26/09/07
住民税非課税世帯がもらえるお金は「予想以上」に多い

住民税非課税世帯となる条件は、世帯内に住民税を課税されている人が一人もいないことです。住民税非課税世帯であることを条件に、国や自治体が行う給付金や支援制度は意外と多くあることはご存知でしょうか。今回は、住民税非課税世帯がもらえる給付金や支援制度を9つ紹介します。
住民税非課税世帯がもらえるお金1:児童扶養手当
児童扶養手当は、父母が離婚したり、死亡したり、一定以上の障害を持っていたりする場合に、ひとり親世帯で子どもを育てる家庭に対して支給される手当です。住民税非課税世帯も対象になります。
児童扶養手当の対象になる子どもは、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子ども(障害児の場合は20歳未満)。児童扶養手当がもらえるのは、子どもを世話する父母または祖父母等です。年に6回(1月、3月、5月、7月、9月、11月)支給されます。
児童扶養手当の支給額(2026年度)は、以下のとおりです。
●子ども1人あたりの月額
・全部支給:4万8050円
・一部支給:1万1340円~4万8040円
●子ども2人目以降、1人あたりの加算額
・全部支給:1万1350円
・一部支給:5680円~1万1340円
また、児童扶養手当の支給に該当する世帯かどうかは、前年の所得にもとづき算定されます。
●児童扶養手当の所得制限限度額(収入ベース)
・全部支給(2人世帯):190万円
・一部支給(2人世帯):385万円
収入の目安が「全部支給の所得制限限度額」より少ない場合は全部支給に該当します。また、全部支給の所得制限限度額よりは多くても「一部支給の所得制限限度額」より少ない場合には、一部支給に該当します。
なお、児童扶養手当を受給するには、自治体の窓口での申請が必要です。請求理由ごとに書類などが異なるので、詳しくは窓口に確認しましょう。
住民税非課税世帯がもらえるお金2:0~2歳児の保育料(無償化)
幼稚園、保育所、認定こども園等を利用する3歳から5歳までのすべての子どもの利用料は無償化されています。
通園送迎費、食材料費、行事費などは、これまでどおり保護者の負担ですが、年収360万円未満相当世帯の子どもと、すべての世帯の第3子以降の子どもについては、副食(おかず・おやつ等)の費用が免除されます。
これに加えて、住民税非課税世帯であれば、0歳から2歳までの子どもは保育所などの利用料が無償化されます。子どもが2人以上いる世帯では、保育所などを利用する最年長の子どもを第1子と数え、第2子は半額、第3子以降は無償となります。年収360万円未満相当世帯では、第1子の年齢にかかわらず、この負担軽減が適用されます。
保育料無償化の申請については、原則、通っている幼稚園を経由して、お住まいの市町村から「保育の必要性の認定」を受ける必要があります。
住民税非課税世帯がもらえるお金3:児童手当
児童手当は、子どもを養育している保護者に対して支払われる給付金。子どもが高校を卒業(18歳に達する日以後の最初の3月31日まで)するまでもらえます。住民税非課税世帯だけではなく、多くの世帯が対象です。支給額は、以下のとおり。
・3歳未満:1万5000円(第3子以降は3万円)
・3歳以上高校生年代まで:1万円(第3子以降は3万円)
「第3子以降」とは、年齢の高い子どもから数えて3人目以降の子どもを指します。第3子以降の判定では、18歳年度末を過ぎた後から22歳年度末までの兄姉についても、親などが経済的な負担をしている場合は人数に含まれます。
児童手当は、毎年2月、4月、6月、8月、10月、12月(偶数月)に、それぞれの前月分まで(2か月分)を支給となります。
住民税非課税世帯がもらえるお金4:就学援助
就学援助は、経済的な理由で就学が困難な小・中学生の保護者に対し、学校で必要となる費用の一部を市町村が援助する制度です。生活保護を受けている「要保護者」のほか、生活保護に準じる程度に困窮していると市町村教育委員会が認めた「準要保護者」も対象となります。準要保護者の認定基準は、市町村によって異なります。
住民税非課税世帯についても、市町村の定める基準を満たせば対象となる場合があります。対象となる費用は、学用品費、新入学児童生徒学用品費、通学用品費、通学費、修学旅行費、校外活動費、オンライン学習通信費、学校給食費など幅広く、自治体によって援助の内容や金額が異なります。
なお、2026年度は「新入学児童生徒学用品費等」の国庫補助単価が引き上げられ、小学校は6万4300円、中学校は8万1000円となっています。
住民税非課税世帯がもらえるお金5:高等学校等就学支援金
高等学校等就学支援金は文字どおり、高校の授業料を支援してもらえる制度です。以前は対象者に所得制限があったのですが、2026年度からは制限が撤廃。高校生の授業料支援の対象者の範囲が広がりました。住民税非課税世帯だけではなく、多くの世帯が対象です。支給額は、以下のとおりです。
・国立高校(全日制等):11万5200円
・私立高校(全日制等):45万7200円
・公立高校(全日制等):11万8800円
・私立高校(通信制):33万7200円
いずれの場合も返済は不要です。
住民税非課税世帯がもらえるお金6:給付型奨学金と授業料・入学金の免除・減額
大学・短期大学・高等専門学校・専門学校などへの進学を経済的に支援する「高等教育の修学支援新制度」があります。
