22/01/23
【2022年最新版】国民年金・厚生年金はいくらもらっているのか。平均や分布はどうなっている?
老後の収入の柱となる公的年金。現役時代に保険料を納めることで、老後に老齢年金を受け取ることができます。では、今年金を受け取っている人たちの実際の年金額はどのくらいなのでしょうか。今回は、厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和2年度)のデータより、みんなの年金額の実際を紹介。年金額が足りないと感じた人が今からできる対策も解説します。
年金額はどうやって決まるの?
日本の公的年金には、国民年金と厚生年金があります。国民年金は、20歳から60歳までのすべての人が加入する年金。それに対して厚生年金は、会社員や公務員が勤務先を通じて加入する年金です。
国民年金は原則20歳〜60歳までの40年間にわたって所定の国民年金保険料を支払えば、年収がいくらであろうと、誰もが満額が受け取れるしくみです。2022年度の満額は77万7800円。保険料の納付月数が40年に満たないのあれば、その分受け取れる金額も減少します。たとえば保険量納付月数が20年間(240か月)なのであれば、年金は満額の半額(2022年度の場合、38万8900円)となります。
一方、厚生年金の金額は、おおまかにいうと「平均年収÷12×0.005481×加入月数」という式で計算できます。この計算式からは、平均年収が高く、加入月数が多いほどもらえる金額が増えることがわかります。国民年金よりも、個人差が大きくなります。
会社員・公務員の場合、国民年金と厚生年金の保険料を毎月の給与から天引きで支払っています。そうすることで老後、年金を受け取る際に、国民年金(老齢基礎年金)と厚生年金(老齢厚生年金)の両方を受け取ることができます。一方、個人事業主やフリーランスなどは厚生年金に加入していないため、国民年金のみとなります。
男女別・年金額の分布をチェック!
では、実際に年金を受け取っている人の年金額はどのくらいなのでしょうか。グラフで男女別に表します。
●国民年金の受取金額(月額)
●厚生年金の受取金額(月額・国民年金を含んだ金額)
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和2年度)より作成
国民年金の平均額は男子5万9,040円、女子5万4,112円。差は5000円ほどとなっています。それに対し、厚生年金(国民年金含む)の平均額は男子16万4,742円、女子10万3,808円と、約6万円もの差があることがわかります。
年金世代の年齢別・年金額の分布をチェック!
次に、国民年金・厚生年金の平均受給金額を年齢別に見てみましょう。
●年齢別国民年金・厚生年金の平均受給金額(月額)
厚生労働省「厚生年金保険・国民年金事業の概況」(令和2年度)より作成
年金の65歳未満の「繰上げ受給」を行った方は受給金額が少なくなっています。繰上げ受給をすると、60歳から年金を受け取ることが可能ですが、1か月早めるごとに0.5%(2022年4月からは0.4%)、5年間で最大30%(同24%)年金額が減少します。
また、厚生年金は年齢が下がるほど、受取金額が減少しています。これは、厚生年金の金額の計算方法が平成15年(2003年)4月に変わった影響が考えられます。それまでは、年金額の計算に賞与を含めていませんでしたが、2003年4月以降の分は賞与も含めて計算するようになり、計算の際に用いられる料率も減少しました。これにより、2003年4月以前よりも年金額が増えにくくなったのです。年齢が下がるほど、変更後の料率での計算期間が長くなるので、厚生年金の金額も少なくなる傾向にある、というわけです。
将来世代も年金は受給できるのか?
年金をもらうのはまだ先という将来世代の人は、自分が高齢者になる頃には、少子高齢化が進み、年金がもらえないのではないかと思う人もいるでしょう。
しかし、令和元年(2019年)の「公的年金の財政検証」では、今後の制度改正などにより、若い世代が将来受け取る年金は、将来の時点で働いている人の賃金の50%を上回る見込みだとされていて、年金がもらえないということはないとされています。
また、自分が納めた保険料に対して受取金額はどうなのか考えてみましょう。
以前は、年金の受取額が優先的に決まっていて、現役世代の保険料を上げることで、財源を確保する仕組みでしたが、2004年の年金制度の改正で、現役世代への保険料の引き上げを抑える一方、年金額の方を下げることになりました。
そのため、いまの年金世代と比べて、受取年金の年額は減ることになります。
しかし、年金は一生涯受け取ることができる点を考慮すると、一概に、保険料の払い損となるとは言えません。今後も平均寿命は延びることが見込まれているからです。
2000年度生まれの世代が65歳になる頃の平均寿命は、男性84.95年、女性91.35年とされており、2020年時点の平均寿命(男性81.64年・女性87.74年)と比べると、男女ともに3年以上長生きすると計算されています(内閣府「令和3年版高齢者白書」より)。
将来世代は、今の年金世代より長生きすることが想定されるため、総額で考えたら、今の高齢者よりも多く年金がもらえる可能性もあるのです。
年金が少ない人が今からできること
50歳以上であれば、毎年誕生日ごろに送られてくる「ねんきん定期便」で、将来受け取れる年金額の目安がわかります。50歳未満の場合も、「ねんきんネット」で将来の年金額の試算ができます。
もし年金が少ないと思ったら、まずは年金の繰下げ受給を検討しましょう。繰下げ受給は、年金の受け取りの開始時期を遅らせること。繰下げ受給では、65歳から1か月遅らせるごとに年金額が0.7%ずつ増えます。70歳まで繰り下げることで、年金額は最大42%増えます(2022年4月以降は最大で75歳まで繰り下げが可能。年金額は最大84%増えます)。
次に、長く働くことを視野にいれましょう。国民年金は原則60歳までしか加入できませんが、厚生年金は70歳まで加入できます。働き続けて加入月数が増えれば、将来受け取れる年金額も増加しますし、何より給与収入がありますので、年金の繰下げ受給を選びやすくなります。なお、国民年金に未納期間がある場合は、60歳から65歳までの間に任意加入して保険料を納めると、もらえる年金額を増やせます。
また、年金の制度は今後変わる可能性もあります。受け取れる金額が減るような事態に備えて、税金を減らして老後資金を効率よく貯められるiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)や運用益を非課税にできるつみたてNISA(ニーサ・少額投資非課税制度)などを活用するのもいいでしょう。とくにiDeCoは、2022年5月から加入できる年齢が60歳未満から65歳未満に5年延長されるほか、10月からはこれまで加入しにくかった企業型確定拠出年金(企業型DC)の加入者もiDeCoに加入しやすくなります。
まとめ
みんなの年金額の平均を紹介してきました。とはいえ、平均はあくまでも平均ですので参考程度にとどめ、自分がどのくらいもらえるかを把握しておくことがとても大切です。もしも年金額が少ないようであれば、年金を増やす手立てを考えましょう。
上でもたびたび紹介したとおり、2022年は年金に関わるさまざまな制度が変わります。今後ますます、自分で年金を増やす手立てを選び、実践することが重要になってくるでしょう。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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