催告状」が届きます。
最終催告状には納付期限が記載されており、それでもなお滞納を続けていると「督促状」が届きます。督促状には指定期限が記載されており、指定期限を過ぎると延滞金が課せられるようになります。

ここで滞納している保険料を払い込めばまだいいのですが、さらに無視すると、次に「差押予告通知書」が届きます。その後、財産調査が行われ、財産の差押えが実施されます。
対象となる財産は、給与の一定額、預貯金、有価証券、不動産、自動車などの動産などです。

国民年金の加入と保険料の納付は国民の義務です。自営業者やフリーランスなど第1号被保険者は納期限までに保険料を納付しなければなりません。その義務を怠り、保険料を滞納し続け、度重なる催告や督促を無視していると、最終的には財産が差し押さえられてしまうのです。保険料は未納のまま放置しないようにしましょう。また、経済的理由などで納付できない場合は免除や納付猶予などの制度が設けられています。納付できないときは必ず手続きをしましょう。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(9):繰り下げ受給をしたいのに65歳で年金請求手続きをしてしまう

もらえる年金を少しでも増やすため、繰り下げ受給を希望する人もいるでしょう。年金を受給するには請求手続きが必要ですが、自分の希望する時期に請求手続きをすればよいことになっています。年金の受給開始年齢は65歳なので、65歳から受け取りたい人は、65歳になったら年金の請求手続きをします。また、繰り下げ受給をしたい人は、66歳から75歳までの間で自分の希望する時期が来たときに年金の請求手続きをします。

●年金の請求手続きの流れ

年金の請求手続きは、次のような流れで行います。

(1)老齢年金の受給権が発生する65歳になる誕生日の3か月前に日本年金機構から年金請求書と年金請求手続きのリーフレットが届きます。

2)年金請求書に必要事項を記入し、戸籍抄本や住民票など生年月日を明らかにできる書類や年金を受け取る金融機関の通帳などのコピーを添付して、最寄りの年金事務所または年金相談センターへ提出します。厚生年金保険に加入したことがない人(第1号被保険者)は住所地の役所へ提出しましょう。ただし、年金請求書を提出できるのは65歳の誕生日以降です。

(3)年金請求書を提出してから1~2か月程度で「年金証書」「年金決定通知書」と年金受給に関するパンフレットが届きます。

(4)年金証書が届いてから1~2か月後から年金の受給が始まります。

●年金請求書を提出するタイミング

年金の受給手続きに必要な年金請求書は日本年金機構から届きますが、送られてくるタイミングは65歳の誕生日になる3か月前です。65歳からもらいたい人も、繰り下げ受給をしたい人も、年金請求書が届くタイミングは同じです。65歳から年金をもらいたい人は、65歳の誕生日になったら年金請求書を年金事務所へ提出します。そして繰り下げ受給をする人は、自分の希望するタイミングで年金請求書を提出します。つまり、繰り下げ受給を希望する場合は、65歳の時点で手続きをする必要がないのです。
それにもかかわらず、間違えて65歳の時点で年金請求書を提出してしまうと、年金は65歳から受給を希望するものとみなされ、繰り下げ受給ができなくなってしまいます。
繰り下げ受給を希望する場合は、66歳から75歳までの間で自分の希望するタイミングで年金請求書を提出しましょう。

また、2023年4月からは制度改正により「特例的な繰り下げみなし増額制度」が始まりました。この制度では、70歳に到達以後、繰り下げ受給を選択せずに65歳にさかのぼって年金を受給する場合、年金請求の5年前の時点で繰り下げ受給の申し出があったものとみなされ、増額した年金を一括で受け取れます。この制度を利用すればまとまった年金を一括で受け取れて、その後に受給する年金も増額されるメリットを得られます。たとえば、繰り下げ受給の待機中にまとまったお金が必要になるなど、家計状況に変化があったときに特例的な繰り下げみなし増額制度を活用するとよいでしょう。

国民年金の「決してやってはいけない」こと(10):繰り下げ受給したいからと、特別支給の老齢厚生年金の手続きをしない

繰り下げ受給を希望する人のなかには、特別支給の老齢厚生年金の対象になっている人もいるかもしれません。特別支給の老齢厚生年金は限られた人しかもらえない年金です。対象者には日本年金機構から年金請求書が届くので、自分の受給開始年齢(60歳~64歳。受給開始年齢は生年月日により異なります。)になったら年金請求書を提出します。ただし、特別支給の老齢厚生年金は繰り下げ受給ができません。そのため、自分の受給開始年齢になったときに手続きをしないともらえなくなってしまいます。

●特別支給の老齢厚生年金とは

「特別支給の老齢厚生年金」は60歳から64歳で受け取れる年金制度です。昭和60年の法改正で老齢年金の受給開始年齢が60歳から65歳に引き上げられたことで、その経過措置として設けられました。よって、これは65歳からもらえる老齢年金とは別物と考えてよいでしょう。

また、受給対象者は以下の要件を満たしている人です。
・男性は昭和36年4月1日より前に生まれている
・女性は昭和41年4月1日より前に生まれている
・老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上ある
・厚生年金保険に1年以上加入していたことがある

特別支給の老齢厚生年金の対象者には、受給開始年齢の3か月前に日本年金機構から年金請求書が届きます。受給開始年齢の誕生日になったら、年金請求書に必要事項を記入し、添付書類とともに年金事務所または年金相談センターへ提出します。
特別支給の老齢厚生年金は繰り下げ受給ができないので、対象者は受給開始年齢になったら速やかに手続きを済ませましょう。

また、特別支給の老齢厚生年金の対象者は、65歳からの年金をもらうには再度手続きが必要になります。65歳になる誕生月になったときに日本年金機構から年金請求書が届きます。65歳から受け取れる年金は繰り下げ受給ができるので、自分の希望する時期になったときに年金請求書を提出しましょう。

年金の必要な手続き・納付を忘れずに

今回は、国民年金に関して決してやってはいけない10のことをご紹介しました。国民年金に加入し保険料を納付すること、必要なときは切り替えの手続きをすること、保険料の納付が厳しいときは放置せず免除や納付猶予の手続きをすること、毎年送られてくるねんきん定期便は必ず確認することを忘れないようにしましょう。マイナンバーカードを持っている人は行政手続きができるサイト「マイナポータル」から24時間いつでも手軽に免除や納付猶予の手続きができます。

国民年金は、将来の生活を支えるだけでなく、いざというときの障害年金や遺族年金の受給にかかわる大事な制度です。そして、いつまでも安心して生活するためにも、公的年金制度に必要な手続きを正しく理解し、誕生月にねんきん定期便が届いたら必ず内容を確認しましょう。

また、日本年金機構のサイトでは、国民年金に関わる各種パンフレットを閲覧できます。国民年金がどのように私たちの暮らしに関わっているのかを知るため、年金に関する制度を知るためにも、一度目を通されることをおすすめします。

前佛 朋子 ファイナンシャル・プランナー(CFP®)・1級ファイナンシャル・プランニング技能士

2006年よりライターとして活動。節約関連のメルマガ執筆を担当した際、お金の使い方を整える大切さに気付き、ファイナンシャル・プランナーとなる。マネー関連記事を執筆するかたわら、不安を安心に変えるサポートを行うため、家計見直し、お金の整理、ライフプラン、遠距離介護などの相談を受けている。

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年齢:私 53歳、妻 37歳 娘 小学校6年生
住居:私 賃貸マンション暮らし
職業:私 契約社員、妻 アルバイト
貯金:私 約400万円、妻 約600万円
年収:私 ...

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