住民税非課税世帯など、一定の収入基準を満たす世帯の学生は、返還不要の「給付型奨学金」に加え、授業料・入学金の免除・減額を受けられる場合があります。支援を受けるには、学業成績などの要件を満たしているか、世帯収入が基準内となっているかなどがあり、毎年確認されます。
住民税非課税世帯が対象となる「満額支援」では、大学の場合、給付型奨学金と授業料・入学金の支援額は次のとおりです。
【国公立大学の給付型奨学金・年額】
・自宅通学:35万円
・自宅外通学:80万円
【国公立大学の免除・減額・年額】
・授業料:年額54万円
・入学金:28万円
【私立大学の給付型奨学金・年額】
・自宅通学:46万円
・自宅外通学:91万円
【私立大学の免除・減額・年額】
・授業料:70万円
・入学金:26万円
仮に住民税非課税世帯の自宅外通学で私立大学に通う場合は、給付型奨学金91万円と授業料・入学金免除・減額の96万円を合わせると187万円の援助が受けられる可能性があります。
住民税非課税世帯がもらえるお金7:高額療養費制度
高額療養費制度は、医療費の自己負担額が一定の金額を超えたとき、その超えた分が支給される制度です。70歳未満の場合、5つの所得区分があり、それぞれ自己負担額の上限が異なります。直近1年間で3回以上(3か月以上)高額療養費の支給を受けている場合、4回目(4か月目)からは「多数回該当」となり、自己負担限度額がさらに減額されます。
2026年8月からは自己負担限度額が引き上げられた一方で、新たに「年間上限」が設けられました。月ごとの自己負担額が積み上がっても、8月〜翌年7月までの1年間で医療費が年間上限に達したあとは、この1年間はそれ以上の医療費の支払いが不要になります。
<高額療養費制度の自己負担額(70歳未満)>

厚生労働省「患者負担割合及び高額療養費自己負担限度額(令和8年8月~令和9年7月)より
住民税非課税の場合、1か月の医療費の自己負担限度額は3万6900円、多数該当の負担額は2万4600円です。また、年間上限は29万円となっています。
なお、高額療養費制度の自己負担額は、2027年8月に再度改定され、区分が13段階に細かくなる予定です。ただ、住民税非課税の場合は自己負担限度額・多数該当・年間上限とも変更なしとなる見通しです。
住民税非課税世帯がもらえるお金8:国民健康保険料・介護保険料の軽減
各自治体では、住民税非課税世帯の国民健康 保険料や介護保険料の減免制度があります。 国民健康保険料や介護保険料を計算するときは、一定よりも低い所得の世帯については、本来支払うはずの保険料の7割、5割又は2割を減額されます。 たとえば、大阪市では、世帯全員が市町村民税非課税で、以下の要件に当てはまる場合は、負担する介護保険料が通常(4段階保険料:7万6582円)の2分の1に軽減されます。
【軽減対象となる要件】
・世帯収入が一定以下
(1人世帯150万円以下、2人世帯198万円以下、3人世帯246万円以下。1人増えるごとに48万円を加算)
・他の世帯の人から扶養を受けていない
・預貯金や国債などの資産が一定以下
(1人世帯350万円以下。1人増えるごとに100万円を加算)
・介護保険料を滞納していない
また、国民健康保険料などの算定方法は、各自治体の条例(国民健康保険組合の場合は規約)で定められています。詳しくは、お住まいの市区町村の役所窓口にてご相談ください。
住民税非課税世帯がもらえるお金9:シルバーパス
東京都には、70歳以上の都民を対象に、都内の地下鉄やバスなどを利用できる「東京都シルバーパス」があります。東京都に住民登録している満70歳以上の方が対象で、寝たきりの方は対象外です。70歳になる人は、誕生月の初日から申し込めます。
発行費用は、所得によって異なります。2026年度に住民税が非課税の方は1000円で取得できます。また、住民税が課税されている場合でも、2025年の地方税法上の合計所得金額が135万円以下の方は1000円です。
一方、これらに該当しない方の発行費用は通常1万2000円です。ただし、2026年4月1日以降に新規購入する場合は、4~9月の半年分が6000円に引き下げられています。
1000円のシルバーパスを申し込む場合は、マイナンバーカードや運転免許証などの本人確認書類に加え、介護保険料納入(決定)通知書や課税・非課税証明書など、住民税の課税状況が確認できる書類が必要です。
シニアの外出を支援するため、公共交通機関の利用料を助成する制度は、東京都以外の自治体でも設けられている場合があります。「シニア 公共交通機関 利用助成 ○○市」などのキーワードで検索してみましょう。お住まいの自治体のホームページでも情報が得られるでしょう。
もらえるお金を確認しよう
住民税非課税世帯を対象とした給付金や支援制度には、子育てや教育、介護、交通費など、さまざまなものがあります。自治体から案内が届くものもありますが、自分で申請しなければ利用できない制度もあります。
自治体の窓口やホームページなどで最新の情報をチェックし、利用できる制度は忘れずに申請しましょう。
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舟本美子 ファイナンシャルプランナー
「大事なお金の価値観を見つけるサポーター」
会計事務所で10年、保険代理店や外資系の保険会社で営業職として14年働いたのち、FPとして独立。あなたに合ったお金との付き合い方を伝え、心豊かに暮らすための情報を発信します。3匹の保護猫と暮らしています。2級ファイナンシャル・プランニング技能士。FP Cafe登録パートナー
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