26/03/23
【知らないと大損】iDeCoで年金受け取りするなら、確定申告は“必ず”すべき

老後の資産形成として多くの人が活用しているiDeCo(個人型確定拠出年金)。いざ受け取りの段階になったとき、「確定申告はしなくていいのでは」と考える方は少なくありません。ですが、実はiDeCoを年金形式で受け取っている人は、確定申告をすることで税金が戻ってくる可能性が高く、確定申告をすることで不要な税金を払わずにすみます。
今回は、「申告不要制度の正しい理解」から「iDeCo年金にかかる源泉徴収の仕組み」、「確定申告で税金が戻る理由」まで、押さえておきたいポイントを順番にわかりやすく解説します。
「確定申告不要制度」の誤解
まず、確定申告が不要となるケースを整理しておきましょう。
国税庁のルールでは、以下の2つの条件をともに満たす場合、確定申告は不要とされています。
・公的年金等の収入金額の合計が400万円以下
・公的年金等のすべてが源泉徴収の対象となっている
ここで見落としがちなのが、iDeCoの年金受け取り分も「公的年金等」に含まれるという点です。つまり、国民年金・厚生年金だけでなく、iDeCoや企業型DC(企業型確定拠出年金)から年金形式で受け取る金額も合算して400万円以下であれば、「申告不要制度」の対象となります。そのため、「400万円以下だから申告しなくていい」と判断している人は少なくありません。ただし、申告が「不要」であることと、「申告しないほうが得」であることはまったく別の話です。
iDeCoの年金から引かれている税金とは
iDeCo(および企業型DC)の年金を受け取る際、その受取額に対して一律7.6575%の所得税が源泉徴収されます。この7.6575%は、所得税率7.5%に復興特別所得税(所得税率の2.1%)を加えたものです。
重要なのは、この税率が一律である点です。受け取る金額や他の収入状況にかかわらず、機械的に7.6575%が天引きされます。
また、住民税は源泉徴収されず、翌年に他の所得と合算して市区町村から通知・納付する仕組みです。
つまり、iDeCoの年金からは「とりあえず7.6575%を引いておく」だけであり、実際の税額がこれより少ない場合、確定申告をしなければ差額は戻ってきません。
なぜ確定申告すると税金が戻るのか
確定申告をすると、「公的年金等控除」が適用されます。これは年金収入に対して一定額を非課税とする制度で、年齢や年金額によって控除額が変わります。
さらに、確定申告では次のような所得控除も適用できます。
・社会保険料控除(国民健康保険料・介護保険料など)
・医療費控除
・配偶者控除・扶養控除
・生命保険料控除など
これらを加味して税額を再計算すると、源泉徴収された7.6575%より実際の税負担が低くなるケースが多くあります。結果として過剰に納めた所得税が還付されます。
【具体的なイメージ】
たとえば、iDeCoの年金を年間120万円受け取っているケースを想定します。
源泉徴収額は120万円×7.6575%=約9万2000円
一方、公的年金等控除や各種所得控除を適用した結果、実際の所得税が5万円で済む場合、確定申告によって約4万2000円が還付されます。
申告しなければ、この還付金はそのまま「払い損」です。
申告不要でも「したほうが得」なケースがほとんど
iDeCoを年金形式で受け取っている人の多くは、次の理由から確定申告をすることでメリットを得られます。
(1)一律7.6575%の源泉徴収は、実態より高く引かれている可能性がある控除を適用すれば、実際の税負担はもっと小さくなることが多い。
(2)確定申告で過払い分の所得税が戻る数万円単位の還付が期待できる。
(3)住民税の計算にも影響する課税所得が正確に計算されることで、住民税も適正化される。
「確定申告は不要」というのは、あくまで「しなくても罰則はない」という意味です。年金受け取り中のiDeCo加入者・元加入者にとって、確定申告は「手間」ではなく取り戻せるお金を確実に受け取るための手続きといえます。
「申告不要=申告しないほうが得」ではない
iDeCoの年金受け取りには一律7.6575%の源泉徴収が行われますが、公的年金等控除や各種所得控除を適用すると、実際の税負担はこれより低くなることが多く、確定申告をすることで過剰に引かれた税金が戻ってくる可能性があります。
公的年金とiDeCoの年金の合計が400万円以下でも、「申告不要=申告しないほうが得」ではありません。iDeCoで年金を受け取っている人にとって、確定申告は手取りを守るための大切な手続きです。老後の資金を1円でも無駄にしないためにも、毎年の申告を習慣にしたいところです。
※本コラムは一般的な情報提供を目的としており、個別の税務相談には対応しておりません。具体的な税額の試算や詳細なご相談は、税理士または最寄りの税務署にご相談ください。
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KIWI ファイナンシャルプランナー・社会保険労務士
長年、金融機関に在籍していた経験を活かし、個人のキャリアプラン、ライフプランありきのお金の相談を得意とする。プライベートでは2児の母。地域の子どもたちに「おかねの役割」や「はたらく意義」を伝える職育アドバイザー活動を行っている。
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