20/07/25
1株だけでもらえる株主優待21銘柄
株式投資の醍醐味ともいえる株主優待。なんと上場企業約3,800社のうち、1,500社以上が株主優待を実施しているのです。それだけ株主からの人気が高いということでもありますよね。ただ、株式投資って数十万、数百万というお金がいるのでは？と思っている人も多いかもしれません。そこで今回は、1株購入するだけで株主優待がもらえる銘柄についてご紹介いたします。ぜひ参考にしてみてくださいね。
株主優待をもらうにはどうしたらいい？
本題に入る前に、株主優待について簡単におさらいしておきましょう。企業の株を買って株主になると、配当がもらえたり、株主総会の議決権が付与されたりと、株主になることで得られる権利があります。その中の一つが、株主優待ということになります。企業が株主に、自社製品やサービス券、割引券などをプレゼントするようなイメージです。株主優待が魅力的であれば、「その企業の株主になりたい」と思う人が増え、株主にとっても、企業にとってもうれしい効果があるというわけです。
では、株主になって株主優待をもらうにはどうすればいいのでしょうか。株主優待をもらうには、「権利確定日」という日にその企業の株を保有している必要があります。「権利確定日」時点の株主名簿をもとに、企業は株主優待を送るイメージですね。この「権利確定日」というのは企業によって異なりますが、3月末、9月末に増える傾向にあります。
多くの企業がある月の末日を権利確定日としますが、中には月の途中に「権利確定日」を迎える株もあるので注意が必要です。お目当ての株主優待があれば、必ずその企業のホームページで「権利確定日」を確認しておきましょう。有名な四季報にも掲載されていますし、証券会社のWebページ上にも掲載されていますが、企業のホームページで確認するのが一番確実です。
少しややこしいのは「権利確定日」に株を買うのでは遅いということです。株を買うときは基本的に取引が成立して、株はあとからもらえるということになっています。お金を先払いするようなイメージですね。株がもらえる日を「受渡日（うけわたしび）」と言います。この取引成立日から株がもらえる日（株主の権利が付与される日）は2営業日のタイムラグがあるのです。株主優待をもらうには権利確定日に株をもらっておかないといけないので、「権利確定日」の2営業日前には株を買っておく必要があります。
たとえば、31日（月）に権利確定日を迎える企業の株を買う場合、27日（木）には株を買っておかなくてはならないのです。この29日（水）のことを「権利付き最終日」と言い、この日のうちに株を買っておかなくてはなりません。たとえば、2020年7月31日は金曜日なので、7月31日が権利確定日の企業の株は7月29日（水）までに買って持っておくということになります。
中には「〇年以上の保有」や「任意の日に保有していること」など複雑な条件を付けている企業もあり、四季報や証券会社の情報では対応しきれていないこともあります。絶対にほしい株主優待を出している企業のホームページはこまめにチェックしておいてくださいね。
また、株主優待をもらうには基本的に1単元（100株）を購入する必要があります。しかし、一部の企業では「たった1株だけでも持っていれば、株主優待をあげる」という企業もあります。1株保有するだけでいいとなれば、数百円～数千円で投資を始めることができます。ここではこの1株で優待がもらえる銘柄を紹介します。
１株でもらえる株主優待
1．NEW ART HOLDINGS（7638）
優待内容：①「銀座ダイヤモンドシライシ」「エクセルコ ダイヤモンド」の国内全店舗で使えるジュエリー商品の割引（15%・20％）カード贈呈
②ニューアート・ラ・パルレが運営するエステティックサロン「ラ・パルレ」エステサービス契約者向け株主特典
③ニューアート・クレイジー直営店およびオンラインショップにて、オリジナル・ゴルフ用品購入時利用できる割引（20％）カード
④軽井沢ニューアートミュージアム無料観覧券
権利確定日：毎年3月31日、9月30日
株価：649円（2020年7月22日終値）
2.ニッケ （3201）
優待内容：株主優待カタログによる特別価格販売（1株以上の場合）
権利確定日：毎年5月末日、11月末日
株価：950円（2020年7月22日終値）
※ただし、1株以上保有で株主優待がもらえるのは5月末日に保有していた株主のみ。
3.東光高岳（6617）
優待内容：福島県産品「特撰カタログ」掲載価格に消費税を加えた税込価格から1000円割引（1株以上 500 株未満）
権利確定日：毎年3月31日
株価：1,004円（2020年7月22日終値）
4．山田コンサルティンググループ（4792）
優待内容：自社グループ会社出版物
権利確定日：毎年3月31日
株価：1,266円（2020年7月22日終値）
5．SBIホールディングス（8473）
優待内容：SBIアラプロモ株式会社が販売する健康補助食品（サプリメント）や化粧品などを、通常価格から50％割引の優待価格で購入できる割引購入申込券を1枚贈呈
権利確定日：毎年3月31日
株価：2,224円（2020年7月22日終値）
6．日本ケミファ（4539）
優待内容：スキンダイエット基礎化粧品シリーズやコエンザイムQ10、姫マツタケ、ケミファの青汁モリンガブレンドなどの健康食品商品優待セール
権利確定日：毎年3月31日、9月30日
株価：2,520円（2020年7月22日終値）
7.テルモ（4543）
優待内容：①自社製品（電子血圧計・電子体温計・栄養補助食品等）の優待価格販売（3月・9月）
②自社オリジナルカレンダー（3月）
③自社施設見学会（抽選）（9月）
権利確定日：毎年3月末・9月末
株価：4,007円（2020年7月22日終値）
8.インヴィンシブル投資法人（8963）
優待内容：①シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル 投資主優待価格での宿泊
②マイステイズホテルグループの全てのホテル投資主優待価格での宿泊
権利確定日：毎年6月末・12月末
