17/12/24
本業に影響を与えずに、副業を始めるための4つの注意点
働き方改革の一環として政府が普及・促進している副業や兼業に対し、前向きな企業も少しずつ増えてきました。収入を増やすには魅力的な副業ですが、気をつけないと思わぬところで足をすくわれることも。
今回は副業するにあたっての注意点として4つのポイントをお伝えします。
ポイント1. 就業規則をチェックしておく
副業はOKでも、競合企業への副業禁止や副業先の企業名の報告が明示されていることがあります。これは、本業で得たノウハウや技術、顧客情報の流出が心配されているからで、副業先の企業や個人事業で利用することはできません。
筆者は以前、ある企業の担当者から副業で始めた仕事の案内を郵送でもらったことがあります。その方とは名刺の交換をしていましたが、それは取引先に勤めているから渡したもので、その人個人に渡したのではありません。お客様の情報やノウハウは自分のものではないことに注意し、本業と同じ業種で副業を行うことは避けた方が無難ではないでしょうか。
ポイント2. 本業に影響を与えない
副業を始める前に、使える時間はどれくらいあるか想定しておきましょう。副業を始めると、当然ながら自由に使える時間が減っていきます。仕事にかかる時間の他、移動や情報収集、事務作業に案外時間がとられます。サービス業など人手が足りないところでは、残業が常態化しているケースも見受けられます。
また、期限のある仕事を請け負った場合、徹夜で間に合わせたり本業の就業時間に副業を持ち込んだりする人もいるようです。副業に時間を取られて、本業の会社をクビになっては本末転倒。忙しすぎて本業に影響が出ないよう、仕事内容をしっかり吟味することが大切です。
ポイント3. 所得が20万円を超えると確定申告が必要
副業が派遣やパート・アルバイトの場合、本業と副業の2か所以上から給与の支払いを受けているので、副業の収入が20万円を超えると原則として確定申告をしなければなりません。月々1万7000円程度で年間20万円を超えてしまいます。本業の源泉徴収票と副業の源泉徴収票を使って、忘れずに確定申告してください。
空いた時間に自分のスキルを活かしたクラウドソーシングや、ハンドメイド作品の販売などで得た収入は「雑収入」となります。この場合、収入(売上)から経費(材料費など)を引いた金額が20万円以上になると、確定申告が必要となります。
ポイント4. 所得が20万円未満でも住民税の確定申告が必要
いずれにしても、住民税についてはすべての収入を合算して計算するので、収入の額に関わらず申告が必要です。確定申告をすることで住民税の申告は不要となりますが、副業の収入が20万円以下だからと確定申告を行わない場合は、お住まいの市区町村にて所得申告をしてください。うっかりでも故意でも申告を怠ると、延滞金のペナルティが課せられます。
平成29年度の住民税の申告期限は、2月16日から3月15日。この期間内に申告し、決められた納期限までに住民税を納付しなかった場合、納期限の翌日から完納までの日数に応じて延滞金がかかります。
副業は万が一の事態のリスクヘッジになる
副業は今現在の生活に収入面でプラスとなるだけでなく、年金生活や会社の倒産など万が一の事態にも生活を下支えします。また、起業準備の副業では、本業で収入を確保できることで心理的なハードルを下げる効果もあります。本業と副業のバランスを考え、無理のない範囲で始めてみるのも悪くはないのではないでしょうか。
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辻本 由香 おふたりさまの暮らしとお金プランナー
企業の会計や大手金融機関での営業など、お金に関する仕事に約30年従事。27歳で阪神大震災、43歳で乳がんを発症した経験から、備えることの大切さを伝える活動を始める。現在は奈良で独立系のFP事務所を開業。セミナーを主としながら、子どものいないご夫婦(DINKS・事実婚)やシングルの方の相談業務、執筆も行っている。著書『がんを生きぬくお金と仕事の相談室』(河出書房新社)。
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