25/10/01
株主優待と配当金「2倍嬉しい」10月の銘柄3選

決算月に権利確定すると配当・優待がもらえる株式投資は人気が高いです。株主優待を設定している企業は約1600社ありますが、10月に権利確定日を迎える銘柄はわずか38社です(2025年9月30日時点・SBI証券株主優待検索より)。しかし、10月権利確定の銘柄を持っていれば、権利確定の多い3月・9月決算の株主優待の品が届く時期をずらせるので、使ったり管理したりしやすくなります。今回は、10月権利確定の優待銘柄で、配当金も魅力的な銘柄を3つ紹介します。
新NISAなら株主優待をもらいながら配当金も非課税で受け取れる!
2024年に制度が改正された「新NISA」では、つみたて投資枠と成長投資枠の2つの投資枠を利用して一生涯にわたって運用益非課税の投資ができます。このうち、成長投資枠では株式投資をすることができます。成長投資枠での投資は、株の値上がり益はもちろん、配当金にかかる税金もゼロにできますので、より効率よくお金を増やせます。
成長投資枠では、年間240万円までの投資で得られた利益が生涯にわたって非課税にできます(成長投資枠における生涯投資枠は1200万円まで)。新NISAの成長投資枠で株主優待と配当金がともにもらえる「2倍嬉しい」銘柄を購入しておけば、株主優待をもらいつつ、配当金も非課税で受け取れてお得です。
購入する銘柄の株価にもよりますが、通常、100株買うには数万円から数十万円の投資が必要です。「いきなり100株投資するのは大変」ならば、まずは1株、10株などからはじめて、少しずつ買い増して100株にするのもひとつの方法です。
「単元未満株」の取引に対応している証券会社を利用すれば、株を1株単位で購入できます。株主優待は多くの場合100株からですが、配当金は1株からでももらえます。ですから、配当金を少しずつもらいながら、株数を増やしていくことができます。
今回は、10月に権利確定を迎える銘柄の中から、新NISAで狙いたい銘柄を3つ紹介します。なお、データは2025年9月30日時点、断りのない限り100株あたりの金額・内容を示しています。
株主優待+配当金銘柄①ラクーンホールディングス(3031)
衣料・雑貨の企業間電子商取引『スーパーデリバリー』を運営しています。アパレルや雑貨を中心に幅広いジャンルの商品を取り扱い、中小事業者の出会いから継続的な取引まで効率化しています。また、フィナンシャル事業として企業間取引における「決済」と「保証」の2つの金融事業を担う『Paid』を展開。請求業務の効率化や資金繰りの改善を支援し、企業の取引拡大に貢献しています。株主優待は500株以上保有の株主に対してですが、7500円分のデジタルギフトが年2回届きます。継続保有半年(2025年10月末)・1年(2026年4月末以降)の条件がありますのでご注意ください。
・最低投資額 500株 36万2000円
・予想配当 1万1000円
・予想配当利回り 3.04%
・権利確定 4月、10月
【株主優待】
500株以上 「デジタルギフト」7500円相当を年2回
※1年以上継続保有(4月・10月の株主名簿に連続3回以上記載)した株主のみに贈呈
※デジタルギフトはAmazonギフトカード、QUOカードPay、PayPayマネーライト等に交換可能
【配当】

筆者作成
株主優待+配当金銘柄②巴工業(6309)
中堅化学機械メーカーです。固体と液体を分離する「デカンター型遠心分離機」で国内首位をほこっています。また、輸入化学品商材も多く取り扱っています。株主優待は200株以上保有の株主に対してワイン1本となっています。ワインは12月末ごろに届くので年末年始にホームパーティで飲むことができます。
・最低投資額 200株 33万7200円
・予想配当 1万666円(200株あたり)
・配当利回り 2.99%
・権利確定 10月
【株主優待】
200株 セレクトしたワイン1本
【配当】

筆者作成
株主優待+配当金銘柄③梅の花グループ (7604)
豆腐と湯葉料理の高級店「梅の花」を全国展開する企業です。コロナが明けてから増収を続けています。株主優待はグループ店舗の各店で設定している割引(5%〜20%)が期限内何回でも受けられる株主優待カードです。ご褒美ランチや接待のときにお得にごちそうを楽しめそうです。
・最低投資額 100株 8万3500円
・予想配当 1200円
・予想配当利回り 1.20%
・権利確定 4月、10月
【株主優待】
100株以上 株主優待カード1枚
(自社グループ店舗における飲食料金の5%・10%・20%割引・記名式)
※割引率は店舗により異なる。テイクアウト店での利用不可、利用回数制限なし
【配当】

筆者作成
「権利つき最終日」までに株を買おう
株主優待をもらうには、「権利確定日」という日にその企業の株を保有している必要があります。ただし、権利確定日に株を買うのでは間に合いません。株を買っても、株主としての権利が与えられるのは購入の2営業日後だからです。
したがって、権利確定日の2営業日前には株を買っておく必要があります(この2営業日前のことを権利つき最終日といいます)
2025年10月末が権利確定日の場合、10月29日(水)には株を買っておかなくてはならないので、購入の際にはご注意ください。
*本記事で紹介した個別の銘柄については、あくまでも参考として申し述べたものであり、その銘柄の株式等の売買を推奨するものではありません。投資は自己責任でお願い致します。
【関連記事もチェック】
・暴落、乱高下、地政学リスク…どのような状況でも安定したリターンを目指す「パーマネントポートフォリオ」
・【2025年最新版】1株だけでもらえる優待銘柄16選【Money&YouTV】
・1株投資するだけでもらえる優待銘柄16選【好業績・高配当を3銘柄深掘り】
・新NISAの積立日は何日がベスト?損する日はいつ?過去データで徹底検証してみた【Money&YouTV】
・【申請しないと大損】60歳以降の手取りを最大化する定年前後の「手当&給付金」9つの手続き【Money&YouTV】

稲村 優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP︎︎®︎)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー

この記事が気に入ったら
いいね!しよう