株価：25,680円（2020年7月22日終値）
※2020年6月期から対象投資主に関する「10口以上を保有する」という条件を撤廃、1口以上を含む全投資主を対象としています。
9.ヘルスケア＆メディカル投資法人（3455）
優待内容：対象施設の無料体験入居（1泊2日食事付）や対象施設の初月利用料の10％割引など
権利確定日：毎年1月31日、7月31日
株価：124,500円（2020年7月22日終値）
10. ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人（3278）
優待内容：対象施設の日帰り（昼食付）施設見学や入居一時金割引など
権利確定日：毎年1月31日、7月31日
株価：198,600円（2020年7月22日終値）
11.信金中央金庫（8421）
優待内容：江戸硝子 富士山グラス（1口以上3口未満）
権利確定日： 毎年9月30日
株価：229,800円（2020年7月22日終値）
12. 大和ハウスリート投資法人（8984）
優待内容：対象のダイワロイヤルホテルにおいて、有効期間内は回数の制限なく宿泊（1部屋2名様以上の利用）が可能な優待券
権利確定日：毎年2月末日、8月31日
株価：273,000円（2020年7月22日終値）
13.ジャパンベストレスキューシステム（2453）
優待内容：「キッザニア」の優待券1枚
権利確定日：毎年3月31日
株価：813円（2020年7月22日終値）
14.三菱マテリアル（5711）
優待内容：三菱マテリアルグループが扱う貴金属製品を優待価格で購入可能。金・プラチナは購入時、売却時に1gあたり5円優待。銀は1㎏あたり100円優待。ほかにも、通販カタログ掲載商品の3%割引や展示販売会「三菱ジュエリーシェア」にて購入時3%割引など。
権利確定日：毎年3月末・9月末
株価：2,295円（2020年7月22日終値）
15.京セラ（6971）
優待内容：自社およびグループ会社指定製品・サービスの優待価格販売
権利確定日：毎年3月末・9月末
株価：5,896円（2020年7月22日終値）
16.松風（7979）
優待内容：自社製品のご優待価格販売
権利確定日：毎年3月31日
株価：1,395円（2020年7月22日終値）
17．日本電産（6594）
優待内容： 「日本電産サンキョーオルゴール記念館すわのね」（長野県諏訪郡）の無料入館リーフレット
権利確定日： 毎年3月31日、9月30日
株価：8,222円（2020年7月22日終値）
18.富士電機（6504）
優待内容：自社オリジナルカレンダー（応募者全員）
権利確定日：毎年6月30日
株価：2,925円（2020年7月22日終値）
19.リコー（7752）
優待内容：リコーイメージング（株）のカメラ等の製品やリコーエレメックス（株）の時計製品等を特別価格で購入できる特典
権利確定日：毎年3月31日、9月30日
株価：812円（2020年7月22日終値）
20.上新電機（8173）
優待内容：株主ご優待券（200円券）25 枚（5000円分）
権利確定日：毎年3月31日、9月30日
株価：2,158円（2020年7月22日終値）
※ただし、1株以上保有で株主優待がもらえるのは9月末日に保有していた株主のみ。
21.アスクル（2678）
優待内容：「LOHACO」500円割引クーポン（税込3000円以上の注文で1人1回限り利用可）
権利確定日：毎年5月20日、11月20日
株価：3,090円（2020年7月22日終値）
1株から買って株主優待をもらおう！
ここまで1株で株主優待がもらえる企業の株を紹介してきました。では実際に、1株から購入するにはどうしたらいいのでしょうか。たとえば、コストが比較的安いネット証券で、単元未満株の取り扱いがある証券会社に口座を開設すると購入することができます。単元未満株の取り扱いがあるのは、SBI証券の「S株」やマネックス証券の「ワン株」、auカブコム証券の「プチ株」などがあります。これらで買い付けをした場合は、株主優待の権利を得ることができます。
一方で、最近はスマホ証券というものも出てきました。LINE証券やPayPay証券日米株、SBIネオモバイル証券やSMBC日興証券が展開する投資情報メディア「日興フロッギー」の「キンカブ」というも少額から株を買い付けることができます。
ただし、スマホ証券の中には、株主優待を受け取れないところもあります。
たとえば、LINE証券やSBIネオモバイル証券は1株から購入できて、1株以上保有で株主優待がもらえる企業の株を持っていたら株主優待も受け取れます。
しかし、PayPay証券 日米株は、1株よりももっと細かい単位での取引をするうえ、1単元以上にならないと株主優待が受け取れないので、1株だけ買う単元未満株の場合は株主優待が受け取れません。「日興フロッギー」の「キンカブ」についても同様で、単元株数以上のキンカブ残高がある場合に、キンカブ口座から別の口座に振り替えてからでないと株主優待が受け取れません。一度、証券会社各社のホームページやお問い合わせで確認してから購入するのが確実でしょう。
まとめ
いかがでしたか。1株でも株主優待がもらえる企業、意外と多かったのではないでしょうか。株はお金がないと買えない、という思い込みを捨て、一度気になる銘柄で投資にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。新しい一歩を踏み出せるかもしれませんよ。
※編注：LINE証券は2024年中に撤退を発表しました。新規口座開設の受付を終了しています。
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大塚 ちえ ファイナンシャルプランナー(AFP)、証券外務員Ⅰ種
新卒から証券会社一筋で働く、現役アラサー金融ウーマン。スポーツと音楽が趣味。金融機関勤めで得た知識と経験で、キャリアやお金、結婚・恋愛のことなどいろんな女性の悩みに向き合う。現代日本に生きる働きすぎな女性にエールを送る。
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