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24/05/04

資産運用・経済

新NISAで投資できる「米国高配当株ファンド」を徹底比較

新NISAで投資できる「米国高配当株ファンド」を徹底比較

新NISAは配当金、分配金、売却益(譲渡益)といった運用益にかかる税金が一生涯ゼロになる制度。一生涯非課税で運用できることで、脚光を浴びているのが配当利回りの高い「高配当株」です。
今回は、そんな高配当株に手軽に分散投資ができる「米国高配当株ファンド」を徹底比較しました。

そもそも高配当株って何?

高配当株とは、配当利回りの高い株のことです。配当利回りは、株価に対して年間でどのくらい配当金を受け取れるかを示す指標。「年間配当金÷株価×100」という式で算出できます。配当利回りは3%を超えると高配当といわれます。

たとえば、高配当株で有名な米国大手通信会社AT&T(T)の場合、配当利回りは1.11ドル(2024年予想)÷16.92ドル(2024年5月1日終値)×100=6.56%と計算できます。

ちなみに、米国株の配当利回りの平均は、次の表のとおりです。

<米国株の配当利回りの平均>

(株)Money&You作成

全米株(CRSP US Total Market Index)、S&P500、NYダウ、NASDAQ100といった、有名な米国株価指数の配当利回りは、それぞれの指数と連動を目指すETF(上場投資信託)の配当利回りで代用できます。
配当利回りの高いNYダウでも2%。全米株やS&P500では1.5%もありませんし、NASDAQ100にいたっては0.54%ですから、3%を超えれば高配当といわれるのも納得の水準でしょう。

米国の高配当株上位10銘柄は?

米国株の高配当株上位10銘柄は次のとおりです。

<米国株の高配当株上位10銘柄(NYダウおよびS&P100構成銘柄)>

マネックス証券Webサイトの情報をもとに(株)Money&You作成

米国の高配当株のトップはアルトリア・グループ(MO)の8.99%でした。参考までに業種も入れてありますが、IT・通信、一般消費財、医療関連など、景気に左右されにくい業種が多いことがわかります。
また、配当金の金額を増やしてくれる「増配株」も確認しておきましょう。とくに、長年にわたって毎年配当金の金額を増やしている「連続増配株」の上位7銘柄は、次のとおりです。

<米国株の連続増配株上位7銘柄>

(株)Money&You作成

米国の連続増配株のトップはアメリカン・ステイツ・ウォーター(AWR)で69年です。2位以下にも60年以上の長きにわたって配当金を増やし続けていた銘柄が並びます。日本の連続増配株のトップは花王で34年ですから、改めて米国のすごさを感じます。

もっとも、連続増配株だからといって配当利回りが高いかというと、そうでもありません。上の表でも、配当利回りが3%を超えている銘柄は2つしかありません。

ただ、連続増配株は増配で配当が増えるだけでなく、株価もさらなる上昇が見込めます。そして、総じて高配当株よりも連続増配株のほうが株価上昇も含めたトータルリターンは高い傾向にあり、市場全体の暴落にも強い特徴があります。

SBI証券[旧イー・トレード証券]

「配当利回りが高いから」だけでの投資はNG!

高配当株や連続増配株に投資するなら、できるだけ配当利回りの高い銘柄がいいと思うかもしれませんが、「配当利回りが高いから」という理由だけで投資するのはNGです。

配当利回りの計算式は「年間配当金÷株価×100」と、計算式の中に株価が入っています。配当利回りが高くなるには「年間配当金が上がる」または「株価が下がる」(あるいは、その両方)です。年間配当金が上がって配当利回りが高くなっているならいいのですが、配当利回りが高すぎる銘柄の中には、株価が下がって配当利回りが高くなっている銘柄が入っている可能性があるのです。

株価が下がるということは不人気な銘柄ということですし、業績が悪化している銘柄になっている可能性が高くあります。配当利回りだけ見て高配当株に飛びつくと、資産を減らしてしまいかねません。また、連続増配もあくまで過去の実績ですから、今後も増配を続ける保証はありません。

