26/08/31
マイナ保険証時代でも医療費の領収書を必ず保管!医療費控除で「マイナポータル連携」は絶対やめた方がいい【確定申告準備】

医療費控除は医療費がたくさんかかった年に確定申告することで所得を減らして税金を安くすることができる所得控除の手続きです。マイナ保険証を利用して病院や薬局を受診した場合、「マイナポータル連携」を利用することで医療費控除の適用がしやすくなります。ただ、安心していると、思わぬ漏れが発生することがあるかもしれません。今回は、マイナポータル連携の意外な注意点を紹介します。
医療費の「マイナポータル連携」とは?
マイナポータル連携は、マイナンバーカード保有者が利用できる「マイナポータル」から年末調整や確定申告に必要な情報を取得できるサービスです。
マイナポータル連携を利用すると、医療機関や薬局で支払った医療費の情報(医療費通知情報)をマイナポータル経由で取得し、スマホやパソコンで確定申告ができる「e-Tax」を利用するときに医療費通知情報を自動で入力できます。
確定申告の期間は原則2月16日〜3月15日。それに先立って毎年2月9日以降に、前年の1月から12月までの医療費通知情報を一括で取得できるようになります。
事前にマイナポータルで「代理人」として家族を登録しておけば、家族の医療費通知情報も自動で入力できます。
医療費通知情報のマイナポータル連携の注意点
マイナポータル連携を利用すれば医療費控除の手続きの手間が大きく省けるのは事実です。ただ、医療費通知情報のマイナポータル連携には注意点があります。
●医療費通知情報に含まれない医療費は別途手続きが必要
マイナポータル連携で取得できる医療費通知情報に含まれる医療費は、医療機関や薬局で保険診療を受けて支払った医療費のみです。マイナポータルのサイトによると、以下の費用は医療費通知情報の取得対象外になっています。
・ドラッグストアで購入した医薬品
・高額な医療費を医療機関等の窓口で支払い、後日、保険者から支給を受けた場合の高額療養費
・立て替え払いをしたときの療養費(保険資格を確認できずに受診した場合やコルセット等の治療用装具を作成した場合など)
・はり・きゅう、あんま・マッサージ・指圧の施術費用
・整骨院・接骨院で受けたときの柔道整復療養費
・保険適用外の費用(自由診療や差額ベッド代、後発医薬品がある医薬品で一部の先発医薬品の処方等又は調剤を希望した場合に支払う「特別の料金」など)
これらの医療費は、e-Taxを利用するときに自動では入力されないので、医療費控除を適用するには別途領収書を確認して手続きをする必要があります。手続きをしないとその分の医療費控除が適用できなくなり、控除される税金が少なくなってしまいます。
●医療費の領収書の保存が必要になる場合がある
マイナポータル連携で取得した医療費通知情報は「XMLデータ」と呼ばれるデータになっています。XMLデータは、e-Taxで確定申告を行う際に自動で取得する仕組みになっています。この方法で連携された医療費通知情報の領収書は、保存する必要はありません。
医療費通知情報に含まれない医療費の領収書は、提出の必要こそありませんが、5年間は保存しておく必要があります。税務署から提示を求められた際には提示する必要があります。
確定申告の際のマイナポータルの画面やPDFを印刷・ダウンロードしたものも、医療費通知情報の原本として認められません。XMLデータを利用しない場合には医療費の領収書を5年間保存する必要があります。年別にファイリングするなどして、きちんと保存しましょう。
なお、国税庁のウェブサイトでは「医療費集計フォーム」というエクセルファイルをダウンロードできます。このファイルに支払った医療費を集計して、e-Taxでの確定申告書の作成時にファイルを読み込ませることでも医療費控除の入力ができます。ただ、この場合でもXMLデータを利用したわけではないので、医療費の領収書は5年間保存が必要です。
「医療費のお知らせ」も同様に注意
加入している健康保険組合から1月中旬〜下旬にかけて届く「医療費のお知らせ」にも、健康保険を利用して医療機関や薬局で支払った医療費の明細がまとめられています。
医療費のお知らせは一覧で細かく記載されていて医療費控除のときの役に立つのですが、こちらもマイナポータル連携と同様、健康保険利用外の診療やドラッグストアなどでの薬の購入費用などは含まれていないので注意が必要です。
記載されている情報もたとえば「2025年9月から2026年8月まで」などと年をまたいでいるため、2026年分の医療費控除を行うならば2025年分を一覧から除き、2026年8月までは一覧で集計し、2026年9月〜12月分は自分で追加するといった手続きが必要になります。
医療費控除は領収書をもとにした申請で漏れをなくそう!
医療費の情報の手間が省ける「マイナポータル連携」や、医療費の情報をまとめてくれる「医療費のお知らせ」は便利ですが、記載されない情報もあります。これらは自分で追記しなければ医療費控除が受けられません。
漏れなく確実に医療費控除で得をしたいならば、やはり1年分の領収書をなくさずに取っておき、それを元に申請するのがいちばん確実です。どうしても手間はかかりますが、領収書をチェックして医療費控除を適用するのがよいでしょう。
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畠山 憲一 Mocha編集長
1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャルプランナー(AFP)。住宅ローンアドバイザー。教員免許も保有。趣味はランニング。
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