22/01/08
【2022年版】1株から株が買える証券会社を一挙紹介、プロおすすめの証券会社はコレだ
「株式投資をしてみたい」と思い立っても、気になるのはお金の問題。普通は、数万円・数十万円の投資資金が必要ですから、ちょっと敷居が高いと思われる方もいるでしょう。しかしここ最近、スマホ証券を中心に1株(単元未満株)で投資できるサービスが充実。これを利用すれば、これまでの100分の1の資金で投資することもできてしまいます。
今回は、スマホ証券に詳しく、個人投資家として自身も利用すると言うマネーコンサルタント頼藤太希さんに、1株から買える、おすすめ証券会社を伺いました。
●教えてくれたのは…
頼藤太希(よりふじ・たいき)マネーコンサルタント
(株)Money&You代表取締役。中央大学客員講師。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本証券アナリスト協会検定会員。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生保にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に(株)Money&Youを創業し、現職。女性向けWEBメディア「FP Cafe」や「Mocha」を運営。著書は『そのままやるだけ!お金超入門』『はじめての資産運用』『はじめてのNISA&iDeCo』など多数。
1株数百円程度で買える「単元未満株」の取引
株の値段(株価)は、新聞やテレビのニュース、ウェブサイトなどで報じられています。実際に見てみると、500円、1000円などと、多くの株は数百円から数千円になっています(中には10円単位・1万円単位のものもあります)。
「普通はこの価格で株を買うことはできません。なぜなら、株は通常100株単位(単元株)で売買されるものだからです。たとえば株価が500円なら500円×100株=5万円、1000円なら1000円×100株=10万円の資金が必要になります。厳密には、これに加えて売買手数料がかかります」(頼藤さん)
しかし最近、証券会社各社による単元未満株の売買サービスが充実してきました。
単元未満株の売買サービスでは、1株から株式を買うことができます。100株だと、投資金額がいきなり5万円、10万円と高額になってしまいますが、1株であれば投資金額も100分の1。500円、1000円で投資できるというわけです。これならば、毎月のお小遣いからでも簡単に出せそうです。しかも、手数料もとても安く設定されています。
「投資金額が安くて済むので、複数の銘柄を買ってみるのがおすすめです。どれか一つの銘柄に絞ってしまうと、万が一その銘柄が大きく値下がりしたときに損失が大きくなってしまいます。しかし、複数の銘柄を持っていれば、ある銘柄の値下がりを他の銘柄の値上がりでカバーできる可能性があります。このような投資(分散投資)は、投資のリスクを抑える王道の方法です」(頼藤さん)
また、銘柄によっては単元未満株でも配当金を受け取ることができます。配当金は、株主に配られる分け前のようなもの。持っている株数に応じて受け取れます(なお、株主優待は単元未満株の取引では受け取れないケースがほとんどです)。
つまり、単元未満株の売買サービスは少しずつ資産を増やす、その第一歩として活用したいツールなのです。
1株で株が買える証券会社一覧をチェック!
単元未満株の売買サービスは近年いくつも誕生しています。ここでは、1株で株が買える主な証券会社のサービスの特徴を簡単に紹介します。
●1株から買えるスマホ証券の主なサービス
(株)Money&You作成
近年増えてきているのは「スマホ証券」と呼ばれる証券会社のサービス。スマホだけで口座開設から取引まですべて行うことを前提にサービスを展開している証券会社です。
「スマホ証券は手数料が無料だったり、安く設定されていたりすることが多いのが特徴です。株は、どこで買っても同じものですから、手数料はできるだけ安いに越したことはありません」(頼藤さん)
また、普段の買い物などで貯まるポイントを買付代金に利用できるサービスも多数あります。いきなりお金を出すのは心配という方でも、こうしたポイントを利用すれば、極端にいえば0円で投資することが可能です。
そのうえ、スマホ証券では決算書や株価チャートといった難しい分析ツールを使わなくても投資しやすいように、アプリ・ウェブサイトの画面に工夫を凝らしています。投資の知識が少なくても、投資先選びに迷わないよう、配慮されています。
また、スマホ証券では、既存の証券会社とは違ったおすすめサービスもあります。以下、簡単に紹介します。
●LINE証券
LINE証券では、不定期開催ながら株の「タイムセール」が行われます。そのうえ、1500銘柄以上を1株から購入できたり(いちかぶ)、LINEポイントを使って投資できたり、取引時間外に取引できたりと、サービスが充実しています。
もちろん単元株(100株単位)の売買にも対応。投資信託やFX(外国為替証拠金取引)、老後資金を堅実に築くiDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)などのサービスも展開しています。
LINE証券の株のタイムセールは、指定の銘柄が3%〜7%引きで購入できるというものです。仮に値動きがなかったとしたら、タイムセールで株を買って、翌日に売るだけでその3%〜7%分の利益が出るのですから、とても簡単ですし、お得です。
※編注:LINE証券は2024年中に撤退を発表しました。新規口座開設の受付を終了しています。
●SBIネオモバイル証券
SBIネオモバイル証券では東証に上場する銘柄を1株から購入可能。「定期買付」を設定すれば、指定した日・金額で自動的に株を購入できます。「ひとかぶIPO」では、新しく株式市場に上場(IPO)する銘柄を1株から購入することができます。