ですから、高配当株や連続増配株の個別株に投資する場合には、業績は好調なのか、財務は健全なのかを必ず確認しましょう。

新NISA対象の高配当株ファンド・連続増配株ファンドを比較

いくら高配当株・連続増配株といっても、1銘柄や2銘柄に集中投資すると、その銘柄が値下がりしたときのリスクが大きくなってしまいます。リスクを下げるには、10銘柄から20銘柄に分散投資することが大切です。

とはいえ、高配当株や連続増配株の個別株を10銘柄から20銘柄選んで投資するのは大変なもの。そこで利用したいのが複数の高配当株や連続増配株にまとめて投資できる高配当株ファンド・連続増配株ファンドです。
高配当株ファンドならば、1本買うだけで複数の高配当株に手軽に分散投資ができて便利です。同様に、連続増配株ファンドを利用すれば1本で複数の連続増配株に分散投資ができます。

ここでは、新NISAで投資できる高配当株ファンド・連続増配株ファンドをそれぞれ3本ずつ、比較して紹介します。

<新NISA対象 高配当株ファンド比較>

(株)Money&You作成

●①楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド

●②SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)

①②はいずれも「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)」へ投資する高配当株ファンドです。楽天のほうは「楽天VYM」、SBIのほうは「SBI VYM」と呼ばれます。

VYMは大型株のうち配当利回りが市場平均を上回る銘柄で構成されるETFです。直近の配当利回りが2.26%とやや低いのですが、通常はだいたい2.5%程度のイメージです。557銘柄が組み込まれており、分散が効いた高配当株ファンドだとわかります。

楽天VYMは運用開始から6年経過していますが分配金の実績はありません。SBI VYMは、2024年1月に設定されたばかりですので、まだ分配金はありません。したがって、分配金利回りの記載もありません。

楽天VYMやSBI VYMでは分配金が出ていないので記載がありませんが、分配金健全度についても押さえておきましょう。分配金健全度は、投資家が手にした分配金のうち普通分配金が占める割合を示したもの。「普通分配金÷分配金総額」という式で計算できます。

分配金健全度は、分配金がすべて普通分配金なら100%になりますが、元本払戻金(投資信託の元本を取り崩して支払う分配金。特別分配金ともいう)がある場合は100%よりも少なくなります。元本払戻金があると、その分元本が減ってしまうため、複利効果でお金を増やしにくくなってしまいます。したがって、分配金健全度は100%(に近い)ほどベターです。

楽天VYMはつみたて投資枠、SBI VYMは成長投資枠のなかで、信託報酬が最安のファンドになっています。

●③SBI・SPDR・S&P500高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)

SBI・SPDR・S&P500高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)は「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)」に投資する高配当株ファンドです。こちらも名前が長いので「SBI SPYD」と略されます。

SPYDはS&P500銘柄のうち高配当銘柄80銘柄で構成されています。投資先のセクターを見ると、不動産26%、金融21%、公益18%と、大きく成長する銘柄というよりも、手堅いディフェンシブ銘柄に多く投資していることがわかります。

SBI SPYDも2024年1月にできたばかりなので、分配金利回りや分配金健全度はまだ空欄です。決算期は年4回で信託報酬は0.1338%と、前述のSBI VYMとよく似ています。

こうなると、VYMとSPYDのどちらに投資したほうがいいのか悩む方もいるでしょう。
VYMとSPYDを比較したのが次の表です。

<VYMとSPYD>

(株)Money&You作成

VYMとSPYDでは、コスト面の差はほぼありません。配当利回りの観点ではSPYDのほうが上なのですが、トータルリターンの高さや、リスクの低さではVYMに分があります。したがって、「値上がりを狙いながら配当も受け取る」ならVYM、「高い配当を受け取る」ならSPYDという具合に、使い分けるとよいでしょう。

