26/08/17
クレジットカード会社が勧誘する無料の傷害保険に加入しないほうがいい3つの理由

クレジットカード会社が定期的に送ってくる「無料で入れます」「自動付帯します」という傷害保険の案内。一度は手にしたことがあるのではないでしょうか。保険に加入するためには保険料が必要なのに、なぜわざわざ無料で提供するのか。その背景には、次のようなカード会社の戦略があります。今回は、クレジットカード会社が送ってくる無料の保険に加入しないほうがいい理由についてお伝えします。
クレジットカード会社が無料で保険を提供する理由
クレジットカード会社が「無料で保険に加入できる」という案内を送ってくることがあります。金融機関によって異なるようですが、「フリーケア・プログラム」などの名称がついています。無料の保険の内容もさまざまですが、たとえば交通事故傷害保険の場合、「交通事故で15日以上入院した場合に3万円の一時金がもらえる」という補償が3年間にわたって得られるようになっています。
保険に加入すると通常は保険料がかかりますが、無料で加入できるならお得そうです。
クレジットカード会社がこのような保険を無料で提供する理由には、次のものが挙げられます。
●1. 顧客の囲い込み
無料の保険を付けることで、このカード、なんだか得だなという心理を生みクレジットカードの解約防止につなげます。いわゆるロイヤルティ強化です。クレジットカード会社にとっては、年会費や利用手数料の方がはるかに大きな収益源となります。保険はそのためのおまけとして機能します。
●2. 将来の有料保険への誘導
無料保険に加入した人は、保険に興味がある層としてマーケティングリストに入ります。
その後、月額数百円の上乗せ保障、家族特約、旅行保険のアップグレードなどの有料商品の案内が届くようになります。
●3. カード利用データとの組み合わせで収益化
保険加入者の属性データは、クレジットカード会社にとって非常に価値があります。どんな人が保険に興味を持つのか、どの層にどんな商品を売れば反応が良いかといった分析に使われ、将来のマーケティング精度を高める材料になります。
無料の保険に入らない方がいい理由
クレジットカード会社の戦略でも、無料なら入っておけばいいと思われるかもしれません。しかし、「無料だから入る」という行動は、実はあまり賢い選択ではありません。筆者はこのような保険には入らない方がいいと考えています。その理由は3つあります。
●(1)補償内容が極めて薄い
無料の傷害保険は、交通事故で15日以上入院したら一時金3万円、交通事故死亡した場合で数十万円など、市販の保険と比べて補償が非常に小さいのが特徴です。今は医療も充実していて、入院日数も短くなっています。実質ほぼつかえない保険といっても過言ではありません。
無料だからいいと言えばそれまでですが、実質的に役に立たない保険に加入してもあまり意味がありません。
●(2)自動更新で知らないうちに有料化するケースも
場合によっては、無料期間が終わると自動的に月額数百円の有料保険へ移行するタイプもあります。もちろん、説明書には書かれていますが、小さな文字で書かれていることも。無料期間が半年~1年などと長くなっていると忘れてしまいがちです。
また、加入するのは簡単でも解約手続きがわかりにくいなどの理由で、気づかないまま課金される人が少なくありません。
無料だから入ったのに、いつの間にか毎月引き落とされていたという相談は、筆者のところに寄せられるご相談でもよくあります。
●(3)本当に必要な保険の見直しが遅れる
無料保険に入ると、なんとなく保険に入っている安心感が生まれます。しかし、実際に必要なのは、医療保険、がん保険、収入保障保険など、人生のリスクに備える本命の保険です。
無料保険で安心してしまうと、本当に必要な保険の検討が後回しになるというデメリットがあります。結果として、必要な保障がないまま数年過ぎてしまう人もいます。無料保険にたよらず、自分自身にどんな保険が必要かしっかり考える必要があります。
「無料だから」ではなく「自分に必要かどうか」を大切に
無料の傷害保険は、補償が薄く、自動更新で有料化する可能性もあるため、無料で得られる保障のメリットよりデメリットが目立ちます。
もちろん、補償が薄くても、無料ならとりあえず欲しいという人もいるでしょう。それで助かったという人も少なからずいらっしゃるかもしれません。
ただ、筆者は無料だから入るのではなく「自分に必要かどうか」を基準に判断することが大切だと思います。ただより高いものはないということわざもあります。無料にとびつかず、必要なものを必要なだけ手にするシンプルライフを目指しましょう。
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稲村 優貴子 ファイナンシャルプランナー(CFP︎︎®︎)、心理カウンセラー、ジュニア野菜ソムリエ
大手損害保険会社に事務職で入社後、お客様に直接会って人生にかかわるお金のサポートをする仕事がしたいとの想いから2002年にFP資格を取得し、独立。現在FP For You代表として相談・講演・執筆活動を行っている。日経ウーマン、北海道新聞などへの記事提供、テレビへの取材協力など各メディアでも活躍中。著書『年収の2割が勝手に貯まる家計整え術』河出書房新社。趣味は、旅行・ホットヨガ・食べ歩き・お得情報収集。FP Cafe登録パートナー
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