「Visa LINE Payカード」発行時期が未定に…計8％のポイント還元は受けられるのか

消費税率がアップしてからスタートしたキャッシュレス還元（キャッシュレス・消費者還元事業）。みなさん、ちゃんとキャッシュレス決済を使って受け取っていますか？

対象になるキャッシュレス決済手段がいろいろあるなかで、筆者がひそかに期待していたのが、スマホ決済のひとつ「LINE Pay」で利用できるようになる予定の「Visa LINE Payカード」…だったのですが、残念ながら発行が延期されるというニュースが飛び込んできました。いったいどういうことか、紹介します。

破格の還元率3％！ Visa LINE Payカード

Visa LINE PayカードはVisaのクレジットカードとしてこれから発行される予定のカードです。名前の通り、といえばそうなのですが、注目すべきはやはり、LINE Payに登録して使用することにあります。

というのも、LINE Payには他のクレジットカードを登録して使うことができるものの、それで決済できるのはLINE関連のサービスに限られています。つまり、LINE Payを介してお店でクレジットカード払いする、ということはできないのです。他のスマホ決済ではクレジットカード払いができるものもありますから、これはLINE Payのマイナス点だといえるでしょう。それが、Visa LINE Payカードを使えばできるようになるというのですから、ようやく他のスマホ決済との溝が埋まると考えられるのです。

しかし、Visa LINE Payカードのすごさはそれだけではありません。Visa LINE PayカードをLINE Payにひもづけて決済をすれば、カードサービス提供開始から1年間は国内・海外問わず3％のLINEポイントの還元が受けられるというのです。年会費も初年度は無料です（2年目以降は１回もカードショッピング利用がなければ1250円＋税）。
年会費無料のカードの場合、1％以上還元が受けられればお得という印象があるなかで、1年間限定とはいえ3％還元というのは、かなりのインパクトではないでしょうか。

その他、Visaのタッチ決済にも対応し、決済が終わるとLINEに支払い通知が届くという仕様も安心感があります。

キャッシュレス還元と合わせて計8％還元も

さらに、今は冒頭でお話ししたキャッシュレス・消費者還元事業の真っ最中。対象の店舗でキャッシュレス決済をするだけで5％・2％のポイント還元があるのですから、使ったほうが有利ですよね。

仮に、Visa LINE Payカードを登録したLINE Payを使って、5％の還元が受けられる店舗で支払いを行えば、Visa LINE Payカード還元の3％＋キャッシュレス還元の5％で、計8％もの還元が簡単に受けられることになります。

消費税率8％、軽減税率の適用されている食料品類なら消費税分がそっくり取り戻せますし、消費税率10％のものも実質2％になる、ということができます。そう考えると、ぜひ使うべき…と紹介するつもりでした。

申し込み延期により発行時期は未定に

Visa LINE Payカードの申し込みは、LINE上で行われていました。
まず、8月30日から9月30日にかけて、数量限定の「Visa 東京2020オリンピック限定 Visa LINE Payカード」の先行案内が行われました。ここで申し込んだ人に対して、10月下旬にカード申し込みの案内が届く予定でした。そして、申込・審査を経て、2020年1月をめどにカードが届く、という流れになっていました。

しかしLINE Payは10月下旬、カード申し込みの案内が予定より遅れる見込みだと発表。また、それに伴って、カード発行の時期も延期されました。今のところ、いつ頃発行されるのかは未定の状態です。
今後の日程が決まったら、LINE PayのLINE公式アカウント上でアナウンスするといいますが、この延期はちょっと残念と言わざるを得ません。

次の発表に期待大！

こうなると気になるのが、キャッシュレス還元と合わせた最大8％の還元がどのくらいの期間使えるようになるか、です。

キャッシュレス・消費者還元事業は2020年6月30日までと決まっていますから、Visa LINE Payカードの発行が遅くなればなるほど、この合わせ技を使える期間は短くなってしまいます。もちろん、単体でも3％の還元はお得ですが、できれば8％受け取れる期間が長いほうがいいと思うのは筆者だけではないでしょう。最初に案内されたカードは東京オリンピックの限定デザインですから、それほど発行が遅れることはないと思いたいのですが、どうでしょうか。

また、先行案内に申し込まなかった人がVisa LINE Payカードを手に入れる方法も、現状まだわからない状態です。それも含めて、次の発表に期待したいところです。

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畠山憲一 Mocha編集長

1979年東京生まれ、埼玉育ち。大学卒業後、経済のことをまったく知らないままマネー本を扱う編集プロダクション・出版社に勤務。そこでゼロから学びつつ十余年にわたり書籍・ムック・雑誌記事などの作成に携わる。その経験を生かし、マネー初心者がわからないところ・つまずきやすいところをやさしく解説することを得意にしている。2018年より現職。ファイナンシャル・プランニング技能士2級。教員免許も保有。趣味はランニング。