<新NISA対象 連続増配株ファンド比較>

(株)Money&You作成

●④SBI・V・米国増配株式インデックス ・ファンド

バンガード・米国増配株式ETF(VIG)へ投資する連続増配株ファンドです。「SBI VIG」と呼びます。VIGは大型株で連続10年以上増配した実績のある銘柄で構成されるETFです。配当利回りは1.76%なのでやや低めですが、組入銘柄数は340銘柄あるので、分散された連続増配株ファンドだとわかります。信託報酬は0.1238%と、連続増配株ファンドのなかで最安水準となっています。

●⑤iFreePlus米国配当王(年4回決算型)

50年以上連続増配している米国企業に投資している連続増配株ファンドです。流動性を考慮して40銘柄以上を組み入れています。配当利回りは2024年1月時点で2.5%程度、組入銘柄数は50銘柄程度。分配金利回りは1.11%ということで、配当利回りと少々乖離があります。信託報酬は0.286%ですので、SBI VIGに比べると少々高いこともわかります。

●⑥米国株式配当貴族(年4回決算型)

「S&P500配当貴族指数」という株価指数に連動を目指す連続増配株ファンドです。S&P500の銘柄のうち25年以上連続増配している銘柄に投資。銘柄数が40銘柄未満の場合は「20年以上」に緩和されます。直近配当利回りが2.4%、銘柄数が67、分配金利回りが1.28%となっています。 2018年11月に設定されたファンドということもあり、純資産総額も2600億円と順調に集まっています。ただ、信託報酬が0.55%と、SBI VIGと比べると結構高い印象です。

SBI VIGの分配金利回りがどうなるかまだわからないので結論を出すのは早いかもしれませんが、仮に1%程度なのであれば、信託報酬の安いSBI VIGがベターだと考えます。

米国高配当株ファンド・連続増配株ファンドのおすすめは?

以上を踏まえて、米国高配当株ファンド・連続増配株ファンドのおすすめをお伝えします。

つみたて投資枠でもっとも低コストで投資できるのは「楽天VYM」(楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド[信託報酬:年0.192%])です。ただし、楽天VYMには分配金の実績がないので、分配金目的では投資しないほうがよいでしょう。

成長投資枠では「SBI VYM」(SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)[信託報酬:年0.1238%])と「SPI SPYD」(SBI・SPDR・S&P500高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)[信託報酬:年0.1338%])を目的に併せて使い分けましょう。

より低コストを意識するならば、ETFに直接する選択肢もあります。「バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)[経費率:年0.06%]」や「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD) [経費率:年0.07%]」に直接投資するほうが、コストは抑えられます。

連続増配株ファンドでは、信託報酬の安い「SBI・V・米国増配株式インデックス・ファンド(年4回決算型)[信託報酬:年0.1238%]」がよいでしょう。こちらも、より低コストを意識するならば「バンガード・米国増配株式ETF(VIG)[経費率:年0.06%]」に直接投資することもできます。

今回の情報がみなさんの投資行動の参考になれば幸いです。
なお、投資の最終決定は各自の選択でお願いいたします。

今回の内容は動画でも紹介しています。ぜひご覧ください。


頼藤 太希 マネーコンサルタント

(株)Money&You代表取締役。中央大学商学部客員講師。慶應義塾大学経済学部卒業後、外資系生命保険会社にて資産運用リスク管理業務に従事。2015年に現会社を創業し現職へ。ニュースメディア「Mocha(モカ)」、YouTube「Money&YouTV」、Podcast「マネラジ。」、Voicy「1日5分でお金持ちラジオ」、書籍、講演などを通じて鮮度の高いお金の情報を日々発信している。『はじめての新NISA&iDeCo』(成美堂出版)、『定年後ずっと困らないお金の話』(大和書房)、『マンガと図解 はじめての資産運用』(宝島社)、など書籍90冊、累計150万部超。日本証券アナリスト協会検定会員。宅地建物取引士。ファイナンシャルプランナー(AFP)。日本アクチュアリー会研究会員。twitter→@yorifujitaiki

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