SBIネオモバイル証券の利用料は月額220円ですが、投資に利用できるTポイントが200ポイントもらえます。普段の買い物などで貯めたTポイントと一緒に投資に回すことも可能。そのうえ、月額50万円までであれば売買手数料がかからないので、実質ほぼ無料で取引ができるといってもいいでしょう。FXのサービスも用意されています。
IPOは、上場直後に大きく値上がりすることが多いため、投資家に人気の投資です。SBIネオモバイル証券のひとかぶIPOでも、ほとんどの場合は抽選になりますが、うまく買うことができれば短期間に利益アップを狙えるため、おすすめです。20代〜30代の若年層、3カ月以上の口座保有者、SBIネオモバイル証券のFX口座を持っている方はIPOの当選確率がアップするので、ぜひ挑戦してください。
●CONNECT
大和証券の「CONNECT」では「StockPoint for CONNECT」というアプリを介して、100銘柄超の銘柄にPontaポイントなどを利用して投資ができます。そのうえ、ポイントが1株以上になった場合は、株式交換手数料無料で本物の株に交換できます(別途CONNECTへの証券口座開設が必要)。
普段の買い物などで貯まるPontaポイントなどを投資することで、投資先の銘柄の価格の上下に合わせてポイントも増減します。仮に値下がりしても、お金が減るわけではないので、自分のお金を出すのが不安という方に向いています。開催は不定期ながら、1株分のポイントをプレゼントするガチャのキャンペーンも実施しています。
●ferci
マネックス証券の「ferci(フェルシー)」は、投資について語れるコミュニティと1株からの株式投資がひとつになったSNS型投資アプリです。投資のヒントを手に入れたら、すぐにアプリを通じて発注可能。簡単な操作で株式投資を楽しめます。
ferciでは、日々の投資について投稿したり、他の投資家の投稿にコメントしたりしながら取引をすることができます。他の投資家の生の意見や実際の投資先・投資方法を参考にして、自分の投資のレベルアップに生かすことができます。
ただし、スマホ証券では、投資対象が限られている場合があります。また、NISA(ニーサ・少額投資非課税制度)に対応していない場合もありますので、ご注意ください。
●1株から買えるネット証券・総合証券のおすすめサービス
投資対象 | 取引手数料 | 特徴 | |
---|---|---|---|
SBI証券(S株) | 東証 | 買付:0円 売却:約定代金の0.55% (最低手数料55円) |
・1日3回約定 ・他の投資サービスも充実 |
マネックス証券 (ワン株) |
東証・名証 | 約定代金の0.55% (最低手数料52円) |
・1日1回約定 ・他の投資サービスも充実 |
auカブコム証券 (プチ株) |
東証・名証 | 約定代金の0.55% (最低手数料52円) |
・1日2回約定 ・「プレミアム積立」なら手数料無料 |
岡三オンライン証券 | 東証・名証 | 220円〜 (約定代金により段階的に上昇) |
・1日3回約定 ・ツールに定評 |
野村證券 (まめ株) |
東証・名証 | 約定代金の1.1% (最低手数料550円) |
・1日2回約定 ・店舗を構える総合証券 |
※金額は税込
(株)Money&You作成
株式投資をはじめとする金融サービスを全般的に手掛ける証券会社(ネット証券・総合証券)でも、単元未満株の取引をすることができます。スマホ証券に比べて投資対象が広いため、「どうしてもこの銘柄に投資したい」というニーズは満たせるでしょう。ただし、スマホ証券に比べると多少手数料が高いのがネックです。
取引手数料はSBI証券が買付手数料が0円ととてもお得です。またマネックス証券・auカブコム証券もそこまで高いわけではありません。3社とも、株式投資だけでなく、投資信託・債券・金などの商品、さらにはNISAやiDeCoといった節税に役立つ制度も活用可能。サービスが充実していますので、将来他の投資もしてみたくなるかも、という方にも適しています。
お金のプロが勧める証券会社はここだ!
以上を踏まえてお金のプロ、頼藤太希さんが勧める証券会社を聞きました。
「単元未満株の投資をするのにもっともおすすめしたい証券会社はLINE証券です。 LINE証券は、2019年のサービス開始から2年2ヶ月ほどで100万口座もの口座開設があった、勢いのある証券会社です。株が最大7%引きで購入できる「株のタイムセール」は、他の証券会社では見かけない独自のサービスです。また、単元未満株の「いちかぶ」の他にも、単元株や投資信託にも投資可能。iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)も利用できるようになるなど、できる投資・資産形成の幅が広がっています」(頼藤さん)
「SBIネオモバイル証券はTポイント、CONNECTならばPontaポイントを投資に生かせるのがメリット。普段からこれらのポイントを貯めている方も多いのではないでしょうか。貯めやすいポイントなら、投資に回せるポイントも多くなりますし、資産も堅実に増やせるでしょう」(頼藤さん)
「ネット証券ならSBI証券かマネックス証券がおすすめです。単元未満株の取引だけでなく、総合力の面でこれらの大手証券会社を選んでおけば、他の投資をするときにも役立ちます」(頼藤さん)
1株から買える少額株式投資は、本格的な投資が手軽に始められるのでおすすめです。みなさんも証券会社に口座開設して、ぜひ試してみてくださいね。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。
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