16/05/25
売るに売れない株に利息収入? 知っておきたい「貸株サービス」
今年に入ってから株価は下落傾向です。昨年までのいい調子だった株…、もう少しまったら上がるかも?と持ち続けていたら、値下がりして売り逃してしまったという株はありませんか? 売ろうと思っても損が出てしまい、「売るに売れない」株を放置していませんか? 証券会社は限られますが、持っている株を証券会社に貸すことで金利が得られる「貸株サービス」というサービスがあります。特徴を理解して積極的に活用しましょう。
知っておきたい「貸株サービス」ってなに?
銀行にお金を預けたら金利がつきますが、貸株サービスはその仕組みによく似ています。所有している株を証券会社に貸すことで貸株金利を受け取ることができるのです。金利は0.1%から上限なしという証券会社も。プレミアム金利銘柄として1.0%以上の金利がつく銘柄もあります。
お客様の例をご紹介しましょう。半年に1回6,000円分のお食事券が送られてくる株主優待に惹かれて買った居酒屋チェーン「和民」の株。肝心の株価は上がるどころか下がっていて、優待も半分の3,000円分のお食事券になってしまいました。まさに「売るに売れない」状態です。しかし、貸株金利はなんと4.0%。現在の普通預金の一般的な金利は0.001%ですから4,000倍の金利ということです。2016年5月16日時点では、単元株1日当たりの金利は10.08円でした。
【計算式】
(919円×100株×4%)÷365日=10.08円(小数点以下第3位切り上げ)
*5月16日の株価は919円。単元株(売買単位)は100株。
株価が同じままだとすると、91,900円の元本で一年に3,676円利息がつくともいえます。普通預金に3億6,760万円預けて1年につく利息が3,676円(税引き前)ですから、貸株サービスの金利のよさは抜群といえます。
売りたくても売れなくて持っているだけの株があれば、貸株サービスを利用して少しでも株に「働いて」もらいましょう。
どこの証券会社でできるの?
現在貸株サービスを行っているのは、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、カブドットコム証券、松井証券の5社です。(松井証券だけ、「預株制度」というサービス名)
このいずれかの証券会社の口座で株を所有し、貸株サービスの申込みをすれば手数料無料で利用することができます。
株主優待自動取得サービスをつけておけば何も手続きをしなくても自動的に一時的に貸出しを解除して株主優待の権利を確保することもできます。権利を獲得したらまた自動的に貸出されるので株主優待を受けるために貸株をやめたり戻したりという面倒な手続きは不要です。
ただし、権利取得に長期継続保有の条件がある場合、株主優待自動取得サービスで貸出したり返してもらったりするときに株主番号が変わってしまうと長期保有とみなされなくなって権利が取得できないなどのケースもあるので注意が必要です。
証券会社によって、貸株先が破綻した場合に株の保証があるのかどうか、貸株できる銘柄がどれくらいあるのかなど違いは様々です。メリット・デメリットをよく理解して、「持ちっぱなし」の株で少しでも利益を出しましょう。
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稲村 優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP︎︎®︎)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー
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